奈良市にて、シェアオフィスの設置・運営に対し補助率2/3、補助上限額1,000万円で支援する補助事業の公募が始まっています。採択事業者数「1」という狭き門にはなりますが、施設の工事・改修費のほか、パソコン、複合機、机や椅子など什器・機器の導入費、初期の施設運営費、広告費、求人活動費(シェアオフィスに常駐する従業員を採用するための費用)などが補助対象になります。
入居企業獲得のための「間接支援」として、奈良市から情報発信・PRや入居企業への進出支援金などといったサポートも受けられます。
新しい働き方やオフィスの在り方が注目される今、奈良市は企業の立地を促進させ魅力的な事業所の集積を図ることを目的に、より使いやすく充実したシェアオフィスの設置を支援します。我こそは、という方はぜひご応募ください。市内だけでなく、市外の事業者も応募可能です!
この記事の目次
なぜ?シェアオフィス×奈良市
新型コロナウイルスの影響による地方へのオフィス分散の関心の高まりから、奈良市は、都市部のIT・クリエイティブ企業を対象に拠点誘致を進めてきました。
今回の「奈良市シェアオフィス設置運営支援事業補助金」では、現在市内にないタイプのシェアオフィスを設置することで、今後さらに市内へのIT・クリエイティブ企業の立地・集積を促進し、若者の市外流出の抑制と地元定着を図り、都市部から奈良市への「新しい人の流れ」を生み出すことを目的としています。補助による事業者支援は令和3年度のみで、令和4年度以降は運営に対する財政的支援はないものの、広報や営業活動などの支援を実施するとしており、これからの奈良市をともにつくる期待が込められた事業といえるのではないでしょうか。
応募要件
主な応募要件は以下のとおりです。
◆応募日現在、以下の法人格を有していること(個人事業主は対象外)※共同企業体による応募は可能
- 会社
- 一般社団法人
- 一般財団法人
- 公益社団法人
- 公益財団法人
- 地方銀行
- 信用金庫
- 信用協同組合
- 特定非営利活動法人
- 大学
◆市税(奈良市外の事業者にあっては国税)を滞納していないこと
◆シェアオフィスまたは類似施設の運営実績があり、事業の遂行やKPIを達成できる実施体制や実施能力、良好な財務状況を有していること
◆個人情報等機密情報に関する社内規定を整備し運用していること
シェアオフィス設置運営事業者の主な事業要件
【不動産要件】
・事業者が保有または賃借する既存物件の改修を原則とする(賃貸借契約の期間の場合は5年以上)
・奈良市の市街地(近鉄奈良駅、JR 奈良駅、近鉄新大宮駅、近鉄大和西大寺駅から徒歩20分圏内の区域)であること
【設備要件(フロアプラン)】
・複数の利用者が同時に働くことが可能な席数を20席以上設けること
・3人以上が利用できる個室スペースを3区画以上設けること
・個室スペース以外で利用者が執務可能な共有スペースおよび会議室スペースを設けること
・利用者が利用可能なトイレ(男女別)を設けること
【設備要件(ハード)】
・情報セキュリティの確保されたインターネット環境を整備すること
・オフィス利用に必要な備品類を整備すること
・定期的に換気が可能な設備を導入すること
【運営要件(ソフト)】
・利用者のニーズに沿うような開所日数・開所時間とすること
・利用契約等を締結した事業者の法人登記が可能であること
・新型コロナウイルス感染症感染防止のための取組を行い、「新しい生活様式」に対応した管理・運営体制とすること
【施設全体のテーマ・コンセプトの設定要件】
「奈良市シェアオフィス」は単なる賃貸施設ではなく、施設全体のテーマ・コンセプトを設定して運営、入居または利用が行われるものになります。奈良市におけるこの補助事業の目的を理解し、それに沿ったコンセプト等の設定が求められます。
【数値目標(KPI)要件】
出典:募集要項
令和6年度末(令和7年3月31日)時点で上記表の数値目標を目指して取り組むことが求められます。(数値目標が達成されていない場合でも、原則として補助金の返還は求められません。)
それぞれの要件の詳細については、募集要項をご確認ください。
シェアオフィス設置・運営の支援
受けられる支援は「補助金による支援」と「入居企業獲得のための間接支援」があります。
奈良市シェアオフィス設置運営支援事業補助金による支援
補助率:2/3
補助上限額:1,000万円
【補助対象経費】
設計費…基本設計費、実施設計費、工事監理費
施設整備費…施設の構造部の変更等に係る工事費(壁、床、間仕切り等の改修)(電気設備、トイレ、空調・冷暖房設備、換気用設備等の改修)等
什器・機器導入費…机、椅子、キャビネット、パソコン、複合機、プロジェクター、スクリーン等
初期の施設運営・管理費…賃借料、機器・設備レンタル料、光回線サービスの通信利用料等運営に必要な各種費用、人件費等
広告費…利用者募集の広告宣伝費、パンフレット等の制作費・印刷費、ウェブサイト制作またはリニューアルの経費等
求人活動費…シェアオフィスに常駐する従業員(施設運営マネージャー等)の採用費用、求人広告掲載料等
入居企業獲得のための間接支援
「奈良市シェアオフィス」を周知するための情報発信や入居可能性のある企業への接点を得るためのアポイントメント獲得事業、視察ツアー等(広告宣伝・リード獲得事業)のほか、入居した企業に対する進出支援金支給(進出支援金)で間接的に入居企業の獲得を支援します。
スケジュール
まず令和3年9月30日までに参加申込書を提出してから、応募書類提出期間内に書類を提出します。参加申込書は、担当者の氏名と連絡先を記載し、応募者要件を全て満たしていることを誓約するものです。
【参加申込書提出期間】
令和3年9月16日(木)~令和3年9月30日(木)
【応募書類提出期間】
令和3年10月1日(金)~令和3年10月12日(火)12時
【審査】
10月15日(金)
※書類審査、プレゼンテーション(約15分)およびヒアリング(約15分)
【審査結果通知】
10月下旬
交付決定の後、改修工事等に取り組み、シェアオフィスを令和4年3月15日までに開設する必要があります。
まとめ
今回は、現在参加申込受付中の奈良市シェアオフィス設置運営支援事業についてご紹介しました。
この事業では、シェアオフィスの設置・運営に対する補助に加えて、入居企業募集のプロモーション活動による、安定的な運営のための支援が受けられます。
求められるのは、企業が短い準備期間でかつ初期投資を抑えてスピーディーに事業拠点を構えられるようなシェアオフィスです。補助事業を活用して、若者の地元定着のきっかけになり、都市部から奈良市への「新しい人の流れ」を生み出せるようなオフィスの設置・運営に取り組んでみませんか。