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最大100万円補助!観光資源の保全等に係るクラウドファンディングを活用した資金調達事業とは

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コロナ禍やエネルギー価格の高騰の影響から、文化財や歴史的資料といった貴重な資源の保全が難しくなるケースも出てきました。こうした局面を乗り切るための選択肢として、クラウドファンディングによる資金調達が注目を集めています。

東京都では、都内の貴重な観光資源の喪失を防ぐため、「観光資源の保全等に係るクラウドファンディングを活用した資金調達事業」を実施しています。今回はクラウドファンディングによる資金調達の可能性と、東京都の支援事業についてお伝えします。

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この記事の目次

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クラウドファンディングの登場とその可能性

クラウドファンディングとは、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語です。個人や企業、団体がインターネットを通して支援を募り、それに共感した人から資金を集めます。支援者は、支援額に応じたリターンを得る仕組みです。これまでも企業による新商品の開発のほか、途上国支援や自伝本の制作など、幅広いプロジェクトが実施されてきました。

2023年8月、国立科学博物館は「標本・資料の収集・保管」の資金調達のためにクラウドファンディングを行いました。該当のプロジェクトでは、10月25日現在、目標金額を大きく上回る8億1,000万円以上が集まっています。 <参考:https://readyfor.jp/projects/kahaku2023cf

また、渋谷で10月に始まった岡本太郎の「明日の神話」の大規模改修は、その資金の一部がクラウドファンディングによって賄われています。 <参考:https://camp-fire.jp/projects/view/700661

クラウドファンディングはビジネスシーンのみならず、資料や芸術作品の保全にも活用されているのです。

観光資源の保全等に係るクラウドファンディングを活用した資金調達事業とは

クラウドファンディングで集まった資金を受け取るためには、CF (クラウドファンディング) 事業者に既定の手数料を支払う必要があります。通常、手数料は集まった支援金から差し引かれ、残りの金額がプロジェクト実行のための資金となります。

「観光資源の保全等に係るクラウドファンディングを活用した資金調達事業」は、都内の観光資源維持保全に取り組むプロジェクトを対象に、CF事業者への手数料を補助する制度です。

東京の魅力ある観光資源を保全し、その魅力を発信することを目的としています。

クラウドファンディング関連用語の定義

観光資源の保全等に係るクラウドファンディングを活用した資金調達事業では、クラウドファンディングの用語等が使用されます。一般的にはなじみのない言葉も多いので、本事業における用語の定義を確認しておきましょう。

本事業に関連する言葉のうち、クラウドファンディングに関わる言葉の定義は、以下のとおりです。

取扱CF事業者 本事業において、東京都が選定したCFサイトの運営事業者 (購入型、寄付型が対象)
資金提供者 クラウドファンディングサイトに掲載されたプロジェクトに賛同し、資金を供給する者
購入型 商品またはサービス提供を対価として、金銭を募集するクラウドファンディング
寄付型 商品またはサービス提供の対価がなく、金銭を募集するクラウドファンディング
リターン クラウドファンディングにおいて、プロジェクトへの資金提供者に対する返礼

補助対象者

補助の対象となるのは、以下の①~⑦の要件を満たす都内事業者です。

①過去5年間、重大な法令違反等がないこと
②以下のいずれかに該当する観光関連事業者であること
- 東京都内において、旅館業法の許可を受け営業を行っている宿泊事業者
- 東京都内に本社または主たる事業所があり、旅行業法に基づく登録を受けている旅行事業者
- 東京都内において、食品衛生法で定める飲食店営業または喫茶店営業の許可を受けた飲食事業者
- 東京都内において販売場を常設し、営業を行う小売事業者
- その他東京都内において、旅行者向けのサービス開発・提供や商品開発・製造・販売等を行っている者
➂暴力団員またはその関係者等でないこと
④概ね築50年以上が経過した観光施設を所有している、または概ね50年以上の実績がある技術等を有していること (観光施設所有者から管理運営を委託されている者等も含む)。
⑤東京観光財団・東京都中小企業振興公社・国・都道府県・区市町村等から、補助事業の交付決定取消等を受けていないこと
⑥補助事業の交付において、法令違反等を起こしていないこと
⑦東京観光財団・東京都中小企業振興公社・国・都道府県・区市町村等から、同一テーマ・内容で補助を受けていないこと (ただし、他の補助事業等と対象経費が明確に区分できるものについては、この限りでない)

補助対象となる事業

補助の対象となる事業は、以下の要件を全て満たすものです。

補助対象事業
①以下のいずれかに該当する事項について、クラウドファンディングを活用した資金調達を行うこと
■観光施設の維持・保全を目的とした取組
【取組例】
・地域に根差した老舗料理店の維持や補修等の保存工事
・老朽化した観光施設の復元、補修等の保存工事

■技術等の維持・保全を目的とした取組
【取組例】
・特色ある伝統工芸品や、自然等を活用した体験プログラムの企画
・地域の特産品を紹介する展示会の開催
②クラウドファンディングサイトに掲載する際に設定した目標調達額を達成すること
➂令和6年3月31日(日)までに取扱CF事業者に手数料を支払い、全てのリターンを提供していること

