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年収の壁対策支援奨励金【東京都】家族手当の見直しで10万円を交付!

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共働き世帯は6割を超える一方で、女性の年収や労働時間は男性より低いままです。原因のひとつには、いわゆる「年収の壁」の影響も指摘されています。

国や自治体は、年収の壁による不利益を補い、長時間労働を希望する人がより働きやすくするための支援を設置しています。

たとえば、東京都では、家族手当(配偶者手当)を見直す都内中小企業事業主に10万円の奨励金を交付する「年収の壁」対策支援奨励金を実施しています。

今回は「年収の壁」対策支援奨励金の内容や申請方法をお伝えします。

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この記事の目次

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「年収の壁」対策支援奨励金とは

本事業は、いわゆる「年収の壁」のひとつとなっている「配偶者の収入要件がある家族手当」について、見直しを行う企業を支援します。奨励金を交付し、働く意欲のある女性がその能力を十分に発揮できる環境を整備していくことが目的です。

まずは「年収の壁」や、奨励金の支援内容について見ていきましょう。

【事業概要】
本事業では、手当見直し取組期間(3か月)のうちに、家族手当の「年収の壁」を解消する取組を行った中小企業主に、10万円が交付されます。

年収の壁とは?

「年収の壁」とは、所得税や社会保険料などの負担が急増する年収の境界線を指す言葉です。主に以下のような「年収の壁」があります。

103万円の壁
パートやアルバイトなどの年収が103万円を超えると、所得税の課税対象となるほか、配偶者控除が受けられなくなります(150万円までなら配偶者特別控除を受けられます)。
130万円の壁
配偶者の年収が130万円を超えると、被扶養者として夫の健康保険に加入できなくなります。自身で国民健康保険や社会保険に加入するため、社会保険料の支払いが発生して手取りが減ります。
150万円の壁
2018年から、配偶者の年収が150万円以下であれば、配偶者特別控除の適用範囲内となりました。これを超えると段階的に控除額が減少します。
201万円の壁
配偶者の年収が201万円を超えると、配偶者特別控除の対象外となり、控除額がゼロになります。

これらに加え、各企業が設定する「配偶者の収入要件がある家族手当」も、年収の壁のひとつとされています。

「年収の壁」対策支援奨励金の対象事業主と奨励金交付条件

ここからは、東京都の「年収の壁」対策支援奨励金の内容についてみていきます。

対象事業主や交付条件などの主な要件は、以下のとおりです。

【対象事業主】

①本店・事業所が都内にある、個人事業主を含む中小企業主であること
②就業規則に「配偶者の収入要件がある家族手当」の規定があること
➂東京都政策連携団体、事業協力団体、東京都が設立した法人でないこと
④過去5年間に重大な法令違反等がないこと
⑤過去5年間に、不正受給による不支給決定等を受けたことがないこと
⑥労働関係法令を遵守していること
⑦法人都民税等の未納がないこと
⑧暴力団関係者や、風俗営業等でないこと

【奨励金交付条件】

①「配偶者の収入要件がある家族手当」の規定に、以下のいずれかの見直しを行うこと
■配偶者手当(家族手当)の収入要件を撤廃する
■配偶者手当(家族手当)を廃止し、他の手当に振り替える
■配偶者手当(家族手当)を廃止し、基本給に繰り入れる

なお、複数の項目を選択することも可能です。
②見直しの内容について労使協定を締結した上で、就業規則の改正・社内周知・就業規則の届出を行うこと
必ず労使協定の締結、就業規則の改正の順に取組を行ってください。順番を誤ると、奨励金の交付対象外となります。
➂取組期間内(交付決定日から3か月以内)に行い、それらの実績を取組期間後1か月以内(交付決定日から4か月以内)に財団に報告すること

