
▼9月8日更新
※第5次公募が、令和5年9月6日(水)から始まりました。5次公募は予算額に達した時点で締め切ります。
近年、地震や集中豪雨、台風などの大規模災害が起こるリスクが高まっています。
今回ご紹介するのはそんな時代に必要とされる補助金です。「令和5年度 災害時の強靭性向上に資する天然ガス利用設備 導入支援事業費補助金」は、災害頻発化や天然ガスの環境特性を踏まえ、災害発生時でも避難施設が利用できるよう、停電対応型の天然ガス利用設備を普及させるものです。
本事業で災害に強い避難施設を作りながら、環境に負荷をかけないエネルギーを使った環境対策を進めてみませんか。
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この記事の目次
令和5年度災害時の強靭性向上に資する天然ガス利用設備導入支援補助金とは
今回ご紹介する補助金の正式名称は、「令和5年度 災害時の強靭性向上に資する天然ガス利用設備 導入支援事業費補助金」であり、一目で内容が理解しにくいかもしれません。
簡単に言うと、災害時でも避難所が使えるように、停電対応型の天然ガス利用設備を導入する事業者に補助金が出る、というものです。
対象事業
本事業では、災害時の電力供給停止にも対応可能な停電対応型CGS(コージェネレーションシステム)および停電対応型GHP(ガスエンジン・ヒートポンプ・エアコン)に対して、以下のそれぞれの要件に適合する常用の設備を設置し、避難スペースにおける費用対効果に優れていると認められるものが対象になります。
具体的に、どのような設備を、どのような場所に導入すると補助の対象になるのでしょうか。交付の要件を確認しましょう。
主な交付要件 |
1.天然ガスを主原料とするガスを燃料とした設備を導入して使用する。 |
2.以下のいずれかのガス供給を受ける。 (ア)中圧導管による供給 (イ)耐震性を向上させた低圧導管等による供給 |
3.系統電力の停電時に、発電または空調を開始・継続できる設備である。 |
4.導入後の対象設備に、運転状況を確認するために必要な専用の計測装置を取り付ける。 |
5.以下のいずれかの施設であって、災害時に地域住民に空間、情報等の提供を行うことが可能な施設に設置され、対象設備が当該施設における災害時の役割に寄与している。※設置する施設は、年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスの建築物である「ZEB」等を除く (ア)災害時に避難所等として活用される国や地方公共団体の防災計画指定の施設 〇指定避難所(福祉避難所含む) (イ)災害時に活動拠点等として活用される国や地方公共団体の防災上中核となる施設 〇地方公共団体施設 (ウ)災害時に避難所等として活用される国や地方公共団体と協定を締結している(見込みも含む)施設 〇協定による避難所 〇協定による避難場所への避難者にサービスを提供する施設 〇帰宅困難者受入施設 (エ)その他交付規程第6条に定める審査委員会が認めた施設 |
【注意事項】
本補助金は、更新の場合も申請できます。その際、更新前の設備等を廃止することが要件となるため、撤去等の処置を行う必要があります。ただし更新のための既存設備の撤去に要する費用は補助対象外となりますのでご注意ください。
補助対象範囲
次に、補助対象経費の確認をしましょう。停電時に発電または空調を開始・継続できる設備「停電対応型CGS」および「停電対応型GHP」の導入に係るどのような経費が補助されるのかをみてみます。
補助対象範囲 | |
設計費 | 【設計費】 補助対象設備の導入の設計に要する経費 |
工事費 | 【既存設備撤去費】 補助事業の実施に必要な解体、運搬等に要する経費ただし、停電対応型の設備から更新の場合は対象外 【新規設備設置工事費】 補助対象設備の設置に要する経費 【敷地内ガス管敷設費】 補助事業の実施に必要な敷地内ガス管の敷設に要する経費 |
機器費 | 【新規設備機器費】 補助事業の実施に必要な補助対象設備機器の購入に要する経費 |
対象事業者
補助の対象となる事業者は、リース・エネルギーサービス等を含む全業種です。ただし、家庭用需要は除きます。補助率・上限額
補助率と上限額は、施設の所在エリアや対象設備、ガスの供給方式によって異なります。ここでいう地震対象エリア・大都市等は、以下のとおりです。
(1)政府想定の地震
①南海トラフ地震
②首都直下地震
③日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震
④中部圏・近畿圏直下地震
(2)熊本地震・北海道胆振東部地震の被害地域
