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【2026年】年収の壁はいくらになった?パート・アルバイト・学生の扶養への影響をわかりやすく解説

公開日:2024/11/27 更新日:2026/7/10
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物価高が続くなか、パートやアルバイトで働く家族の収入を「壁」の手前で調整している世帯は多いのではないでしょうか。一方で、この「年収の壁」はここ2年の税制改正で大きく引き上げられており、以前の感覚のままシフトを抑えていると、働ける機会を逃してしまう可能性があります。

2026年(令和8年度)の税制改正では、基礎控除の引き上げにより、所得税の課税最低限がいわゆる178万円まで拡大されました。あわせて、配偶者や子どもを扶養に入れられる収入の上限も引き上げられています。

本記事では、パート・アルバイト・学生の家族を扶養している方に向けて、2026年の「年収の壁」の全体像、立場別の影響、必要な手続きをわかりやすく解説します。

※本記事の金額は収入が給与のみの場合の目安です。住民税の非課税基準は自治体と本人の状況により、社会保険の適用要件は勤務先の規模や労働時間等により異なります。個別のケースについては、税務署や勤務先にご確認ください。

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この記事の目次

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2026年(令和8年度)税制改正の概要

令和8年度税制改正では、物価高への対応と就業調整(働き控え)の解消を目的に、所得税について主に次の見直しが行われました。

改正項目改正前(2025年)改正後(2026年・2027年)
基礎控除(最大)95万円104万円
給与所得控除の最低保障額65万円74万円
所得税の課税最低限(年収の壁)160万円178万円
扶養親族等の所得要件合計所得58万円以下
(給与収入123万円以下)
合計所得62万円以下
(給与収入136万円以下)

基礎控除の引き上げは、「本則の引き上げ(恒久措置)」と「特例による上乗せ」の2段構成です。本則部分には消費者物価指数に連動して2年ごとに見直す仕組みが導入されており、今回は直近の物価上昇を反映して4万円引き上げられました。

特例による上乗せは2028年分以降も続く設計で、合計所得金額132万円以下の方には37万円が加算されます(計99万円)。そのうえで2026年・2027年分に限り、上乗せ幅と対象範囲が特に拡大され、合計所得489万円以下の方に42万円が加算されます(計104万円)。「104万円」という水準が2年間限定であって、特例そのものがなくなるわけではありません。

これらの改正は、原則として2026年12月1日に施行され、2026年分以後の所得税に適用されます。

出典:財務省「令和8年度税制改正の大綱」

「年収の壁」とは?3つの種類を整理

年収の壁とは、働く人の収入が一定額を超えると、税や社会保険の負担が発生・増加するボーダーラインのことです。ひとくちに「壁」といっても、性質の異なる3つの系統があります。

壁の種類内容
本人の税金の壁働く本人に所得税・住民税がかかるライン
扶養者の税金の壁扶養している側(親・配偶者)の税負担が増えるライン
社会保険の壁本人が社会保険に加入する、または家族の健康保険の扶養から外れるライン

