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令和6年度の国土交通省概算要求概要と重点項目

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日本は気候変動、新型コロナウイルス、経済リスク、少子化など、大きな構造的課題に直面しています。国土交通省は、令和6年度予算概算要求において、国民の生活を守るため、2050年カーボンニュートラル、デジタル投資、子育て・経済政策の強化、新たな国土形成に取り組むための予算を要求しました。本記事ではそのポイントを確認します。

この記事の目次

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国土交通省 令和6年度概算要求 主な方針

概算要求のポイントは以下の3つです。

(1)強靭な国土づくり
風水害や地震災害への対応、国土強靱化、交通ネットワーク整備、観測・予測体制強化などを進めます。

(2)持続的経済成長
インフラの脱炭素化、自動車の電動化、DX、造船・海運業強化、観光推進、2024年問題の解決、物流・建設業の環境整備などを重視し、持続的な経済成長の実現のための取組を進めます。

(3)東京一極集中型から脱した分散型国づくり
デジタル技術活用による地域活性化、バリアフリー社会、移住促進、スマートシティ、交通のリ・デザイン、子育て支援などを推進します。

上記のほか、重要政策の経費や物価高騰対策、国民保護・総合的防衛体制の強化など(下記項目)については、金額を示さずに要求する「事項要求」を行って予算編成過程で検討するとしています。

  • 防災・減災および国土強靱化の5年加速化対策
  • 資材価格の高騰を考慮した公共事業の実施経費
  • 「物流2024年問題」解決のための持続可能な物流実現経費(特に、モーダルシフト促進と再配達削減への取組)
  • 一般会計から自動車安全特別会計への資金移動を考慮した増額
  • 国民保護・防衛体制強化のための公共インフラ整備経費

令和6年度予算概算要求額

一般会計は前年度比1.19倍の7兆3,389億円を計上。公共事業関係費は6兆2,909億円で、うち一般公共事業費は6兆2,333億円(前年度比1.19倍)、災害復旧等は575億円(前年度と変わらず)となりました。

なお、非公共事業は7,480億円で、東日本大震災復興特別会計は465億円、財政投融資は2兆4,156億円となりました。

出典:令和6年度予算概算要求概要

以下、重点項目別の要求内容から主なものをご紹介します。
※()内は対前年度比

国民の安全・安心の確保

【災害に屈しない強靱な国土づくりのための防災・減災、国土強靱化の強力な推進】
■気候変動による水害や土砂災害の激甚化に対抗する「流域治水」の加速化・強化 [8,002 億円(1.26)]
気候変動の影響で増大する水災害リスクに対応するため「流域治水」の方針を採用し、堤防の強化やダムの建設・更新を加速し、国や地方自治体、企業、住民といった関係者全員で対策を進めます。また、集中豪雨や火山噴火による土砂災害への対応として、ハード・ソフトの総合的な対策を進めて、地域の安全性を高めます。

■南海トラフ巨大地震、首都直下地震、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震対策等の推進 [2,454 億円(1.22)]
大規模地震に備え、以下の対策を総合的に進めます。

  • 耐震化や津波対策などの施設強化(河川・海岸堤防の強化、水門の自動化・遠隔操作化、土砂災害対策、耐震・防波堤整備)
  • 公共施設の耐震化や機能継続性確保
  • 帰宅困難者受け入れ施設の支援、地理情報整備、水道・下水道施設の耐災害性強化、マンホールトイレ設置
  • 津波避難体制強化、救助・救急ルートの確保
  • デジタル技術活用の災害対応能力向上、道路啓開体制・資機材の充実
  • 地盤災害情報の推計精度向上研究開発

■災害時における物流・人流の確保 [4,968 億円(1.19)]
災害時にも輸送ルートを確保するための体制を整え、地震や豪雨、豪雪を考慮した防災対策を進めます。

■盛土の安全確保対策の推進 [9,943 億円の内数]
令和5年5月に施行された盛土規制法に基づき、都道府県が規制区域の指定調査を行い、盛土の安全性調査や対策工事の支援を実施して、盛土の安全を確保します。

【インフラ老朽化対策等による持続可能なインフラメンテナンスの実現】
将来もインフラの機能を維持するため、広域的・戦略的なインフラマネジメントと、国土交通省のインフラ長寿命化計画に基づく対策を進め、持続可能なメンテナンスを目指します。[9,074 億円(1.23)]

【地域における総合的な防災・減災対策、老朽化対策等に対する集中的支援(防災・安全交付金)】
激甚化する天災や老朽化に対する防災・減災と予防保全の対策など、地方公共団体の取組を積極的に支援します。[9,943 億円(1.20)]

