新型コロナウイルスによる事業活動等への影響が長期化し、都内中小事業者を取り巻く環境は、依然として厳しい状況にあります。東京都内の中小企業3,875社を対象に行われた景況調査(2021年6月調査)によると、5月の景況は【業況:わずかに上向く】、【見通し:引き続き悪化】という結果で、新型コロナウイルス感染症の感染拡大にともなう2021年5月の経営や事業活動への影響を全体でみると、「影響あり」が69.5%(前回調査67.2%)でした。
出典:新型コロナウイルス感染症による事業活動等への影響
経営や事業活動への影響で「影響あり」と回答した企業の新型コロナウイルス感染症発生前の2019年5月と比較した2021年5月の売上高を全体でみると、「減少」が88.5%(前回調査91.3%)という結果になっています。
東京都は中小企業の稼ぐ力を向上させて都内産業を活性化することを目的に、一時支援金等受給者向け緊急支援事業として、国や都が実施する「一時支援金」「月次支援金」等を利用した都内中小企業者向けの設備投資助成を実施します。申請予約がまもなく7月1日(木)から始まりますので、新事業展開のための設備投資支援をお探しの方はぜひチェックしてみてください!
▼東京都の一時支援金等受給者向け緊急支援についてはこちらから
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この記事の目次
新事業展開のための設備投資支援事業の助成対象者
対象者について、まず以下の中小企業事業主であることとなっています。
出典:新事業展開のための設備投資支援事業 募集要項
その他の主な要件がこちらです。
- 助成対象期間中に、国や都が実施している一時支援金等の受給が確定すること
- 都内で実質的に事業を行っていること
- 東京都に納税し、かつ税金等の滞納がないこと
- 同一機械設備(助成対象設備が同一)で助成を受けていないこと
- 過去の助成事業において、事故がなく、報告書等を期日までに提出していること
- 事業の継続に問題がないこと
一時支援金等とは、一時支援金(国)、月次支援金(国)、月次支援給付金(都)のことで、受給確定が確認できない場合は、たとえ採択されていても助成金は交付されませんので注意が必要です。 また、実質的に事業を行っていることに関しては、基準日(2021年4月1日)現在で、東京都内で継続的に2年以上事業を行っていることが求められます。
新事業展開のための設備投資支援の助成対象事業
新事業活動に取り組むことで、直面する経営課題を打破するために必要となる最新機械設備を新たに導入する事業が助成対象となります。新事業活動とは、次の4つのいずれかに該当する必要があります。
- 新商品の生産
- 新役務の提供
- 商品の新たな生産または販売の方式の導入
- 役務の新たな提供の方式の導入、その他の新たな事業活動
新事業展開のための設備投資支援事業における注意点
以下にあてはまると助成対象外となるので注意しておきましょう。
- 事業計画を伴わず、単なる機械設備等の更新を目的としているもの
- 研究開発を目的とし、量産および販売等の目途が立っていないもの
- 自社工場への自家発電設備の設置
- 助成事業完了後、導入した機械設備等の一定期間継続使用が見込めないもの
- 運転資金など設備投資以外の経費の助成を目的としているもの
単なる生産力強化のための設備の増強や製造品目を増やす場合は、新事業活動に該当しません。それに加えて、新たな生産方法を導入し生産の効率化や新たな販路の開拓などに取り組む必要があります。
新事業展開のための設備投資支援事業の助成内容
経営課題の解決に向けた新たな事業展開を図る取り組みに対し、最大3,000万円助成します。
助成率:4/5以内
助成限度額:3,000万円
助成下限額:100万円
新事業展開のための設備投資支援事業の助成対象経費
- 製品の製造や役務の提供のために直接使用するもの
- 1基※100万円(税抜)以上のもの
- 助成対象期間内に契約・設置・支払いを行うもの
※1基とは原則として、法人税法の減価償却単位に基づきます。
上記条件を満たす、助成事業を遂行するために必要な機械設備等の新たな導入、搬入・据付等(稼働のために最低限必要な訓練費用を含む)に要する経費が助成対象となります。助成対象期間は交付決定日の翌月1日から1年6か月間で、その間に契約・設置・支払いを行う必要があります。
対象外となる経費
既存機械設備の改良・修繕及び撤去・移設・処分に係る経費は対象外です。そのほか固定資産の分類上、機械装置・器具備品に該当しないもの(不動産、構築物、車両及び運搬具、船舶、航空機等)の導入経費や中古品の導入経費、汎用性のあるパソコン、サーバー等、目的外使用が可能なものも助成対象外です。
新事業展開のための設備投資支援事業の機械設置場所
機械設置場所は、東京都内及び首都圏です。首都圏においては、本店が東京都にある場合に神奈川県、埼玉県、千葉県、群馬県、栃木県、茨城県、山梨県に所在する支店などの事業所施設も助成の対象となります。
出典:新事業展開のための設備投資支援事業 募集要項
新事業展開のための設備投資支援事業の流れ
- 申請予約(公社HP)2021年7/1~8/31
- 申請受付(郵送のみ)2021年7/1~8/31
- 一次審査(書類)~10月下旬
- 二次審査(面接)11月中旬
- 助成対象者決定 11月下旬
- 助成事業開始 12/1~
- 助成対象事業の実施
- 検査・確定
- 助成金交付
※2021年12月~2023年5月の間に契約・実施・支払が完了すること
おおまかな流れとしては、助成金を申請するためには事前の予約が必要なので、「ネットクラブ会員サービス」へ会員登録をして、入力フォームから助成金の申請予約を行います。その後、助成金の申請書を記入してほかに必要な書類と合わせて郵送します。(8月31日消印有効)
審査を経て助成対象者となりましたら、助成対象事業を実施します。完了報告書の提出後に実施される検査後に助成金の額が確定し、助成金が交付されます。
なお、今回ご紹介した助成事業以外にも、東京都内企業の設備投資を対象とする支援に「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」というものがあります。こちらは第1回の申請予約はすでに終了していますが、年度後半に第2回の募集を予定しています。
【躍進的な事業推進のための設備投資支援事業】
・助成金の対象となる1基あたりの下限額が50万円
・機械設備の他、ソフトウェアの導入にも対応しているため、自社のDX化を検討している事業者の方も活用できる
・助成率は事業区分によって1/2以内~2/3以内
▼躍進的な事業推進のための設備投資支援事業についてはこちらから
まとめ
今回は東京都に所在する中小企業者等が最新機械設備を新たに導入する際に活用できる「新事業展開のための設備投資支援事業」についてご紹介しました。
「一時支援金」等を利用された事業者のための設備投資助成ということで、助成率が4/5と手厚いところがポイントです。
本店が東京都にある場合には神奈川県、埼玉県、千葉県など首都圏の事業所施設も助成の対象となっています。経営課題解決の選択肢として、新たな事業展開のための最新機械設備の購入をお考えの際は活用をご検討ください。
どの制度を利用したらよいかわからない、などご不明な点は補助金ポータルまでお気軽にお問い合わせください。
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