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ものづくり補助金(グリーン枠)のアドバンス、スタンダード、エントリーの各要件は?

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ものづくり補助金とは、中小企業・小規模事業者等が相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等)等に対応するため、革新的サービスや試作品開発、生産プロセスの改善などを行い、生産性を向上させるための設備投資等を支援する制度のことです。

その中でも「グリーン枠」では、特にCO2削減に向けた取り組みを進める中小事業者を支援してくれます。

今回の記事では、ものづくり補助金のグリーン枠に関する補助上限額や要件、必要な書類などを解説します。

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2023年ものづくり補助金
▶️ものづくり補助金(通常枠)とは?
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▶️ものづくり補助金(グリーン枠)とは?
▶️ものづくり補助金(回復型賃上げ・雇用拡大枠)とは?
▶️必要書類まとめ【徹底解説】

この記事の目次

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ものづくり補助金(グリーン枠)とは

ものづくり補助金のグリーン枠とは、温室効果ガスの排出削減に向けて「温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品やサービス開発」、あるいは「炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上」に必要な設備・システム投資を行う際の資金を支援する制度です。

他の枠と比較して多くの類型が用意されているため、自社の状況にマッチするものがないかをチェックしておきましょう。

ものづくり補助金(グリーン枠)の類型別 補助上限額・補助率

グリーン枠には、エントリー、スタンダード、アドバンスの3つの類型があります。各類型の補助金額は以下のとおりです。

補助金額 補助金額
エントリー類型 従業員数5人以下:100万~750万円
6~20人:100万~1,000万円
21人以上:100万~1,250万円
スタンダード類型 従業員数5人以下:750万~1,000万円
6~20人:1,000万~1,500万円
21人以上:1,250万〜2,000万円
アドバンス類型 従業員数5人以下:1,000万~2,000万円
6~20人:1,500万~3,000万円
21人以上:2,000万~4,000万円

【補助率】
2/3

補助対象経費および対象外経費

補助対象経費および対象外経費は、基本的に通常枠と同じです。

【補助対象経費】

  • 機械装置・システム構築費
  • 技術導入費
  • 専門家経費
  • 運搬費
  • クラウドサービス利用費
  • 原材料費
  • 外注費
  • 知的財産権等関連経費

補助対象経費の詳細は以下の記事でご確認ください。

ものづくり補助金(通常枠)とは?補助金額や対象経費、具体的な要件などについて解説!

▼ただし、グリーン枠ならではの注意点を持つ経費もあるため、その点のみ以下に記載します。

経費区分 備考
機械装置・システム構築費=単価50万円(税抜き)以上の設備投資を行うことが必須 ①もっぱら補助事業のために使用される機械・装置、工具・器具(測定工具・検査工具、電子計算機、デジタル複合機等)の購入、製作、借用に要する経費
②もっぱら補助事業のために使用される専用ソフトウェア・情報システムの購入・構築、借用に要する経費
③ ①あるいは②と一体で行う、改良・修繕又は据付けに要する経費

グリーン枠のうち、既存の機械装置(自社で購入、リースを問わない)を補助事業で購入する機械装置に入れ替える場合に限り、その撤去・廃棄費用を補助対象経費として認める。既存の機械装置を売却した場合は、当該売却額より撤去費用が大きいときに限り、その差額分を対象経費とする。ただし、補助事業で購入する機械装置を超える額の費用は認められない

ものづくり補助金(グリーン枠)の要件

申請要件について、まず全類型共通の要件について確認します。

全類型共通の要件
以下の要件をすべて満たす3~5年の事業計画を策定することが必要です。
・事業計画期間において、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加。被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業が、制度改革に先立ち任意適用に取り組む場合は、年率平均1%以上増加
・事業計画期間において、事業場内最低賃金(補助事業を実施する事業場内で最も低い賃金)を毎年、地域別最低賃金+30円以上の水準とする
・事業計画期間において、事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加
上記に加えて、以下に同意し事業計画を策定・実行することが必要です。
・申請時点で、申請要件を満たす賃金引上げ計画を策定していることが必要。交付後に策定していないことが発覚した場合は、補助金額の返還を求める
・財産処分や収益納付等も含め、補助金等の返還額の合計は補助金交付額を上限とする
・再生事業者である場合には、各目標が達成できていない場合であっても返還は免除される

