新型コロナウイルス流行前のテレワーク導入は、主にワークライフバランスの実現や多様な働き方による労働力の確保などが目的とされていましたが、コロナ禍以降は、感染症対策として導入が進められてきました。
今回ご紹介する、公益財団法人東京しごと財団「小規模テレワークコーナー設置促進助成金」は、感染症抑制のためのテレワークの更なる定着だけでなく、経営に影響を受ける中小企業の経営の多角化を目的とした助成金で、企業が個店や商業施設等に小規模テレワークコーナーを設置するための整備費用などを助成します。
本助成金にはコースが2つあり、小規模テレワークコーナー設置コースは最大で50万円(助成率1/2)、ボックス型サテライトオフィスモデル設置コースは最大で600万円(特例の場合 助成率10/10)が助成されます。さっそく内容を確認しましょう。
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この記事の目次
小規模テレワークコーナー設置コース
地域の個店や商業施設等に小規模テレワークコーナーを設置する都内中小企業等に対して、 整備費を助成します。
【助成対象者の主な要件】
- 都内で事業を営んでいる常時雇用する労働者の数が300人以下の中小企業等(個人事業主も含む)であること。
- テレワークコーナーの運営に必要な建物を貸借している場合、貸主に対する賃料・使用料等の債務の不履行がないこと。
- 過去5年間に重大な法令違反等がないこと。
- 都税の未納付がないこと。
- 国、都道府県や市区町村等から同一事業に対する補助や助成事業に申請中または採択され、事業実施中でないこと。
- 東京都が実施する「テレワーク東京ルール実践企業宣言」制度に登録していること。ただし、登録できない相当の理由がある場合は、登録できない旨の理由書を提出していること。
- 事前エントリーの応募をしていること。 (8/31まで)
応募資格の詳しい要件については、募集要項をご確認ください。
東京しごと財団が過去に実施した「テレワーク活用・働く女性応援助成金」、「テレワーク導入促進整備補助金(はじめてテレワーク)」、「事業継続緊急対策助成金」、「テレワーク定着促進助成金」、あるいは現在実施中の「テレワーク促進助成金」に申請していても、この助成金の申請は可能です。
なお、要件のひとつである「テレワーク東京ルール実践企業宣言」の登録にかかる時間は、登録申請をしてから、3~4日程度です。また、助成金申請には事前エントリーが必要で、下記のエントリーフォームから行います。
【助成条件】
サテライトオフィスの仕様は以下の条件を基本として満たす必要があります。
- 令和3年9月末までに小規模テレワークコーナーを設置し、営業を開始していること。
- 机、椅子などが設置されており、複数の利用者が一度に利用できる席数を確保していること(2席以上)
- 1日4時間以上、かつ、週20時間以上、テレワークコーナーとしての稼働を想定した施設であること。
- テレワークコーナーとして稼働する時間帯においては、店舗等施設の一般利用者とのエリアを区分けし、テレワークコーナー利用者のみが利用できるエリアにすることで、良質なテレワーク環境を整えること。
- テレワークコーナー利用者限定の情報セキュリティの確保されたWi-fiなどの通信環境を新たに整備、もしくは整備されていること。
- オフィス利用に必要な備品類(机、椅子、モニター、プリンター(複合機含む)、パーティーション)を新たに整備、あるいは整備されていること。
このような仕様の小規模のサテライトオフィスを、既存施設の空きスペース・空き時間を活用して設置する取り組みに対して助成されます。あくまでも、自社の従業員以外で複数の利用者が利用するための共用型テレワークコーナーの新規導入設置が対象となります。なお、助成額の範囲内において、複数の施設を設置することも可能です。
また、助成対象事業で整備した施設について、都が実施する「TOKYO テレワークアプリ」への登録を行う必要があります。
すでに主たる業務としてサテライトオフィス、コワーキングスペース、レンタルオフィスを運営している場所を改修するものは対象外となりますので、お気を付けください。
【対象経費】
助成対象経費は、助成対象事業者が事前エントリーに応募した日以後に新たに取り組んだ事業にかかる経費です。
・電気設備工事費
・通信設備工事費
・什器類の設置費
・業務用什器類(机、椅子、モニター、プリンター(複合機含む)、パーティーション)の購入費 ※税込単価10万円未満のもの
・通信機器(Wi-Fiルーター機器)の購入費※税込単価10万円未満のもの
出典:対象となる消耗品類の例
【助成内容】
助成金上限額:50万円
助成率:1/2
