事業者の取り組みをサポートする補助金制度は、現在大きく二つにわけることができると考えられます。
一つは、コロナの影響を受けて実施されているもので、たとえば事業者の感染症対策や業務転換等を支援するものがあげられます。
そしてもう一つは省エネ対策に代表されるような、コロナ以前から実施されているタイプの補助金です。今回は、省エネ関連の補助金から、LED照明の導入に活用できる補助金・助成金をご紹介します!
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この記事の目次
LED照明の導入は補助金のあるうちに
補助金紹介の前に、まず、照明市場の変化について確認しておきましょう。
「水銀に関する水俣条約」によって、2021年以降水銀を使用する水銀灯などの製造・輸入・輸出が禁止されました。国内の大手メーカーでは既に水銀灯や蛍光灯の生産を終了しているところもあり、一般家庭においてもLED照明が主流となってきています。
近年は、LED照明が一定の普及率に達していることから省エネ関連の補助金でLED照明が補助対象外となるケースも出てきて、いつまでLED導入が補助対象に含まれるのか読めない状況になってきています。
使える支援がなくなり、高額のLED照明を全額自社負担で導入しなければいけなくなる前に、補助金・助成金制度を活用して導入コスト削減に取り組んでいただければと思います。
LED照明の導入に活用できる補助金・助成金制度
ここでは以下の補助金・助成金制度をご紹介します。
・先進的省エネルギー投資促進支援事業
・既存建築物省エネ化推進事業
・LED照明等節電促進助成金(東京都)
一部、今年度の受付を終了した事業もありますが、10月に入って、社内で来年度の事業計画の立案などが始まっている時期かと思われますので、来年度の補助金活用の調査のためにも、詳細をご確認ください。
先進的省エネルギー投資促進支援事業
省エネ補助金の代表格ともいえる「エネ合(エネルギー使用合理化等事業者支援事業)」が、名称も新たに令和3年度から内容変更されました。
令和3年度から「先進的省エネルギー投資促進支援事業」となり、これまでの「工場・事業場単位」「設備単位」の区分を廃止して、新たな4区分が設けられました。この補助金は、工場・事業場への省エネ設備導入を支援するもので、以下A~Dの4つの区分に対して、単独または複数の組み合わせて申請することが可能です。(図は、令和3年予算書より抜粋)
(A)先進事業
高い技術力や省エネ性能を有し、これから導入ポテンシャルの拡大等が見込める先進的な省エネ設備等の導入を行う事業。
補助対象設備
登録された先進設備・システム
補助対象経費
設計費、設備費、工事費
補助率
中小企業等:2/3以内 大企業等:1/2以内
補助金額
上限額:15億円/年度
下限額:100万円/年度
(B)オーダーメイド型事業
個別設計が必要な特注設備等の導入を含む設備更新やプロセス改修、複数事業者が連携した省エネに取り組む事業。
補助対象設備
オーダーメイド型設備
補助対象経費
設計費、設備費、工事費
補助率
中小企業等:1/2以内 大企業等:1/3以内
※投資回収年数が5~7年の場合は中小企業等1/3 大企業等1/4
補助金額
上限額:15億円/年度
下限額:100万円/年度
(C)指定設備導入事業
省エネ性能の高い特定のユーティリティ設備、生産設備等への更新を行う事業。
補助対象設備
▼ユーティリティ設備
・高効率空調
・産業ヒートポンプ
・業務用給湯器
・高性能ボイラ
・高効率コージェネレーション
・冷凍冷蔵設備
・調光制御設備 等
※LED照明は「調光制御設備」に含まれます。調光制御設備とは、センサ付LED照明器具、または照明制御器とLED照明器具の組み合わせによって自動的に点灯制御することで省エネを図るものです。
▼生産設備
・工作機械
・プラスチック加工機械
・プレス機械 等
補助対象経費
設備費
補助率
設備種別、性能ごとに設定する定額の補助
補助金額
上限額:1億円/年度
下限額:30万円/年度
(D)エネマネ事業
エネマネ事業者とエネルギー管理支援サービスを締結し、EMS制御や運用改善により効率的・効果的な省エネに取り組む事業。