これらに加えて、以下、グリーン枠独自の要件も満たす必要があります。

グリーン枠独自の要件
(1)以下の①あるいは②に該当する事業である
①温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービスの開発(例:省エネや環境性能に優れた製品・サービスの開発、非石油由来の部素材を用いた製品・サービスの開発、廃棄物削減に資する製品・サービスの開発 等)
②炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供の方法の改善(例:生産工程の労働生産性向上を伴いつつ脱炭素化に資する設備投資、水素・アンモニアを活用する設備導入による燃焼工程と生産プロセスの最適化、複数ラインの作業工程を集約・高効率化 等)
(2)3~5年の事業計画期間内に、事業場単位または会社全体での炭素生産性を年率平均1%以上増加する事業である
(3)エントリー類型について、以下のいずれかを満たしている
①エネルギーの種類別に使用量を毎月整理している。また、補助対象事業者あるいは事業所のCO2の年間排出量を把握している
②事業所の電気、燃料の使用量を用途別に把握している
(4)スタンダード類型について、上記(3)をすべて満たし、以下のいずれかを満たしている
①本事業で開発に取り組む製品・サービスが、自社のみならず、業界・産業全体での温室効果ガス削減に貢献するものである
②電気事業者との契約で、一部でも再生可能エネルギーに係る電気メニューを選択している
③自社で太陽光やバイオマスなど再生可能エネルギーでの発電を導入している
④グリーン電力証書を購入している
⑤省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの利用によるCO2等の排出削減量や、適切な森林管理によるCO2等の吸収量を「クレジット」として国が認証する制度(J-クレジット制度)があるが、この制度に参加し自社での温室効果ガス排出量の削減取組についてクレジット認証を受けている
(5)アドバンス類型について「上記(3)をすべて満たし」「上記(4)①〜⑤のうち2つ以上を満たし」、そのうえで以下いずれかを満たしている
①通常版あるいは中小企業版SBT(Science Based Targets)の認証、または通常版、もしくは中小企業版RE100に参加している
②エネルギーの使用の合理化等に関する法律(通称:省エネ法)における事業者クラス分け評価制度において、令和4年度定期報告書分評価が『Sクラス』評価であること(原則、公募締切時点で資源エネルギー庁ホームページにて、『Sクラス』として公表されていることが確認できる)
③2020年度以降に、以下のいずれかの事業における省エネルギー診断を受診している。あるいは、地方公共団体で実施する省エネルギー診断を受診している
・一般財団法人省エネルギーセンター実施の「無料省エネ診断等事業及び診断結果等情報提供事業」あるいは「エネルギー利用最適化診断事業及び情報提供事業」
・一般社団法人環境共創イニシアチブ実施の「省エネルギー相談地域プラットフォーム構築事業」「地域プラットフォーム構築事業」あるいは「中小企業等に向けた省エネルギー診断拡充事業」

アドバンス類型は、補助金額が大きいため、エントリーやスタンダードと比べて求められる要件も多くなっています。

ものづくり補助金(グリーン枠)の補助対象者

日本国内に本社および補助事業の実施場所を有する以下ア~オのいずれかの要件を満たすことが必要です。

ア:中小企業者(組合関連以外)
資本金あるいは常勤の従業員数が下表の数字以下となる会社、または個人である(「中小企業等経営強化法」第2条第1項に規定するものを指す)

出典:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金公募要領(15次締切分)

イ:中小企業者(組合・法人関連)
(1)「中小企業等経営強化法」第2条第1項に規定するもののうち、以下にある組合等に該当する
・企業組合
・協業組合
・事業協同組合、事業協同小組合、協同組合連合会
・商工組合、商工組合連合会
・商店街振興組合、商店街振興組合連合会
・水産加工業協同組合、水産加工業協同組合連合会
・生活衛生同業組合、生活衛生同業小組合、生活衛生同業組合連合会
・酒造組合、酒造組合連合会、酒造組合中央会、酒販組合、酒販組合連合会、酒販組合中央会
・内航海運組合、内航海運組合連合会
・技術研究組合
(2)該当しない組合や財団法人(公益・一般)、社団法人(公益・一般)、医療法人および法人格のない任意団体は補助対象外

ウ:特定事業者の一部
(1)常勤の従業員数が下表の数字以下となる会社あるいは個人(「産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律」第4条による改正後の「中小企業等経営強化法」第2条第5項に規定する者を指す)のうち、資本金額あるいは出資総額が10億円未満である