小規模テレワークコーナー設置コースの事業実施期間は、事前エントリーへの応募を行った日以後から、令和3年9月30日までです。
ボックス型サテライトオフィスモデル設置コース
このコースでは、ボックス型サテライトオフィスをモデル的に設置する地域の経済団体等に対して購入設置費またはリース料等を助成します。
【助成対象者の主な要件】
- 東京商工会議所、多摩地域の商工会議所、東京都商工会連合会、都内の商工会、東京都中小企業団体中央会、東京経営者協会、経済同友会その他類する団体のいずれかであること。
- ボックス型サテライトオフィスをテレワークコーナー施設として運営する事業者であること。
- 助成事業を遂行する実施体制や実行能力等を有していること。
- テレワークコーナーの運営に必要な建物を貸借している場合、貸主に対する賃料・使用料等の債務の不履行がないこと。
- 過去5年間に重大な法令違反等がないこと。
- 都税の未納付がないこと。
- 就業規則を作成して労働基準監督署に届出を行っていること(常時雇用する労働者が10人未満の企業等を除く)。
- 国、都道府県や市区町村等から同一事業に対する補助や助成事業に申請中または採択され、事業実施中でないこと。
応募資格の詳しい要件については、募集要項をご確認ください。
なお、こちらのコースはモデル事業となっていて、上に掲げる団体以外は助成対象事業者となりませんのでご注意ください。
【助成条件】
ボックス型サテライトオフィスの仕様は以下の条件を基本として満たしている必要があります。
- 令和3年9月末までにボックス型サテライトオフィスを設置し、利用可能な状態となっていること。
- 1人ないし少人数で使用する、ボックス型の個室ブースで、外寸参考が以下の程度のものであること。
『1人用 幅 1,500 ㎜×高さ 2,400 ㎜×奥行 1,300 ㎜程度』
『2人用 幅 2,000 ㎜×高さ 2,500 ㎜×奥行 1,500 ㎜程度』 - 机、椅子、電源等が設置された仕様であること。
- 原則、定期的に自動換気される機能を有し、適度な気温で利用できる状態となっていること。
- 利用者限定の情報セキュリティの確保されたWi-fiなどの通信環境を整備すること。
- トラブルが生じた際に、対応可能な態勢を整えておくこと。
- オフィス利用に必要な備品類(モニター等)を整備すること。
まとめると、助成の対象となるボックス型サテライトオフィスとは、外寸参考が規定程度以下のもので、机、椅子、電源等の設置、定期的に自動換気される機能を有し、適度な気温で利用できる状態で、利用者限定の情報セキュリティが確保された通信環境を有した天井・壁のある立方体型のブースをさします。このようなブースを既存施設の空きスペースに設置する取り組みが対象になります。事業実施期間は、令和3年6月23日~9月30日までです。
【対象経費】
・電気設備工事費
・通信設備工事費
・システム(利用予約)開発構築費
・システム利用料
・リース料
・施設利用料
リース料、施設利用料とも、最長1年間相当分まで助成対象になります。
【助成内容】
助成金上限額:600万円
助成率:4/5(※特例10/10)
助成率の特例について、令和3年7月末までに会員企業等に対してボックス型サテライトオフィスの利用及び東京都のテレワーク関連事業に関する周知や、テレワーク関連のセミナーを実施を開始した場合に、助成率10/10が適用されます。
小規模テレワークコーナー設置促進助成金 申請の流れ
【事前エントリー受付期間】※小規模テレワークコーナー設置コースのみ(必須)
令和3年6月23日~8月31日
【事業実施】
令和3年9月30日まで
【助成金支給申請】
令和3年9月1日~10月29日まで
申請は郵送による提出のみの受付となり、必ず記録が残る簡易書留等の方法で送付するようにします。なお、予算の範囲を超えた場合は、申請受付期間内でも受付終了となります。
まとめ
今回は、公益財団法人東京しごと財団が実施する「小規模テレワークコーナー設置促進助成金」についてご紹介しました。
小規模テレワークコーナー設置コースでは、自社の従業員が利用するためのテレワークコーナー設置の経費は助成の対象となりません。自社以外の複数の企業の労働者が利用できる共用型のテレワークコーナーであることがポイントです。
ボックス型サテライトオフィスモデル設置コースは、モデル事業ということで限られた団体のみ対象となっていますが、特例の要件を満たすと助成率10/10という手厚い支援が受けられます。
テレワークを利用した経営の多角化に興味のある方は、本助成金の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
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