(3)政令指定都市・特別区、中核市、特例市、県庁所在地、中枢中核都市
以下、補助率と上限額をそれぞれまとめました。
補助率 | |
(1)地震対象エリア・大都市等のうち、中圧ガス導管でガスの供給を受けている施設 | 1/2以内 |
(2)上記以外の中圧ガス導管または低圧ガス導管でガスの供給を受けている施設 | 1/3以内 |
補助上限額 | |
(1)地震対象エリア・大都市等 | 【停電対応型CGS】 中圧ガス導管:3億6,000万円、低圧ガス導管:6,000万円 【停電対応型GHP】 中圧ガス導管:1億円、低圧ガス導管:6,600万円 |
(2)上記以外 | 【停電対応型CGS】 中圧ガス導管:2億4,000万円、低圧ガス導管:6,000万円 【停電対応型GHP】 中圧ガス導管:6,600万円、低圧ガス導管:6,600万円 |
申請対象となる事業の期間について
原則、単年度事業のため、定められた期間に事業を開始、完了できる場合に申請の対象となります。次項のいずれかに該当する場合は2年度を上限に複数年度事業の補助金の申請が認められます。
なお、令和4年度補正予算の「災害時の強靭性向上に資する天然ガス利用設備導入支援事業費補助金」では単年度事業のみ対象で、複数年事業の取扱いはありませんでしたので、令和5年度はその点が異なります。
令和5年度 複数年事業の取扱い
下記のいずれかに該当する場合、2年度を上限に補助金申請が可能です。
(1)新築の建物に設備を導入する場合で、工程上、単年度での実施が困難な場合
(2)事業規模が大きく、単年度での実施が困難な場合(原則として補助事業に要する経費が1.5億円以上)
なお、複数年分の補助対象経費のうち、50%以上を本年度に割り当てている案件は、単年度申請と同等の採択優先順位で扱われます。20%以上50%未満の場合は、単年度申請案件よりも順位が後退します。つまり、複数年事業は本年度に多くの経費を支出する案件でないと、補助金の採択確率が低くなるといえます。
申請方法とスケジュール
次に、補助金の申請方法などを確認しましょう。
申請は、原則jGrantsで行います。申請者は、申請期間内に所定の交付申請書、実施計画書、添付書類を一般社団法人都市ガス振興センターに提出します。
【申請期間】
公募期間、交付決定時期については、都市ガス振興センターのホームページをご確認下さい
https://www.gasproc.or.jp/current/subsidylist/r5_4/
必要書類
申請に必要な書類は以下のとおりです。
- 交付申請書
- 実施計画書
- 発注計画書
- 補助事業方式の設備に関する仕様
- 補助事業の設備に関する図面等
- 見積依頼書、見積書の写し
- 会社情報
- 避難所として協定している施設等であることを証明できる書類
- 中圧導管、または耐震性を向上させた低圧導管等でガス供給を受けていることを示す書類
- その他に提出が必要な書類
- 交付申請時提出書類チェックリスト
申請から交付決定までの流れ
最後に、申請から交付決定までの流れを確認しましょう。
(1)交付申請
(都市ガス振興センターによる個別ヒアリングおよび審査ののち、交付決定通知)
(2)交付決定通知 受理
(3)事業開始
(4)中間報告
(5)請負会社等への支払完了
(6)実績報告
(7)確定検査
(確定検査の合格をもって事業完了、センターによる支払確定通知)
(8)支払確定通知 受理
(9)精算払請求
(10)補助金受領
(11)燃料使用量等提出依頼書 受理
(12)燃料使用量等提出
まとめ
今回ご紹介した「令和5年度 災害時の強靭性向上に資する天然ガス利用設備 導入支援事業費補助金」は、環境負荷の低減と災害時のエネルギー供給の安定化を図る補助金です。
補助金の内容をおさらいすると、補助対象施設は、中圧導管または耐震性を向上させた低圧導管等でガスの供給を受けている指定避難所等で、補助対象となる設備は、停電時に発電または空調を開始・継続できる設備(停電対応型CGS・ 停電対応型GHP)でした。
この補助金を利用することで、環境に優しい天然ガスを使った設備を導入することができ、災害時においても安定的なエネルギー供給を確保することが可能です。災害時の対応強化などをお考えの場合はぜひ活用をご検討ください。
公募期間、交付決定時期については、都市ガス振興センターのホームページをご確認下さい
https://www.gasproc.or.jp/current/subsidylist/r5_4/
参考:災害時の強靭性向上に資する天然ガス利用設備導入支援事業費補助金
[災害時にも対応可能な天然ガス利用設備](令和5年度)