奨励対象となる取組の例

対各象となる取組と、ならない取組の例は、以下のとおりです。


①配偶者手当(家族手当)の収入要件を撤廃する
■対象となる見直し
配偶者の収入要件を撤廃し、配偶者のいる従業員全員に配偶者手当を支給する
■対象とならない見直し
・配偶者の年収が201万円以下の場合のみ、配偶者手当を支給する
※収入要件は完全に撤廃する必要があります。

・1年後に、配偶者のいる従業員全員に対して収入要件を撤廃する予定
※交付決定日から3か月以内に取組を行う必要があります。

・管理職について配偶者の収入要件を撤廃し、従業員については収入要件を撤廃しない
※管理職のみの取組では対象となりません。

②配偶者手当(家族手当)を廃止し、他の手当に振り替える
■対象となる見直し
・配偶者手当を廃止し、子ども手当を支給する
・配偶者手当を廃止し、子ども手当と介護手当を支給する
・配偶者手当を廃止し、特定の資格を保有する従業員に手当を支給する
■対象とならない見直し
・3か月後に配偶者手当を減額し、1年後に配偶者手当を撤廃する
※取組期間内に配偶者手当を撤廃する必要があります。

・配偶者手当を廃止し、103万円以下の収入の配偶者が対象の家族手当を支給する
※新たな手当に配偶者の収入要件がある場合は、対象となりません。

➂配偶者手当(家族手当)を廃止し、基本給に繰り入れる
■対象となる見直し
・配偶者手当を廃止し、従業員全員の賃金を賃上げする
・配偶者手当を廃止し、配偶者手当の対象となっていた正社員全員の賃金を賃上げする
■対象とならない見直し
・配偶者手当を廃止したが、基本給への繰り入れを行わなかった

※就業規則及び労使交渉の記録に基本給へ繰り入れることが明記されていない場合、対象となりません。

奨励金交付額

奨励金の金額は、一交付対象事業者につき、一律10万円です。

「年収の壁」対策支援奨励金の手続きの流れ

それでは、手続きの流れを見ていきましょう。申請には、事前エントリーが必要です。全体の流れは、以下の図も参照してください。

出典:募集要項

事前エントリーと交付申請期間

事前エントリーは、受付期間内に特設WEBサイトから行います。

事前エントリー受付期間は、令和6(2024)年5月15日から令和7(2025)年2月28日までです。各回の受付期間は、以下のとおりです。

回数 受付開始日 受付終了日
第1回 令和6年5月15日 令和6年5月31日
第2回 令和6年6月1日 令和6年6月30日
第3回 令和6年7月1日 令和6年7月31日
第4回 令和6年8月1日 令和6年8月31日
第5回 令和6年9月1日 令和6年9月30日
第6回 令和6年10月1日 令和6年10月31日
第7回 令和6年11月1日 令和6年11月30日
第8回 令和6年12月1日 令和6年12月31日
第9回 令和7年1月1日 令和7年1月31日
第10回 令和7年2月1日 令和7年2月28日

【交付申請期間】
本奨励金の交付申請は、事前エントリー当選後、1か月以内に行ってください。事前エントリーおよび交付申請は一事業主につき1回限りです。

「年収の壁」対策支援奨励金 交付申請方法

交付申請では、いずれかの方法で必要書類を提出してください。

①紙申請(郵送)
提出書類については、電話や電子メールにより内容確認などの問い合わせを行う場合があります。必ず提出書類の写しをお手元に保管してください。
②電子申請
「Jグランツ」を使用します。なお、Jグランツを利用するには、「GビズID」アカウントの取得が必要です。GビズIDの発行には時間がかかるため、余裕をもって準備してください。

まとめ

物価上昇や世界的な不安定な情勢を受け、一般家庭における収入の増加は大きな課題です。国は賃上げの実現に向けて注力していますが、働きたい人が働きやすい環境を整えることも、こうした動きの一助となります。

「年収の壁」対策支援奨励金をはじめとした補助事業を活用し、働きたい人の活躍の場を広げる企業へと成長していきましょう。

参考:「年収の壁」対策支援奨励金

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