補助対象設備
EMS機器(エネルギーマネジメントシステム)
補助対象経費
設計費、設備費、工事費
補助率
中小企業等:1/2以内 大企業等:1/3以内
補助金額
上限額:1億円/年度
下限額:100万円/年度
【公募期間】
令和3年5月26日〜6月30日(終了)
【年度またぎ事業の公募期間】
令和3年9月30日〜11月19日
現在、令和4年2月~4月の期間に事業実施せざるを得ない外的要因または特段の事由がある事業者を対象とした「年度またぎ事業」の公募が行われています。
LED照明が対象になる調光制御設備導入は、(C)の指定設備導入事業での単独申請のほか、他の事業区分と組み合わせての申請が可能です。
参考:令和3年度 先進的省エネルギー投資促進支援事業
https://sii.or.jp/cutback03/
既存建築物省エネ化推進事業
民間事業者等が行う省エネ改修工事に対し、改修後の省エネ性能表示をすること等を要件に、事業の実施に要する費用の一部を支援する制度です。既存のオフィスビル等の、住宅以外の建築物の改修が対象事業で、躯体(外皮)の省エネ改修が必須の要件となっています。設備改修のみ、バリアフリー改修のみでは申請できません。LEDだけでなく、建物全体の改修を行うといった場合に活用できる補助金です。
補助対象経費
・省エネ改修工事に要する費用
・バリアフリー改修工事に要する費用(省エネ改修工事と併せて行う場合に限る)
・エネルギー使用量の計測等に要する費用
・省エネ性能の表示に要する費用
補助率
補助対象工事の1/3
補助金額
5,000万円/件(設備部分は2,500万円)
※バリアフリー改修工事を行う場合は、当該工事の費用として、2,500万円を上記限度額に加算することができます。
公募期間
第一回:令和3年4月19日~5月26日(終了)
第二回:令和3年9月1日~10月7日(終了)
参考までに、過去記事も合わせてご参照ください。
LED照明等節電促進助成金(東京都)
都内で製造業を営む中小企業等がLED照明器具、デマンド監視装置といった節電につながる設備を自社の工場に設置する場合、経費の一部が助成される制度です。申請の際には東京都中小企業振興公社またはクール・ネット東京の節電診断(省エネ診断)を受けている必要があります。
補助対象経費
下記の節電対策設備(付帯設備を含む)の購入および設置に係る経費
・LED照明器具(既存の照明器具を交換する場合に限る)
・デマンド監視装置
・進相コンデンサ
・インバータ
助成率
1/2以内
助成金額
上限額 1,500万円、下限額 30万円
事前予約期間
11月募集:令和3年11月8日~11月11日
1月募集:令和3年1月11日~1月14日
事前予約期間中に電話で受付の予約をしてから、申請を行います。
参考:令和3年度 LED照明等節電促進助成金
https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/setsubijosei/led.html#setsuden
まとめ
今回は、LED照明の導入に活用できる補助金・助成金制度をご紹介しました。LED導入、省エネ改修となると、経産省や環境省の省エネ関連の大規模な補助金制度が思い浮かびますが、自治体が実施する省エネ支援もありますので、取り組み内容や規模に応じた支援策を探してみてください。
消費電力を抑えコスト削減ができるLED照明は、省エネだけでなく環境汚染物質を使用していない点も環境貢献につながります。環境要素を考慮した投資が企業に求められるようになってきている今、LED導入には「製造が禁止となった水銀灯や蛍光灯の交換のため」以上の価値があるといえるでしょう。
前述のとおりLED照明に使える補助金は限られてきていますので、対象となる事業者の方は補助金制度があるうちに活用をご検討ください。補助金ポータルでは来年度事業の補助金活用に向けたご相談なども承っておりますので、お気軽にご相談ください。
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