このうち、今回の税制改正で引き上げられたのは「本人の税金の壁」「扶養者の税金の壁」の2区分です。

「社会保険の壁」に関しては今回変更はありませんが、こちらも見直しが進んでいます。社会保険の壁について最新情報を知りたい方は、以下の記事でご確認ください。

【2026年最新】130万円の壁はどうなった?一時的な収入増でも扶養を外れにくくなる新ルール

【2026年最新】130万円の壁はどうなった?一時的な収入増でも扶養を外れにくくなる新ルール

2026年の年収の壁一覧

扶養されている家族(パート・アルバイトで働く配偶者や子ども)の「本人の給与収入(年間)」ごとに、何が起きるかを一覧にまとめました。

年収ライン内容影響を受ける人
約106万円勤務先の要件を満たすと本人が社会保険に加入(賃金要件は2026年10月に撤廃予定)本人
約119万円住民税が課税され始める目安(自治体と本人の状況による)本人
130万円家族の健康保険の被扶養者から外れる(19歳以上23歳未満を除く)本人・世帯
136万円扶養控除・配偶者控除の対象から外れる扶養する側
150万円19歳以上23歳未満(配偶者を除く):家族の健康保険の被扶養者から外れる本人・世帯
159万円大学生年代の子:特定親族特別控除の満額(63万円)が減り始める扶養する側
163万円学生本人:勤労学生控除の対象から外れる(所得税は学生も178万円まで非課税)本人
169万円配偶者:配偶者特別控除の満額(38万円)が減り始める扶養する側
178万円本人に所得税が発生本人
約197万円大学生年代の子:特定親族特別控除がなくなる扶養する側
約207万円配偶者:配偶者特別控除がなくなる扶養する側

「配偶者」と「大学生年代(19〜23歳未満)の子ども」の2パターンで、立場別に詳しく見ていきましょう。

配偶者がパートで働く場合

配偶者控除は「給与収入136万円以下」に拡大

配偶者の給与収入が136万円以下(合計所得62万円以下)であれば、配偶者控除(原則38万円)の対象となります。2025年までの123万円から13万円拡大されました。

136万円を超えても「崖」はない

136万円を超えた場合でも、配偶者特別控除により、給与収入約207万円まで控除が段階的に続きます。配偶者の給与収入169万円(合計所得95万円)までは38万円の控除が満額で維持され、その後は収入が増えるにつれてなだらかに縮小していく仕組みです。

2026年・2027年分の配偶者特別控除額は、次のとおりです。

配偶者の合計所得金額
(収入が給与だけの場合の収入金額)
扶養する側の合計所得金額
(収入が給与だけの場合の収入金額)
900万円以下
(1,095万円以下)
900万円超
950万円以下
(1,095万円超
1,145万円以下)
950万円超
1,000万円以下
(1,145万円超
1,195万円以下)
62万円超 95万円以下
(136万円超 169万円以下)
38万円26万円13万円
95万円超 100万円以下
(169万円超 174万円以下)
36万円24万円12万円
100万円超 105万円以下
(174万円超 179万円以下)
31万円21万円11万円
105万円超 110万円以下
(179万円超 184万円以下)
26万円18万円9万円
110万円超 115万円以下
(184万円超 189万円以下)
21万円14万円7万円
115万円超 120万円以下
(189万円超 194万円以下)
16万円11万円6万円
120万円超 125万円以下
(194万円超 199万円以下)
11万円8万円4万円
125万円超 130万円以下
(199万円超 204万円以下)
6万円4万円2万円
130万円超 133万円以下
(204万円超 207万円以下)
3万円2万円1万円

出典:国税庁「源泉所得税の改正のあらまし」

そのため、配偶者のパート収入については「1円超えたら世帯の手取りが大きく減る」という税金上の崖は存在しません。収入が増えれば、世帯の手取りも基本的に増える設計となっています。

扶養する側の所得制限に注意

配偶者控除・配偶者特別控除には、扶養する側本人の所得制限があります。扶養する側の給与収入が1,095万円を超えると控除額が縮小し、1,195万円を超えると控除は受けられません。この点にも注意が必要です。

大学生年代(19〜23歳未満)の子どもがアルバイトをする場合

「バイトの壁」は159万円まで影響なし

かつては、子どものアルバイト収入が103万円を超えると親の特定扶養控除63万円が一気になくなる「崖」があり、大学生の働き控えの一因となっていました。この問題は、2025年に創設された特定親族特別控除により解消され、2026年改正でさらに枠が広がっています。

子の給与収入(2026年)親が受けられる控除
136万円以下扶養控除(特定扶養親族)63万円
136万円超159万円以下特定親族特別控除63万円(満額維持)
159万円超197万円以下特定親族特別控除(段階的に縮小)
197万円超控除なし

