東京都は労働者のライフワークバランスの向上に向け、働き方改革推進の鍵ともいえるテレワークの推進に力を注いでいます。
今回紹介する「サテライトオフィス設置等補助事業」では、都心から離れた東京都市部に共用型のサテライトオフィス(シェアオフィス、コワーキングスペース)を設置する事業者に対し、最大で2800万円の補助を行い、労働者の通勤負担や、災害発生時の企業の事業継続性の向上を図ります。
新型コロナウイルス感染症の影響で求められる「新しい日常」の確立にも大きく貢献する、サテライトオフィスの開設に取り組む企業や自治体は是非詳細をご覧ください。
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この記事の目次
サテライトオフィスとは?
サテライトオフィスとは、企業の拠点である本社から離れた場所に設置する「衛星(satellite)」のような小規模オフィスのことで、企業が自社のために設置する「専用型サテライトオフィス」と、他社とオフィススペースを共有する「共有型サテライトオフィス」の2種類があります。
専用型サテライトオフィスの特徴
本社以外のオフィスのため「支社」ともいえる存在ですが、サテライトオフィスは本来働く場所の提供のみを目的としているため、業務に必要な最低限の機能しか備えていない場合が多いのが特徴です。
共用型サテライトオフィスの特徴
特定の企業が自社のために設置したものではなく、会員制などのシステムで、どなたでも利用することが出来るサテライトオフィスの形態です。
利用者同士の情報交換会やイベントなどを実施している施設も多いため、ビジネスの幅を広げるために活用している方も多くいらっしゃいます。
共用型サテライトオフィスは「シェアオフィス」「コワーキングスペース」とも呼ばれています。
利用者のメリットは?
①通勤時間の短縮
労働者にとって最大のメリットとも言えるのが通勤時間の短縮です。
多くの企業が利便性や企業ブランドのために都心部に本社を集中させるため、都内では多くのサラリーマンにとって最大の労働は満員電車での通勤といっても過言ではありません。
ライフワークバランスの向上を図る企業や従業員にとって、通勤が不要なテレワークの実現を可能にするサテライトオフィスの存在は大きな魅力です。
②感染症リスクへの対策として
現在大流行している「新型コロナウイルス感染症」はもとより、毎年数千人(2018年は3325人)の死者を出しているインフルエンザなどの感染経路を断つためにも、通勤や社内での人との接触を減らすことが出来るサテライトオフィスの活用は有効です。
特に現在社会問題となっている新型コロナウイルス感染症では、本社でクラスターが発生した場合には風評被害も甚大なものとなるため、労使双方の感染症リスク回避という観点でもサテライトオフィスの活用には大きなメリットがあります。
③災害発生時のBCP対策として
自然災害の多い日本では、災害や感染症の蔓延時などでも普段と同じように業務を継続できるテレワークの導入は企業のBCP対策としても広く浸透しています。
安定した通信環境と業務に必要なOA機器を備えたサテライトオフィスが身近にあれば、長期間本社機能が停止してしまった場合でも一定の業務を継続して行う事が可能になるため、災害時の休業などによる著しい給与の低下なども心配する必要はありません。
その他様々なメリットで需要が高まっています!
サテライトオフィスの存在は上記のような様々な利用者へのメリットがありますが、テレワークの導入には企業にとっても下記のような様々なメリットがあります。
1.毎日の通勤に掛かる交通費が不要になるため、大幅なコスト削減につながる。
2.本社のデスクやパソコンを減らすことが出来るため、事務所スペースをより有効に活用できる。
3.事務所のキャパシティを超えた従業員を雇用できる
4.通勤が困難な地域でも採用活動が行える
これから新たにテレワークを導入する企業などはテレワーク制度の導入に向けた各種支援制度の活用もご検討ください。
サテライトオフィス設置等補助事業
働き方改革推進に向けてテレワークの推進に取り組む東京都が、郊外型(23区外)のサテライトオフィスの新規開設に対し「整備・改修費」「運営費」への補助を行う制度です。
企業や自治体、NPO団体など、運営に必要な組織を持つ多様な団体が補助の対象となります。
補助対象者
・企業等(大企業を含む)
・団体(商店街組織など)
・NPO
・市町村
補助要件など
開設するサテライトオフィスに求められる主な要件は下記の通りです。
・サテライトオフィスの整備及び運営が一体となった事業計画を有すること
・都内の市町村部で新たにサテライトオフィスを設置すること
・複数の企業の労働者が利用できる「共用型」のサテライトオフィスであること
・オフィス面積が50㎡以上で、パーテーションなどにより座席が区切られていること
・情報セキュリティの確保されたWi-Fi環境などを整備すること
・定められた備品類を整備すること
補助内容
【整備・改修費】
交付決定を受けた年の年度末までに掛かる費用が対象です
補助限度額:1500万円(2000万円)
補助率:1/2(2/3)
【運営費】
サテライトオフィスの工事完了日の翌日から2年間の運営費を補助します
補助限度額:600万円(800万円)
補助率:1/2(2/3)
※()内は、補助事業者が保育所を併設、または年間を通じた計画的なサテライトオフィス利用者のスキルアップ等を図る事業を実施する場合の引上げ措置
【具体例】
・サテライトオフィスに常駐しているキャリアコンサルタントによる働き方の相談
・外部講師を招いて、育児と仕事の両立などをテーマとしたセミナーの通年での開催
・サテライトオフィス利用者間の交流会の定期的な開催
・各種資格取得のための講座開講
申請方法について
専用サイトから申請様式をダウンロードして必要事項を記入し、電話予約をしたうえで事務局に提出書類を持参します。
書類の提出時には面談形式で内容の確認が行われるため、記載内容を詳しく説明できる方の対応が必要です。
申請書類の提出期間
令和2年6月22日(月)~令和2年11月30日(月)
申請書類の提出場所
東京都 産業労働局 雇用就業部 労働環境課
〒163-8001 新宿区西新宿2-8-1 東京都庁第一本庁舎21階北側
TEL:03-5320-4657(東京都産業労働局雇用就業部労働環境課直通)
申請様式のダウンロードはこちら
https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/hatarakikata/telework/satellite/
【事業の流れ】
まとめ
今回は東京都市部でのサテライトオフィスの新規開設に活用できる「サテライトオフィス設置等補助事業」について紹介しました。
補助上限額は最大2800万円という非常に大きなものですが、補助額には最低限度額の規定がないため、比較的小規模なサテライトオフィスの設置にも活用することが可能です。
2年間の間は共益費も含む施設の賃料についても補助が受けられるため、新型コロナウイルス感染症の影響で需要が高まる中でのサテライトオフィスの新規開設は、新たなビジネスのチャンスとしても検討してみる価値があるのではないでしょうか。
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