【交通の安全・安心の確保】
■通学路等の交通安全対策の推進 [3,034 億円(1.21)]
交通安全の向上のために、生活道路や踏切、無電柱化などの安全環境を整備します。具体的には、通学路の安全対策、生活道路の「ゾーン30プラス」整備、自転車の利用環境の改善、踏切の立体交差化と迂回路整備、通学路の無電柱化、そして高速道路の安全対策を進めます。

持続的な経済成長の実現

【ストック効果を重視した社会資本整備の戦略的かつ計画的な推進】
我が国の経済を支えるネットワークやインフラを、国内投資拡大や生産性向上を目的に、戦略的・計画的に整備します。

■効率的な物流ネットワークの早期整備・活用 [4,471 億円(1.20)]
都市圏の道路整備や渋滞対策を推進し、物流ネットワークを迅速・円滑にします。具体策としては、三大都市圏の道路整備、物流拠点との接続強化、安全な道路ネットワーク構築、立体交差事業、ダブル連結トラック導入、高速道路の休憩施設改善などを進めていきます。

■成長の基盤となる社会資本整備の総合的支援(社会資本整備総合交付金)[6,563 億円(1.20)]
未来の成長のための道路や公園の整備、PPP/PFIを使った下水道事業、民間との協力での河川周辺の整備などを行い、地方公共団体の活動を全面的に支援します。

【脱炭素社会の実現に向けたグリーントランスフォーメーション(GX)の推進】
■ZEH・ZEB の普及や木材活用、ストックの省エネ化など住宅・建築物の省エネ対策等の強化 [1,225 億円(1.25)]
民生部門のCO2排出量を削減するために、住宅や建築物の省エネと木材利用を進めます。具体的な取組として、各種エコ住宅の普及、既存建築物の省エネ改修、新しい建築技術や部材の利用、中小工務店の支援、技能者の育成などを行います。

■グリーンインフラ、まちづくり GX 等のインフラ・まちづくり分野における脱炭素化の推進 [229 億円(1.43)]
脱炭素化を目的としたインフラ・まちづくりの推進を図ります。事例として、グリーンインフラの導入を拡大し、これによるコミュニティやビジネスの機会を創出する取り組みや、企業による河川環境の向上策、そして太陽光発電を始めとする再生エネルギーの導入・利用拡大を進める活動などが挙がっています。

【国土交通分野のデジタルトランスフォーメーション(DX)や技術開発、働き方改革等の推進】
■DX の推進等 [11 億円(2.48)]
ポストコロナの新しい経済社会に適応するため、デジタルトランスフォーメーションを加速させます。さらに、「国土交通省統計改革プラン」を基に、統計全般の企画、点検、品質向上を進めていきます。

■i-Construction、建築・都市の DX 等の「インフラ分野の DX アクションプラン」の推進 [222 億円(3.11)]
i-Constructionを新技術とICT施工の普及で推進し、「インフラ分野のDXアクションプラン(第 2 版)」に基づき、インフラDXの進展を目指します。

【持続可能な観光の推進】
■持続可能な観光の推進 [236 億円(2.37)]
我が国では観光を成長戦略の中心と捉え、持続可能な観光地域づくりや観光産業の高付加価値化を推進します。地方を中心としたインバウンドの誘客を戦略的に進めながら、国内の新しい交流市場や観光資源の創出にも力を入れる方針です。

■国際観光旅客税を活用したより高次元な観光施策の展開 [420 億円(2.13)]
「国際観光旅客税の使途に関する基本方針」に基づき観光施策を展開します。施策として、ストレスフリーな旅行環境の整備(革新的な出入国審査、多言語対応AIチャットボット、公共交通の革新など)、我が国の魅力情報の容易な入手(訪日プロモーションやMICE誘致のためのコンベンションビューロー支援)地域の観光資源の整備(観光地域づくり、多言語解説の整備、文化財や国立公園の環境整備など)が挙がっています。

【「2024 年問題」の解決等に向けた物流の革新、持続可能な建設業の実現】
2024年にトラックドライバーと建設業への時間外労働上限規制が始まるため(2024年問題)、これに伴う問題の解決策を進めていきます。

■担い手の確保・育成や物流の効率化等による物流の革新 [183 億円(1.71)]
「2024 年問題」の物流課題解決のために、政府は物流のデジタル変革や標準化を進めて効率化を目指します。具体的な取り組みとして、トラック運送業の働き方改革、港湾の物流革新対応、鉄道のモーダルシフト強化、道路物流の効率向上、及び災害時のサプライチェーン確保を推進します。