大学生年代(19〜23歳未満)の子どものアルバイト収入が159万円までであれば、親の税負担は変わりません。159万円を超えた場合も控除は段階的に縮小するため、急激な負担増は生じない設計です。

なお、高校生など16歳以上19歳未満の子どもは特定親族特別控除の対象ではないため、給与収入136万円を超えると、親の扶養控除に影響します。

子ども本人の税金と社会保険

大学生年代の子ども本人についても、基礎控除と給与所得控除の引き上げにより、アルバイト収入が178万円以下であれば所得税はかかりません。これは学生に限らず、給与収入のみの人に共通のラインです。

なお、勤労学生控除の所得要件も合計所得89万円以下(給与収入163万円以下)に引き上げられましたが、令和8・9年分は基礎控除だけで178万円まで非課税となるため、給与収入のみの学生の所得税には実質的な影響はありません。勤労学生控除は、住民税の負担を軽くする効果として引き続き意味を持ちます。

学生は、夜間や通信制に通う場合や休学中の場合などを除き、勤務先での社会保険加入(106万円の壁)の対象外となるのが原則です。

なお、税金とは別に、親の健康保険の扶養に入れる収入要件(19歳以上23歳未満は150万円未満)があります。アルバイト収入が150万円を超える見込みがある場合は、加入している健康保険組合等に確認しておきましょう。

学生以外の子ども・親族を扶養している場合

フリーターの子どもや同居する親など、大学生年代以外の親族を扶養に入れられるかどうかは、扶養される親族本人の年間の合計所得金額が62万円以下かどうかで判定します。2025年までの58万円以下から、4万円引き上げられました。

合計所得金額は、収入から必要経費に当たる控除を差し引いた金額のため、扶養に入れられる収入の上限は収入の種類によって異なります。主なケースの目安は次のとおりです。

親族の収入の種類扶養に入れられる収入の目安(2026年)
給与(パート・アルバイト)136万円以下
(2025年までは123万円以下)
公的年金のみ(65歳以上)172万円以下
公的年金のみ(65歳未満)122万円以下

たとえばアルバイト収入が年130万円のフリーターの子どもは、2025年分では収入オーバーで扶養控除の対象外でしたが、2026年分からは対象となり、扶養する側は38万円の控除を受けられます。このように、今回の改正では「これまでは扶養に入れられなかった家族を、新たに扶養に入れられる」ケースが生まれる点がポイントです。心当たりのある方は、家族の収入を確認してみましょう。

扶養する側に必要な手続き

基礎控除や給与所得控除の引き上げ分は、例年どおりの年末調整で反映されます。一方、扶養控除など家族に関する控除は、申告書に記載した内容にもとづいて適用されるため、改正で新たに扶養対象となる家族がいる場合は手続きが必要です。

ここでは、扶養する側が行うべきことを紹介します。

家族の年収見込みの確認

壁の判定は1月〜12月の給与収入の合計で行われます。年末になってから超過に気づいても調整はできないため、秋頃までに年収見込みを確認しておきましょう。シフトを調整する余地が残るほか、年末調整の申告書に記載する「所得の見積額」の準備にもなります。

扶養控除等(異動)申告書の提出

改正により新たに扶養親族等に該当する家族がいる場合、勤務先に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出します。申告書の「異動月日及び事由」欄には「令和8年12月1日 改正」などと記載します。

特定親族特別控除申告書の提出

大学生年代の子の収入が136万円を超えて特定親族特別控除を受ける場合は、年末調整時に「給与所得者の特定親族特別控除申告書」の提出が必要です。

配偶者控除等申告書の記載

配偶者の合計所得金額は「給与収入−給与所得控除」で計算します。2026年分は、給与所得控除の下限(最低保障額)が74万円に引き上げられたため、パート収入190万円以下であれば「収入−74万円」が合計所得金額です。

