補助金っていつからあるのかな?など、補助金の歴史って少し気になりませんか?
具体的な補助金の内容というよりはコラム的に、是非読んでみてください。
この記事の目次
1. そもそも補助金って何?
厚生労働省から出ている雇用系のものを「助成金」、経済産業省から出ている事業系のものが主に「補助金」と言われます。
助成金や補助金は、借金とは異なり、返済不要の資金です。
主な財源としては雇用保険料や法人税になります。
2. 補助金って何のためにあるの?
日本も色んな問題を抱えています。
少子高齢化問題、環境問題、地方都市問題など、多くの問題解決をしていかなければいけません。
なおかつ、お金が無くなってしまうと会社が倒産するのと同じように、日本もお金が無くなると国を運営していく事が出来なくなります。
その為、色んな施策を通じて、問題解決を図っていくことがとても重要です。
国を運営するためには、個人や企業からの税金を集め、運営資金にしています。
但し、日本に抱える問題を放っておけばどうなるでしょうか?
出生率の低下や、育児や介護等での働く時間・環境の制約、社会保障費の高騰、地方都市の過疎化、他国に対する日本の競争力の低下など、負のスパイラルに陥ってしまうかもしれません。
問題は単独で成っている訳ではないので、一つだけ問題解決をすれば良いという事ではありませんが、優先順位と優先度合いを決めながら、多角的な手を打っていく事がとても重要になってきます。
3. 誰が問題解決するの?
国を動かしているのは、国民によって選ばれた「人」です。
「government of the people, by the people, for the people(人民の人民による人民のための政治)」という有名な言葉もありますね。
勝手に動くものではなく、「人」が「人」を選び、その選ばれた「人」によって、「人」のための政治をするということです。
その「人」のための政治の大前提としてあるのが、国を前に進めていくということであり、もっと良い社会をつくっていくこと。
生活しているのは「人」であり、経済を生みだしているのも「人」。個人であり、企業です。
その個人や企業に対して問題解決の一助となる補助金を出すことによって、問題解決に繋げていく“しかけ”が“政策”です。
4. 補助金の歴史
補助金は、予算によって割りふられます。
予算とは、一定期間における政府の支出計画を法律に則り規定し、議会上で承認されたものを指します。
そこから、
・予算の起源
・政治は「人」が行うものであることから、補助金に関わる法律
について見ていけば、補助金の歴史が分かるのではないかと仮説を立て、検証していきたいと思います。
1.予算の起源
会計の歴史はギリシャ/ローマ時代にまでさかのぼることができると言われています。
この会計が、予算管理と財務会計とに分かれたのは中世ルネサンス期で、複数の貴族たちが貿易船に出資し、貿易船が稼いだ富を分散していた時代です。
リスク分散のため数人で出資し、積荷などの原価と人件費を差し引き、利益を計算、それを出資したメンバーで割り振っていました。
それが今でいうところの財務会計です。
ただ、船長にとって結果として出た数値では、どれだけ利益を出せるのか、どうすればもっとコストを抑えて利益を出せるのかの予測が検討つきませんでした。
そのため、予算管理という考え方が発達していきました。
中世ルネサンス期(西暦1400年前後)の日本は、室町時代~戦国時代です。
室町時代は日本文化の原型ともいえる能、歌舞伎、連歌、日本料理、茶道、日本庭園、書院造、冠婚葬祭の行儀作法などが登場した時代でもありましたが、戦乱も多く、無政府状態とも言われた時代でした。
応仁の乱を経て、戦国時代へと突入していきます。
安土桃山時代で織田信長が天下統一の手前で豊臣秀吉に敗れ、豊臣秀吉が天下統一、その後徳川家康が征夷大将軍となり江戸幕府を開き、江戸時代に入ります。
この江戸幕府は武家政権で、15代目将軍の徳川慶喜によって大政奉還が実現、江戸幕府が崩壊し、明治時代に突入します。
この明治時代から、政治体制は太政官制となり、日本の律令制における司法・行政・立法を司る最高国家機関となりました。
1885年に内閣制度が発足したことにより伴い、廃止となっています。
そして1947年に日本国憲法が公布され、第5章65条に「行政権は、内閣に属する。」旨の内閣に関する規定を定めました。
少し話は脱線しますが、秦の始皇帝が法で統治すると言い、紀元前250年頃には既に「法」という概念が中国にはありました。
キ○グダムにも、政と斉の王様の対談で、政が「法によって治める」といった迫力あるシーンがありましたね。
歴史上最初の律令は、中国の西晋が西暦268年に制定した泰始律令であると言われています。
そう考えると、中国の歴史はとても進んでいたと考えられますね。
2.補助金に関わる法律
補助金に関わる法律としては、「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」というものがあります。
1955年施行。
補助金等に関する基本的事項を規定することにより、不正な申請や使用の防止、適正化を図ることを目的とした法律です。
不正な手段による補助金について刑事罰が規定されています。
政治も「人」が行うと前述しましたが、補助金という名の元に不正が無いよう、法で統治した例の一つですね。
補助金等適正化法制定の経緯が、独立行政法人国立大学財務・経営センターの資料に記載されていたため、抜粋します。
昭和28年度の決算検査報告で、1200件程の補助金に関する不当事項があった旨記載されています。
内閣が出来る前から、補助金に類似したお金の動きは存在していたのでしょう。
徐々に武力で統治する時代から法で統治する時代が来て、内閣という組織が出来あがり、法の整備も整い、補助金の体制も見直されてきたのではないでしょうか。
それぞれの時代に課題があり、問題解決をしてきた結果として今があります。
今の日本もまだまだ多くの課題を抱えており、問題点を明確にし、計画を立てて実行している最中です。
今は第4次安部内閣ですね。
第4次まで選ばれたのは、過去に伊藤博文氏、吉田茂氏(※吉田内閣は第5次まで選ばれた唯一の内閣)と安部晋三氏の3名のみです。
在任期間としては、桂太郎氏に次ぎ2番目、ただそれも、2019年の11月には桂太郎元首相を上回り、憲政史上最長となります。
今の日本では、ニッポン一億総活躍プランを掲げ、様々な施策を行っています。
キャリアアップ助成金や女性の活躍推進等職場環境整備助成金、トライアル雇用助成金、特定就職者雇用開発助成金など、施策の一環で予算が割り当てられたものです。
参考:母子家庭の母(父)を雇用することでもらえる助成金とは?事業主が活用できる助成金3選!
https://hojyokin-portal.jp/bosikatei-koyou/
その他、東京オリンピックに向けたインバウンド対応力強化補助金や、訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業補助金なども幅広く展開されています。
参考:WIFI整備は補助金で賄える?企業の導入メリットやリスク対策について調べてみた
https://hojyokin-portal.jp/wifi-hojo/
5. まとめ
補助金の歴史について調べてきました。
明確な定義はありませんが、時代の流れによって行政の在り方が変わってきたことが分かりました。
武力で統治してきた時代から、法で治める時代へと移行していき、内閣という仕組みのもとで、計画的に問題解決をしていこうという体制が出来上がっていきました。
「人」の行う事だからこそ、適正な運用が出来るよう法(ルール)が敷かれ、今ではしっかりと予算を組み、運用されています。
政治を成しているのは「人」であり、生活しているのは「人」であり、経済を生みだしているのも「人」。個人であり、企業です。
より良い社会をつくっていくために、個人や企業として出来ることを考えていかなければいけません。
その為の施策としてある補助金や助成金について、是非情報収集してうまく活用できるようにしていきましょう。