日常生活と深くかかわる食料品や光熱費などの品目で値上げが続いています。
現在、政府は物価高を克服するための総合経済対策・補正予算等を進めているところです。例えば経済産業省では「電気と都市ガスの激変緩和事業」として、1月使用分から値引きを開始しています。この値引きは利用明細等で確認できるようになっています。
そんな中、「物価・賃金・生活総合対策本部」が、物価高克服に向けた追加策を決定しました。これを早急に実行することで、物価高から国民生活と事業活動を守り抜くとしています。そこで今回は、物価高克服に向けた追加策のポイントを確認します。
▼▼▼日々配信中!無料メルマガ登録はこちら▼▼▼
メルマガ会員登録する
この記事の目次
物価高克服に向けた追加策【エネルギー】
エネルギーに関する追加策のポイントは以下2つです。
1.国民・事業者の負担軽減
2.中小企業へ、物価高騰や賃上げへの対応支援
1の電力の規制料金の改定申請について、現時点で⼊⼿可能な直近の燃料価格などを踏まえて再算定することを各事業者に求めます。各事業者における補正を踏まえて、必要な時間をかけて、厳格かつ丁寧に審査を行います。
再エネ賦課金については、市場価格の状況を反映した改定を行い、4月の電気代(5月請求分)から負担が軽減される見込みです。
2について、中小企業による対応支援として、価格転嫁対策の強化、パートナーシップ構築宣言の拡大、資金繰り支援の継続、各種補助金等を活用した賃上げ支援等を推進します。
物価高克服に向けた追加策【食料品】
食料品に関する追加策のポイントは以下2つです。
1.農業者の負担軽減を図る飼料価格高騰対策
2.輸入小麦の政府売渡価格の激変緩和
1.【配合飼料等の価格高騰対策】
・1-3月期について、10-12月期の緊急対策を拡大します。
・4-6月期以降について、飼料コスト急増を適切に抑制するための新たな特例を基金制度内に創設します。
【酪農対策】
特に収益性が悪化している酪農経営について、購入粗飼料等のコスト上昇に対する補塡等を行います。
2の輸入小麦の政府売渡価格の激変緩和について、本年4-9月期の輸入小麦の政府売渡価格を、ウクライナ情勢直後の急騰の影響を受けた期間を除く直近6か月間の買付価格を反映した水準まで上昇幅を抑制します。※13.1% から 5.8%と半分以下に抑制
物価高克服に向けた追加策【地域・低所得者への支援】
地域・低所得者への支援に関する追加策のポイントは以下2つです。
1.電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金の増額
2.低所得の子育て世帯への給付金
1「電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金」を積み増して、地域の実情に応じたきめ細やかな支援を強化します。具体的には以下のような取り組みが示されています。
〇特別高圧契約向けの支援
〇LPガス利用者への支援
〇医療・介護・保育施設、学校施設、街路灯等の電気代等の負担増への支援
〇学校給食費負担軽減の取組への支援等
また、負担感が大きい低所得世帯の支援強化のため、新たに「低所得世帯支援枠」を創設します。住民税非課税世帯1世帯当たりの予算の目安は3万円ですが、支援の具体的内容は地域の事情に応じて決められます。
2について、低所得の子育て世帯に対し児童1人当たり5万円を支給します。児童扶養手当を受給するひとり親世帯、住民税非課税の子育て世帯には申請不要のプッシュ型で支給し、直近で収入が減少した世帯等についても、申請に基づき可能な限り速やかに支給します。スケジュールは、低所得のひとり親世帯の場合は、令和5年3⽉分の児童扶養⼿当受給者について、可能な限り速やかに⽀給するということです。
<関連記事>
まとめ
今回は、物価・賃金・生活総合対策本部が決定した、物価高克服に向けた追加策についてご紹介しました。
例えば、電気料金に関しては、規制料金の改定申請について厳格な審査を行うこと、再エネ賦課金の負担軽減等を行います。食料品に関しては、農業者の負担軽減を図るための、飼料価格高騰対策等を実施します。そして、地域に応じた取り組みや低所得者への支援として、「電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金の増額」や「低所得世帯支援枠の創設」、「低所得の子育て世帯への給付金」等を行うとしています。
政府は、総合経済対策・補正予算等に加えてこういった支援策を実行することで、国民生活や経済活動への影響を緩和し、物価高克服を進めていく考えです。