対象経費

補助の対象経費は、取扱CF事業者に支払う手数料(利用手数料、決済手数料、早期振込手数料)です。対象の手数料は、令和6年3月31日までに支払いを完了する必要があります。資金調達額の振込と同時に支払いが行われると想定されていますが、支払時期の詳細については、利用する取扱CF事業者確認してください。

なお、以下の経費は補助の対象外です。

  • 取扱CF事業者以外の事業者等に支払った経費
  • 手数料の消費税等
  • 東京都の他の補助金、委託費等により支弁されている経費
  • 該当事業以外の事業に係る経費 等

補助率と補助限度額

補助率と補助限度額は、以下のとおりです。

■補助率
2/3 (1000円未満の端数切り捨て)

■補助限度額
100万円

補助対象期間

補助対象期間は、交付決定日から令和6年3月31日までです。

取り扱いCF事業者

本事業の対象となる、取り扱いCF事業者とクラウドファンディングサイトは、以下の2つです。

株式会社 MotionGallery クラウドファンディングサイト:MOTION GALLERY
READYFOR 株式会社 クラウドファンディングサイト:READYFOR

交付申請から補助金交付までの流れ

交付申請は、クラウドファンディング開始前に行います。クラウドファンディングサイトへ掲載済みのプロジェクトは、補助金の対象となりませんので注意してください。

事業全体の流れや申請方法、そのほかの注意事項をまとめました。

事業の流れ

観光資源の保全等に係るクラウドファンディングを活用した資金調達事業の流れは、以下のとおりです。

①交付申請
②交付決定
③クラウドファンディングサイトへ掲載 (プロジェクト開始)
④資金提供
⑤資金調達
⑥手数料支払
⑦リターン
⑧実績報告
⑨完了検査
⑩補助金額確定
⑪補助金請求
⑫補助金支払

事業の全体は、以下の図も参照してください。

出典:補助事業者募集要領

申請方法

申請方法は、電子申請と郵送の2つです。それぞれの手順は、以下のとおりです。

電子申請

国が運営する、Jグランツを使用します。Jグランツを利用するには、法人・個人事業主向け共通認証基盤「GビズIDプライムアカウント」の発行が必要です。新規IDアカウントの登録には、2~3週間程度の時間がかかります。新規登録をする場合は、時間に余裕をもって準備を始めてください。

郵送

簡易書留など、郵便物の追跡ができる方法で書類を提出します。宛先は以下のとおりです。

〒163-8001
東京都新宿区西新宿2-8-1 東京都庁第一本庁舎19階
東京都 産業労働局 観光部 受入環境課 情報広報担当 宛

必要書類

申請時に提出が必要な書類は、以下の①~⑫です。

必要書類
①交付申請書
②事業計画書
➂誓約書
④社歴書(個人事業主の場合は「経歴書」)
⑤印鑑証明書 発行後3か月以内の原本
⑥都税の納税証明書
■法人事業者
「法人事業税」・「法人都民税」分を提出します

■個人事業主
「個人都民税(居住地分と事業所地分の両方)」・「個人事業税」分を提出します
⑦登記簿謄本(法人の場合)
⑧税務署へ提出した直近2期分の確定申告書全ての写し
■法人事業者
法人税申告書別表等一式

■個人事業主
所得税申告書及び収支内訳書、青色申告決算書等一式
⑨営業に係る許認可等を証明する書類の写し
⑩事業開始申告書の写し(個人事業者で、個人事業税が非課税の場合)
⑪委任状(観光資源の所有者から委任を受けた者が応募する場合)
⑫その他、東京都が個別具体に必要と判断した書類

受付締め切り

受付締め切りは、令和6年1月31日(水)必着です。

留意点

申請にあたっては、以下の点に留意してください。

■受付期間中であっても、申請額が予算額に達した時点で申請受付を終了します。
■交付申請額欄には、クラウドファンディングサイト掲載時に設定する目標調達額に係る手数料額をベースとした金額を記入してください。
■交付申請は1回限りです。
■同一プロジェクトで、複数の取扱CF事業者の利用は認められません。
■交付決定には3週間程度、審査期間を要します。
■補助事業に係る関係書類及び帳簿類を整理し、補助事業が完了した日の属する会計年度の終了後5年間保存してください。
■東京都が補助事業の運営及び経理等の状況について実地検査を行う場合には、応じる必要があります。
■補助金の目的外利用や不正が発覚した場合には、補助金の交付決定の取消しや補助金の返還を求められる場合があります。

まとめ

クラウドファンディングは、ビジネスの手段として一般化しつつあります。大勢の人から広く支援を集められるクラウドファンディングは、資金調達だけでなく、広報の手段としても有益です。

資金を提供し、リターンを受け取った支援者は、主体的にプロジェクトに関心を持ってくれています。支援者が、次はお客様として、プロジェクトに長く関わることも期待できます。

観光資源の保全等に係るクラウドファンディングを活用した資金調達事業を活用し、集まった資金を効率的に活かすことで、観光資源としての施設や技術を今後も持続可能な形で活用していきましょう。

出典:観光資源の保全等に係るクラウドファンディングを活用した資金調達事業

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