2025年分は65万円で計算していたため、前年と同じ感覚で計算すると合計所得を多く見積もり、控除額の区分を誤るおそれがあります。注意してください。

なお、改正の施行日は2026年12月1日ですが、年末調整の実務に間に合わせるため、改正を反映した年末調整関係書類を施行日前から提出することも認められています。

出典:国税庁「令和8年度税制改正(基礎控除の引上げ等関係)Q&A」

いつから反映される?適用スケジュール

時期内容
2026年11月まで毎月の給与の源泉徴収は従来どおり(変更なし)
2026年12月年末調整で改正後の控除額を適用し、1年分を精算
(還付が発生しやすい)
2027年1月以降改定された源泉徴収税額表が適用され、毎月の手取りに反映

改正は2026年1月からの収入すべてに適用されますが、毎月の給与への反映は2027年1月からです。2026年中に旧ルールで多めに源泉徴収された分は、12月の年末調整でまとめて精算されます。

ただし、次のようなケースでは年末調整で改正が反映されないため、確定申告が必要です。

・扶養する側が2026年11月30日以前にその年最後の給与を受けた場合(年の途中の退職、海外赴任、休職など)
・公的年金受給者が、改正で新たに扶養対象となった親族について扶養控除を受ける場合

よくある質問

178万円まで働けば税金はかからない?

所得税は給与収入178万円までかかりませんが、住民税は別です。住民税の基礎控除は43万円で据え置かれている一方、給与所得控除の引き上げは住民税にも及ぶため、2026年中の給与収入については、おおむね119万円を超えると住民税が課税され始めるのが目安です。この金額は自治体と本人の状況によって異なります。

社会保険の壁も引き上げられた?

税制改正とは別の制度ですが、社会保険側でも見直しが進んでいます。106万円の壁は、賃金要件(月額8.8万円以上)が2026年10月に撤廃される予定です。また、19歳以上23歳未満の方(配偶者を除く)が家族の健康保険の扶養に入れる収入要件は、2025年10月から150万円未満に引き上げられています。それ以外の方の130万円の壁は変わっていないため、シフトを増やす際は社会保険の加入要件もあわせて確認してください。

178万円の壁はこれからも続く?

基礎控除104万円という水準は2026年・2027年分の時限措置です。ただし特例そのものがなくなるわけではなく、2028年分以降は合計所得金額132万円以下の方に37万円が加算され、基礎控除は99万円となる予定です。給与収入のみの場合、課税ラインの目安は約168万円となります。基礎控除等は2年ごとに消費者物価指数に連動して見直される仕組みのため、壁の数字は今後も変わる可能性があります。毎年の確認をおすすめします。

住民税の扶養判定も緩和される?

はい。住民税側の扶養親族等の所得要件も62万円以下に引き上げられますが、適用は2027年度分(2026年の所得に基づく課税)からとなります。


まとめ

2026年の税制改正により、年収の壁は次のように変わりました。

・働く本人に所得税がかかるラインは178万円に拡大(学生も同じ)
・扶養控除・配偶者控除の対象となる家族の収入上限は136万円に拡大
・大学生年代の子は159万円まで親の控除に影響なし、197万円まで段階的に控除が継続
・配偶者は207万円程度まで配偶者特別控除が継続し、税金上の「崖」は解消
・社会保険側でも見直しが進行中

新たに扶養に入れられる家族がいる場合は、勤務先への申告書の提出を忘れないようにしましょう。反映は2026年12月の年末調整からです。

年収の壁をめぐる制度は「働き控えを防ぐ」方向へ見直しが続いています。最新の数字を正しく把握して、世帯にとって最適な働き方を検討してみてはいかがでしょうか。

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参考:
財務省「令和8年度税制改正の大綱」(令和7年12月26日閣議決定)
国税庁「令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし」
国税庁「令和8年度税制改正(基礎控除の引上げ等関係)Q&A」
国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」

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