【2019/3/25追記】IT導入補助金の最新記事はこちら!
https://hojyokin-portal.jp/it_1st_2020/
IT導入補助金を実施している経済産業省は、17年度補正予算で500億円を計上し、2018年春をメドに対象企業を拡大して公募を行うとしています。IT導入補助金は昨年、サービス等生産性向上にITを利活用している中小企業を推進する施策として注目されていたのはご存じでしたか?
この補助金はITを業務効率化だけではなく、新規顧客開拓や案件管理、売上向上などに活用できるよう、「広報」「顧客管理」「決済」など該当業務分野のITサービス導入を補助する、というものです。今回は、2018年の公募を目前に控え、今年度の募集における変更点と補助内容のおさらいとして、昨年度までの制度についておおまかにご紹介していきます。
この記事の目次
1.IT導入補助金とは?
IT導入補助金とは、正式には「サービス等生産性向上IT導入支援事業」といいます。
この補助金は、IT導入支援事業者が登録するITツール(ソフトウェア、サービス等)を同事業者の提案を受けて、導入しようとする事業者(補助事業者)に対して、事業費等の経費の一部を補助することにより、経営力向上を目的とした補助事業です。
この補助金でのIT導入支援事業者とは、補助事業者に対してITツールの説明・導入・運用方法の相談などのサポートを実施する事業者のことを言い、補助金の交付申請や実績報告などの手続きを補助事業者に代わって行う「代理申請」がIT導入補助金の特徴の一つでもあります。
参考:平成28年度補正 ITツール(ソフトウェア、サービス等)登録要項
2.2018年度の募集における変更点とは?
今回は、前回の予算から5倍増の500億円計上、対象企業も10倍増の13万5千社の利用を想定し、補助金合計額・対象企業数ともに大幅に拡大される予定です。とても好評な補助事業でもあったため、より多くの企業が利用できるようになるのはとても嬉しいことですよね!
ただ少し残念なところは、対象企業の拡大にあたり1社あたりの補助額・補助率が下がってしまうという点です。
昨年度との比較は、次の通りです。
(1)補助上限額
2017年度:100万円
2018年度:50万円
(2)補助率
2017年度:投資額の3分の2
2018年度:投資額の2分の1
≪関連記事≫日経新聞 中小13万社のIT導入に補助金500億円 2017年12月13日付
ここで、IT導入補助金の制度について少しおさらいしておきましょう。
3.IT導入補助金を申請するための要件とは?
IT導入補助金と聞いて、
“正直、ITにも詳しくないし、申請も難しそう・・・”
こんな風に思っていませんか?
ITツール(ソフトウェア、サービス等)に詳しくない方も、ご安心ください!!
IT導入補助金は、当該事業に登録された「IT導入支援事業者」が申請者の窓口(代理申請)となるため、ITツールの説明・導入・運用方法から、IT製品の導入や実績報告などの手続きまで、相談やサポートを受けながら行うことができます。
ただし、注意して頂きたいのは、補助金が交付されるからといって無駄なシステムの導入や、支援事業者に言われるままに申請書作成を行わないことです。補助事業の名称にもなっていますが、“生産性向上”を目標としたシステム化の計画をしっかり立てた上で、自社の強み・弱みを認識・分析を行い、導入効果のあるITツールを見極めた上で手続きを行うことが大切です。
(1)補助を受けるための条件
IT導入補助金の補助対象となるのは、次の①~⑤です。
①中小企業者(個人事業主を含む)であること
②ITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入により生産性向上が実現可能な事業計画があること
③IT導入支援事業者が代理申請をおこなうこと
④ITツールの導入は、複数の機能をパッケージ化したサービスの導入をおこなうこと
⑤補助事業開始から2021年3月までの間、生産性向上に係る情報(売上、原価、従業員数および終業時間)を報告すること
(2)補助対象経費区分
補助対象となるITツールの分野としては、大きく次の3つの業務分野にわかれています。
(1)フロント業務
顧客と対面し、売上を作りだすもの。対象者は顧客です。
・既存顧客の維持、新規顧客の拡大(広報・マーケティング)
・お客さまの利便性向上(カード決済、コミュニケーション、販売方法)
・販売業務と確実な回収(決済)
(2)ミドル業務
原価・納期・在庫などを管理し、フロント業務を支えるもの。対象者:仕入れ業者、外注業者などです。
・顧客の動向を捉え、フロント業務サポートのプロセス(顧客管理)
・フロントの原資を生み出すプロセス(納期管理、工程改善、材料等発注など)
・適切なスケジュールと人員計画を管理するプロセス(納期管理、工程改善、人員配置)
(3)バックオフィス業務
会計や給与等を把握し、下支えとなるもの。対象者:税理士、社労士などです。
・外部への正確な報告(決済・税務)
・会計、債権などの動きを正確に把握=業務改善の基礎となる
補助対象となるITツールとは、フロント業務、ミドル業務、バックオフィス業務のうち、コア機能を2つ以上含むITツール(を広くサポートし、効率化や事業拡大を支えることを目的として、複数サービスを組み合わせ、事務局の承認を受ける必要があります。
※同一の業務区分のみで構成する場合は、生産性向上指数において該当する業務区分の作業比率の合計が50%を超える組み合わせにすることが必要です。
※ITツール(ソフトウェア、サービス等)を構成する単体製品やコア機能の数につ
(3)補助対象費用
補助の対象費目となるのは、ITツール(ソフトウェア・サービス等)です。
ただし、あらかじめIT導入支援事業者として事務局の承認を受けることと、事務局のHPに補助対象サービスとして公開されることが必要です。また、この補助事業では、ハードウェアは対象外です。
具体的には、以下の内容が含まれることが想定されています。
①パッケージソフトの本体価格
②クラウドサービスの導入・初期費用
③クラウドサービスにおける契約書記載の運用開始日(導入日)から 1 年分までのサー ビス利用料・ライセンス/アカウント料
④パッケージソフトのインストールに関する費用
⑤ミドルウエアのインストールに関する費用
⑥動作確認に関する費用
⑦IT ツール(ソフトウエア、サービス等)の導入に伴う教育、操作指導に関する費用、 事業計画策定に係わるコンサルテーション費用(ただし関連会社、取引会社への説 明会等費用は補助対象外)
⑧契約書記載の運用開始日(導入日)から 1 年分までの問い合わせ・サポート対応に関する費用、保守費用
⑨社外・社内・取引先向けホームページ制作サービス初期費用
⑩契約書記載の運用開始日(導入日)から1年間の WEB サーバー利用料(ただし、既存 ホームページの日常的な更新・改修費用は、補助対象外)
※ITツール(ソフトウェア、サービス等)登録要領より抜粋
4.手続きの流れ
5.まとめ
今年度のIT導入補助金の公募はまだされていませんが、2018年春ごろには開始されると予測されています。IT導入補助金は募集期間が1ヵ月程度と“非常に短い”のが注意点のひとつです。
昨年度の募集では、気付いた時には募集が締め切られていた!と残念な思いをした企業の方も少なくなかったのではないでしょうか。
ITツールの導入を検討されている企業の方は、昨年度の募集要項を今いちど確認して頂き、公募にそなえて準備して頂ければと思います。
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関連記事:IT導入補助金について調べてみた。