■担い手の確保・育成や生産性向上による持続可能な建設業の実現 [7 億円(1.44)]
2024年問題への対応として、建設業界は建設資材価格の変動対応、賃金の適正化、働き方改革、外国人技能労働者の受け入れ・育成などを進めていきます。具体的には、適切な工期設定、ICTの活用、建設キャリアアップシステムによる処遇の向上、取引環境の適正化、外国人材の適正活用などを進めて業界の魅力を高めるとしています。

個性をいかした地域づくりと分散型国づくり

【共生社会実現に向けたバリアフリー社会の形成と活力ある地方創り】
■地域公共交通や観光地・宿泊施設等のバリアフリー化の推進とユニバーサルデザインのまちづくりの実現 [333 億円の内数]
誰もが快適に生活と移動ができるよう、鉄道駅や観光地、宿泊施設のバリアフリー化とユニバーサルデザインの都市造成を進めます。具体的には、ホームの安全性向上、ノンステップバスやUDタクシーの導入、観光地のバリアフリー対応、障害者施設の適正利用啓発、及び都市の歩行空間での移動支援サービスの提供を進めます。

【デジタル田園都市国家構想の実現に資する分散型国づくりや持続可能な地域活性化】
■コンパクトでゆとりとにぎわいのあるまちづくりの推進 [863 億円(1.15)]
防災と減災を中心に、コンパクトで歩きやすく活気のある都市づくりに取り組みます。これには、防災を組み込んだコンパクトシティの推進、持続可能な都市計画、歩道や路肩の多様な活用、そして地方都市の再生を通じた産業の集積による地方都市の再生等が含まれます。

■スマートシティの社会実装の加速 [10 億円(2.07)]
デジタル田園都市国家構想の実現のために、新技術やデータを用いて地域の問題を解決し、新しい価値を生み出すスマートシティの導入を急ピッチで進め、そのための3D都市モデルの整備を進行させます。

■地域・拠点の連携を促す道路ネットワークの整備 [4,499 億円(1.19)]
分散型の国作りの方向性と、デジタルを取り入れた社会を支えるために、地域間や主要拠点間の接続を強化する道路ネットワークを整備します。これには、高速道路ネットワークの構築、主要施設へのアクセス路の整備、スマートICを用いた地域拠点の形成、高速道路のサービスエリアの機能向上、防災を意識した「道の駅」の取り組み、および集約型の公共交通ターミナルの推進などがあります。

■地域の暮らしと産業を支える港湾整備の推進 [1,583 億円(1.20)]
デジタル化した社会のサポートと、民間投資や雇用の拡大のために、製造業や農林水産業などの地域産業と住民生活をサポートする港湾の整備に取り組みます。これには、安定的で効率的なエネルギーや食糧の海上輸送網の構築も含まれます。

【デジタル田園都市国家構想の実現に資する交通のリ・デザイン】
地域関係者が協力して、デジタル技術を取り入れた公共交通の「リ・デザイン」をサポートし、持続的なサービスを推進します。同時に、港湾などのネットワークを整備し、広域圏の発展と交流を強化します。[540 億円(1.23)]

【安心して暮らせる住まいの確保と魅力ある住生活環境の整備】
■多様な世帯が安心して暮らせる住宅セーフティネット機能の強化[859 億円(1.26)]
困難な状況にある世帯、特に高齢者や子育て世帯のために、安心して住める多様な住宅を提供することを目指します。具体的には、住宅の安全性の強化、子育て支援施設の導入、高齢者向けの住宅整備、バリアフリー住宅の促進、そして医療・福祉施設を中心とした住環境の強化などに取り組みます。

■既存住宅流通・リフォーム市場の活性化 [465 億円(1.50)]
既存の住宅市場を活性化するために、取引環境を整備し、住宅の質を向上させ、住宅と建築のデジタル変革を進めます。そのために不動産取引環境の整備、質の高い住宅の評価・流通の仕組みの開発、リフォームの支援、および建築手続きや生産のデジタル化などに取り組みます。

【豊かな暮らしを支える社会資本整備の総合的支援(社会資本整備総合交付金)】【再掲】 [6,563 億円(1.20)]
地方公共団体の取組を総合的に支援し、コンパクトなまちづくりと交流、地域公共交通の再構築を進めます。

まとめ

国土交通省の令和6年度予算は、「国民の安全・安心の確保(強靭な国土づくり)」、「持続的な経済成長の実現」、「個性をいかした地域づくりと分散型国づくり」に重点を置いた要求を行いました。

概算要求の内容から、次年度の予算方針や事業展開のヒントを探ってみましょう。

例えば、住宅・建築物におけるカーボンニュートラルの推進や防災・減災対策、持続可能な観光の推進など、様々な分野での予算的支援や推進方針が示されています。これらの内容を理解し、事業のアイデアや方向性を考える際の参考として活用してみてください。

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