出典:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金公募要領(15次締切分)
(2)生活衛生同業組合、生活衛生同業小組合、生活衛生同業組合連合会
その直接あるいは間接の構成員の2/3以上が常時300人(卸売業を主たる事業とする事業者については400人)以下の従業員を使用する者であって、10億円未満の金額をその資本金額、もしくは出資総額とするものである
(3)酒造組合、酒造組合連合会、酒造組合中央会、酒販組合、酒販組合連合会、酒販組合中央会
その直接あるいは間接の構成員たる酒類製造業者の2/3以上が常時500人以下の従業員を使用する者であるものであって、10億円未満の金額をその資本金額もしくは出資総額とするものである。または、その直接又は間接の構成員たる酒類販売業者の23/以上が常時300人(酒類卸売業者については400人)以下の従業員を使用する者であって、10億円未満の金額をその資本金額もしくは出資総額とするものである
(4)内航海運組合、内航海運組合連合会
その直接あるいは間接の構成員たる内航海運事業を営む者の2/3以上が常時500人以下の従業員を使用する者であって、10億円未満の金額をその資本金額もしくは出資総額とするものである
(5)技術研究組合
直接あるいは間接の構成員の2/3以上が以下の事業者のいずれかである
・上記(2)
・企業組合、協同組合

エ:特定非営利活動法人
・広く中小企業一般の振興・発展に直結し得る活動を行う特定非営利活動法人である
・従業員数が300人以下である
・法人税法上の収益事業(法人税法施行令第5条第1項に規定される34事業)を行う特定非営利活動法人である
・認定特定非営利活動法人ではない
・交付決定時までに補助金の事業に係る経営力向上計画の認定を受けている

オ:社会福祉法人
・「社会福祉法」第32条に規定する所管庁の認可を受け設立されている法人である
・従業員数が300人以下である

ものづくり補助金(グリーン枠)の申請スケジュール

【締め切り(15次締切分)】
申請受付:令和5年5月12日(金)17時~
応募締切:令和5年7月28日(金)17時

【申請方法】
電子申請システムのみで受け付けます。入力については、電子申請システム操作マニュアルに従って作業してください。入力情報については、必ず申請者自身が内容を理解・確認しましょう。

また、申請の際にはGビズIDプライムアカウントの取得が必要です。未取得の場合は早めに登録を行いましょう。同アカウントは、事業者情報の再入力の手間を省くため、採択後の手続きにおいても活用できます。

ものづくり補助金(グリーン枠)の必要書類

【全類型共通の書類】
(1)事業計画書(計10ページ以内で作成する)
(2)補助経費に関する誓約書【様式1】
(3)賃金引上げ計画の誓約書【様式2】
(4)決算書等(直近2年間の貸借対照表、損益計算書(特定非営利活動法人は活動計算書)、製造原価報告書、販売管理費明細、個別注記表)
(5)従業員数の確認資料
法人の場合:法人事業概況説明書の写し
個人事業主の場合:所得税青色申告決算書または所得税白色申告収支内訳書の写し
(6)労働者名簿(応募申請時の従業員数が21名以上で、上記(5)従業員数の確認資料における期末の従業員数が20名以下の場合のみ)

【グリーン枠で必要な書類】
・炭素生産性向上計画および温室効果ガス排出削減の取り組み状況【様式3】

応募申請時の注意点

・申請の準備にあたっては【参考様式】を参照し、入力が必要な項目を確認する
・添付書類については決められたファイル名を付ける
・事業計画書の具体的内容については審査項目を確認して作成する
・認定経営革新等支援機関や専門家等の外部支援を受けている場合には、支援者の名称、報酬、契
約期間を必ず記載する。支援を受けているにも関わらず情報が記載されていない場合は、申請にかかる虚偽として、不採択、採択決定の取消、あるいは交付決定が取り消される
・添付書類については以下の3点を記載する
(1)補助事業の具体的取組内容
(2)将来の展望(事業化に向けて想定している市場および期待される効果)
(3)会社全体の事業計画

具体的な書類の注意点については「公募要領29ページ以降」をご覧ください。

まとめ

ものづくり補助金のグリーン枠では、CO2削減のために前向きな施策を行う事業者を支援してくれます。幅広い類型が用意されており、自社の状況にマッチする要件がある可能性も高いため、環境に配慮した活動を進めたい中小事業者は積極的に活用しましょう。

参考:ものづくり補助金総合サイト

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