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【こども家庭庁】令和6年度補正予算 保育士処遇改善と子どもの成育環境向上に4335億円

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こども家庭庁の補正予算では、保育士の処遇改善に大きな予算が組まれました。また子どもが直面する多様な課題に取り組むため、前年度比で約2.4倍と、大きな増額となっています。

今回はこども家庭庁の補正予算を、4つの柱を元に見ていきましょう。

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この記事の目次

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2024年度 こども家庭庁補正予算案の全体像

こども家庭庁の補正予算案では、4335億円が計上されました。これには保育士の処遇改善や保育施設の整備、こどもの安心・安全の確保などが含まれています。

出典:こども家庭庁 令和6年度こども家庭庁補正予算案の全体像

2024年度 こども家庭庁補正予算案のポイント

今回の補正予算では、以下の4つが柱として設定されました。

①「こどもまんなか」のバージョンアップ(14億円)
こどもまんなかアクションの加速等
こども・若者視点の現場主義の強化
こども家庭庁におけるEBPMの強化 など
②地域の若者の将来設計の可能性の最大化(170億円)
地域の若者のライフデザイン(将来設計)への支援(95億円)
地域で安心して妊娠・出産できる環境の整備(46億円)
誰でも地域で無理なく子育てできる社会への転換(29億円)
➂未来を担うこどものための質の高い成育環境の提供(2929億円)
多様で質の高い保育の持続的な確保(2117億円)
こどもの安心・安全の確保等(812億円)
④すべてのこどもの幸せを守り抜く(343億円)
いじめ・不登校対策等の強化(8億円)
ひとり親家庭等への支援の強化(25億円)
困難に直面するこどもの幸せを守り抜く(311億円)

最も大きな予算があてられたのは、「多様で質の高い保育の持続的な確保(2117億円)」です。保育士の処遇の抜本的改善や過疎地域における保育機能の確保・強化等が盛り込まれました。

また、いじめやヤングケアラー問題への対策など、子どもに関する深刻な社会的課題に対する施策も注目されます。

ここからは、柱となる取組の、具体的な施策を見ていきましょう。各取組における主な施策と予算額は、以下のとおりです。

「こどもまんなか」のバージョンアップ

■こどもまんなかアクションの加速等 6億7000万円
■こども・若者視点の現場主義の強化 6億8000万円
■こども家庭庁におけるEBPMの強化等 2000万円

社会全体で子育てを応援する環境・意識の醸成や、こども・子育て支援の現場からの「声」を直接聞く取組の強化が提示されました。「こども・若者の意見聴取に係る新たな仕組みの導入等」には1億7000万円、「若者団体への支援等」に4000万円の予算が充てられています。

また、「こどもの支援ニーズを把握するこどもデータ連携の推進」には4億7000万円が配分されました。そのほか、「事業全体についてのEBPMの導入等」や「アカデミア連携型のリサーチデザインとEBPM実施(2000万円)」が明記されています。

地域の若者の将来設計の可能性の最大化

■地域の若者のライフデザイン(将来設計)への支援 95億円
■地域で安心して妊娠・出産できる環境の整備 46億円
■誰でも地域で無理なく子育てできる社会への転換 29億円

「地方の少子化対策事業への支援の拡充」に83億円、「民間企業等と連携したライフデザイン支援等」に7億円のほか、「若年世代を対象としたプレコンセプションケアの推進等(5億円)」など、若者と地域を結ぶ取組が強化されています。

「妊娠・出産時の不安と負担の解消に向けた取組の強化(18億円)」では、遠方で妊婦健診を受診する妊婦のための支援事業の創設」や「産後ケア施設の改修費等の支援」などが盛り込まれました。

放課後を一人で過ごす子どもや入院中の子どものケアとしては、「放課後児童クラブの待機児童問題への対応」に22億円、「入院中のこどもの家族の付添いの環境改善」に1億9000万円の予算が割り振られました。

未来を担うこどものための質の高い成育環境の提供

■多様で質の高い保育の持続的な確保 2117億円
■こどもの安心・安全の確保等 812億円

保育士の長時間労働や低賃金が問題となっていることを背景に、「保育士等の処遇の抜本的な改善」に1150億円と、大きな予算が充てられています。また「保育の提供体制の確保(840億円)」や「利用者の保育所等の選択に資する情報提供の充実(1億5000万円)」やなど、保護者に対する支援も盛り込まれています。

「過疎地域における保育機能の確保・強化」には2億9000万円と、地域間における保育格差の是正も強化されています。

子どもの安全に関わる分野では、「こどもの居場所づくりへの支援の強化」に4億円、「保育所等の防災・減災対策の強化・加速等」に86億円が配分されました。

すべてのこどもの幸せを守り抜く

■いじめ・不登校対策等の強化 8億円
■ひとり親家庭等への支援の強化 25億円
■困難に直面するこどもの幸せを守り抜く 311億円

いじめや家庭環境など、子どもが直面する悩みは多種多様です。

「こどもの悩みを受け止め、つなぐ場に向けた取組」には1億円、「地域における新たな不登校対策(不登校のこどもへの切れ目のない支援)」に2億6000万円と、不登校やいじめに対して社会全体で取り組む姿勢が示されました。

また「民間企業と協働したひとり親家庭の就業・定着の一体的支援(1億8000万円)」、「ひとり親家庭に対するワンストップ相談体制の構築等(3億2000万円)」、「こども食堂等を広域的に支援する民間団体の取組への支援(19億円)」と、ひとり親家庭に対する支援も盛り込まれています。

困難に直面する子どものケアとしては、「地域におけるこどもホスピスへの支援(3億円)」、「ヤングケアラー支援の強化(7億3000万円)」のほか、「児童相談所等のICT化等を通じた児童相談所の体制強化(7億6000万円)」などが示されています。

こども家庭庁 補正予算の主要施策

こども家庭庁の補正予算では、特に以下の8つが「主要施策」として挙げられました。

①こども・若者視点の現場主義の強化
こども・若者の意見、現場の声の政策への反映を強化
②地域の若者のライフデザイン(将来設計)の可能性の最大化
結婚する前の若者のライフデザイン(将来設計)を支援
➂放課後児童クラブの待機児童問題への対応
放課後児童クラブの待機児童問題の解決に向けた方策
④保育士等の処遇の抜本的な改善
現状からの「大脱却」を図る処遇改善
⑤保育の提供体制の確保(保育所等の施設整備)
安心・安全で質の高い保育へのニーズに応える
⑥困難に直面するこどもの幸せを守り抜く
地域の「こどもホスピス」への支援を新たに開始
⑦ひとり親家庭等への支援の強化
ひとり親家庭等の実情を踏まえ、寄り添う支援を強化
⑧困難に直面するこどもの幸せを守り抜く
・こどもの命と笑顔を全力で守り抜く
・児童虐待防止に必要な措置を前倒し

子育て世代の支援からトラブルの最中にいる子どもの救済まで、幅広い施策が盛り込まれています。

まとめ

今回の補正予算では保育現場の改善を軸として、予防的支援から緊急対応まで、切れ目のない支援体制の構築を目指す内容となりました。特に保育に関わる施策では、人材確保から子供の安全・安心まで、多層的な支援が盛り込まれています。

また、地域と子育て世代を結ぶ施策も多く取り入れられました。社会全体で子どもを守る「こどもまんなか」を目指す姿勢が強化されています。

子どもを守ることは、将来を守ることです。社会的需要を取り込み、政策の方向性を確認しながら、子どもが輝く社会を目指しましょう。

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