従業員の子育て支援、業務負担軽減や所定外労働の削減など、子ども・子育て支援を積極的に行う中小企業事業主に対して助成を行うくるみん助成金の申請受付が令和6(2024)年5月27日から始まっています。
この助成金は、「くるみん認定」「くるみんプラス認定」「プラチナくるみん認定」「プラチナくるみんプラス認定」を受けた中小企業事業主の取り組みに対し上限50万円の助成金を支給するものです。プラチナくるみん認定・プラチナくるみんプラス認定企業は、認定が取り消されない限り毎年助成を受けることができます。(毎年、助成の申請が必要です。)
既にくるみんやプラチナくるみんの認定を受けている方だけでなく、これから認定を受けることを検討している中小企業者の皆さまへ、令和9年3月まで実施される予定のくるみん助成金についてご紹介します。
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この記事の目次
くるみん助成金とは?
一言でいうと、くるみん助成金とは「子育てサポート企業」として、くるみん・くるみんプラス・プラチナくるみん・プラチナくるみんプラス認定を受けた中小企業事業主に対し、助成金が支給される制度です。
政府は女性就業率の増加傾向等に伴う保育サービスの需要が増えていることから、社会全体で少子化対策に取り組むべく「新子育て安心プラン」を取りまとめ保育の受け皿確保を進めています。
育児休業の取得は保育サービス需要の低減にもつながるため、くるみん助成金は「新子育て安心プラン」を進めるための支援策の1つとして、企業における子育て支援環境の整備とともに、待機児童の解消の実現を図る観点から実施されます。
くるみん・くるみんプラス・プラチナくるみん・プラチナくるみんプラス認定とは
企業が次世代育成支援対策推進法※に基づいて策定した一般事業主行動計画に定めた目標を達成し、一定の基準を満たした企業は、申請を行うことで「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣の認定(くるみん認定)を受けることができます。また、くるみん認定を受けている企業の中でさらに高い水準の取り組みを実施し、特定の要件を満たした企業が、「プラチナくるみん認定」を受けることができます。
さらに、くるみんやプラチナくるみんの認定を受けた企業が、不妊治療と仕事の両立支援にも積極的に取り組み、特定の基準をクリアすると、「プラス」認定を追加して「くるみんプラス認定」「プラチナくるみんプラス認定」を受けることができます。
これらの認定は、企業の規模や業種に関わらず、一定の要件を満たせば、申請して取得することが可能です。
※次世代育成支援対策推進法とは
次代の社会を担う子どもが健やかに生まれ、育成される環境を整備するために定められた法律です。この法律において、常時雇用する労働者が101人以上の企業は、労働者の仕事と子育てに関する「一般事業主行動計画」の策定・届出、外部への公表、労働者への周知を行うことが義務とされています。(100人以下の企業は努力義務)
くるみん助成金の対象事業主
「くるみん認定」「くるみんプラス認定」「プラチナくるみん認定」「プラチナくるみんプラス認定」を受けた中小企業(常時雇用する労働者が300人以下)が助成対象です。
「くるみん認定・くるみんプラス認定企業」
◆子ども・子育て支援法に規定する一般事業主(事業主拠出金を納付している)であること
◆令和5年度または令和6年度(令和7年2月7日まで)にくるみん認定・くるみんプラス認定を受けていること
◆当該くるみん認定・くるみんプラス認定に係る行動計画終了日の属する事業年度の末日が以下であること
・令和5年度認定取得⇒令和4年4月1日以降
・令和6年度認定取得⇒令和5年4月1日以降
◆次世代支援対策推進法に規定する中小企業事業主(常時雇用する労働者数300人以下)であること
「プラチナくるみん認定・プラチナくるみんプラス認定」
◆子ども・子育て支援法に規定する一般事業主(事業主拠出金を納付している)であること
◆令和6年3月31日時点においてプラチナくるみん認定・プラチナくるみんプラス認定を受けていること
◆次世代支援対策推進法に規定する中小企業事業主(常時雇用する労働者数300人以下)であること
◆「両立支援のひろば」に直近の次世代育成支援対策実施状況を公表していること
1回目:プラチナくるみん認定決定後、おおむね3か月以内に公表
2回目以降:公表事業年度終了後おおむね3か月以内に公表
【申請要件チェックリスト】
該当項目に1つでも「いいえ」があると対象外となります。
出典:くるみん助成金利用ガイド
助成金の対象となる事業と経費
中小企業において、従業員の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために必要な整備を行う事業が助成対象です。たとえば以下のような取り組みが対象になります。
- 従業員の育児休業等の取得を促進するための取り組み
- 従業員の子育てを支援するための取り組み
- 従業員の業務負担の軽減や所定外労働の削減などを図るための取り組み
- その他従業員の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために必要な取り組み
対象となる事業の実施に要する経費は、以下の条件を満たす必要があります。
◆使用目的が本事業の遂行に必要なものと明確に特定できるもの
◆根拠資料によって金額・支払等が確認できるもの
◆本助成事業以外の補助金等の支給を受けていない経費であること(※雇用保険法(昭和49年法律第116号)の規定に基づく雇用関係助成金を除く)
◆助成を受ける年度に実施し、完了報告期日までに支払いが完了する事業の経費(※令和6年4月1日以降に実施し令和7年2月28日迄に納品と支払いが完了する事業の経費に限る)
【対象経費】
労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために必要な雇用環境の整備を行う事業を実施するために必要な以下の経費が助成されます。
- 職員給与
- 各種手当
- 社会保険料事業主負担金
- 厚生費等(役員報酬を除く)
- 諸謝金
- 備品費(単価50万円以上の備品を除く)
- 消耗品費
- 印刷製本費
- 通信運搬費
- 光熱水料
- 借料および損料
- 会議費
- 賃金
- 雑役務費および委託料
助成額
1企業につき、50万円を上限に、審査により助成額が決まります。
◆くるみん認定・くるみんプラス認定企業:1回のくるみん認定につき、1回の助成( くるみん認定取得により既に本助成金を受けた後、そのくるみん認定と同一の行動計画によりくるみんプラス認定を取得した場合、くるみんプラス認定取得により再度本助成金を受けることはできません。)
◆プラチナくるみん認定企業 :毎年1回(認定が取り消されない限り毎年助成されます。年度ごとに要申請)
申請受付期間
令和6年5月27日から令和7年2月7日
※予算の上限に達した場合は期間内でも終了
申請書、予算書、および事業計画書に必要事項を記載の上、必要書類を添えてくるみん助成金ポータルサイトより申請します。来所・郵送による書類提出はできません。
まとめ
今回は、子ども・子育て支援を行う中小企業への助成金「くるみん助成金」についてご紹介しました。
要件を満たしていれば支給対象になりますので、くるみん認定・プラチナくるみん認定を受けている中小企業事業主のみなさまは、予算による受付終了などがある前に、ぜひ申請をご検討ください。
認定がまだの方は、くるみん認定およびプラチナくるみん認定を受けると、今回のような助成金以外にも、くるみんマーク・プラチナくるみんマークを商品・広告・求人広告などにつけることができ、子育てサポート企業であることをPRできるといったメリットがあります。さらに、公共調達において加点評価の対象となる場合もありますので、こうした認定制度を活用してみてはいかがでしょうか。