新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の必要書類まとめ【2026年版】

公開日:2023/5/18 更新日:2026/9/29
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ものづくり補助金は、2026年から新事業進出補助金と統合され、「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」として新たにスタートしました。制度が変わったことで、申請時に提出する書類も大きく入れ替わっています。

新制度では、添付書類が「原則として全申請者に共通する必須書類」と「該当する事業者のみが提出する書類」に整理されました。従来のように枠ごとに固有の様式を用意する形ではなくなっています。ただし、申請枠や設立時期によって提出書類や申請条件が異なる場合があり、事業計画書にも枠ごとの記載事項があります。

今回は、第1回公募の公募要領(2026年9月28日改訂の1.3版)と応募申請ガイドをもとに、申請に必要な書類と準備のポイントを整理します。

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この記事の目次

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第1回公募のスケジュールと制度の変更点

第1回公募は2026年6月29日に公募要領が公開され、応募申請の受付期間は2026年9月30日から10月30日18時までです。補助金交付候補者の採択発表は2027年1月頃の予定です。

新制度では、補助対象事業枠が次の3つに再編されました。補助率や補助上限額、対象経費、実施期間は枠ごとに異なります。

枠支援内容補助上限額
(従業員数による)
革新的新製品・サービス枠革新的な新製品・新サービスの開発750万〜2,500万円
新事業進出枠既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出2,500万〜7,000万円
グローバル枠海外市場開拓(輸出)に向けた国内の輸出体制強化2,500万〜7,000万円
※賃上げ特例の適用により、補助上限額が引き上げられる場合があります。

書類面での大きな変更点は次の3つです。

・「補助経費に関する誓約書」「賃金引上げ計画の誓約書」といった様式の提出はなくなり、事業計画は事務局指定の「応募申請画面インポート用フォーマット」で作成して電子申請システムへ取り込む方式になった
・決算書は直近3期分の提出が必須になった
・労働者名簿がすべての申請者の必須書類になった


申請前に準備しておく3つのこと


書類をそろえる前に、時間のかかる手続きや、事業計画に盛り込む内容を先に固めておく必要があります。

GビズIDプライムアカウントの取得


申請は電子申請システムのみで受け付けており、GビズIDプライムアカウントが必須です。発行には1週間程度かかります。取得手続きの遅れによる申請期限の延長は一切認められません。GビズIDプライムは法人代表者または個人事業主本人しか作成できない点にも注意してください。

一般事業主行動計画の策定・公表


新制度では、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、厚生労働省の情報サイト「両立支援のひろば」に公表していることが申請要件(ワークライフバランス要件)になりました。次世代法上の策定義務がない規模の事業者であっても、本補助金に申請する場合は公表が必要です。

公表手続きには1〜2週間程度かかり、審査過程で不備が見つかることもあるため、事務局は2週間以上の余裕をもって公表申請を行うよう案内しています。申請締切日時点で有効な計画が公表されている必要があります。

子育て等に関する職場環境整備の取り組みを決める


一般事業主行動計画の公表に加えて、「子育て等に関する職場環境整備」に向けた取り組みを行うことも基本要件になっています。次の3つから1つを選び、応募申請時に具体的な取り組み内容を事業計画に記載します。

・若手従業員が活用できるライフデザインサービス(ライフプラン表の作成や家計・資産形成の相談など)の活用
・従業員の育児等を支援するための家事代行サービスまたはベビーシッターサービスの活用
・産休・育休、短時間勤務、フレックスタイムなど、子育てに関する既存制度の従業員への周知・普及・啓発


一般事業主行動計画の内容にとどまらない追加的な取り組みであることの説明が求められ、実績報告時には取り組みを行ったことを示す証憑の提出が必要です。なお、くるみん、プラチナくるみん、トライくるみんのいずれかの認定を受けている事業者は、この要件が免除されます。

全申請者に必須の書類

原則として、すべての申請者が提出する書類は次の3つです。
書類法人の場合個人事業主の場合
①決算書
(直近3期分)
貸借対照表、損益計算書、製造原価報告書、販売管理費明細等青色申告:青色申告決算書(4ページすべて)
白色申告:収支内訳書
②従業員数を示す書類労働基準法に基づく労働者名簿の写し(申請時点のもの)同左
③収益事業を行っていることを説明する書類直近の確定申告書別表一および法人事業概況説明書の控え直近の確定申告書第一表および所得税青色申告決算書の控え
(白色申告の場合は収支内訳書の控え)

決算書のポイント


・1期分の決算書類を1ファイル(zip)にまとめて添付します。前期・2期前・3期前でそれぞれ添付欄が分かれています
・3期分を提出できない場合は、今期までの決算書をすべて添付します
・製造原価報告書・販売管理費明細は、従来から作成している場合のみ添付します
・青色申告で簡易簿記の場合は、損益計算書(1ページ目)と貸借対照表(4ページ目)を提出します


なお、新規設立・創業後1年未満で決算期を一度も迎えていない事業者は、革新的新製品・サービス枠およびグローバル枠で申請する場合に限り、決算書の代わりに次の書類を添付します。

・法人の場合:履歴事項全部証明書
・個人事業主の場合:開業届


新事業進出枠は創業1年未満の事業者を補助対象外としており、最低1期分の決算書の提出が必要です。

労働者名簿のポイント


旧制度では一定の条件に該当する場合のみ提出していた労働者名簿が、新制度では全申請者の必須書類になりました。事務局サイトに参考様式(Excel)が掲載されています。労働基準法に基づく記載事項がそろっていれば、自社の様式でも構いません。

収益事業を示す書類のポイント


確定申告書別表一の控え(個人事業主は第一表の控え)には、電子申告の日時・受付番号が記載されている必要があります。e-Taxで申告した場合は、メッセージボックスに格納される「受信通知」や「電子申請等証明書」など、申告日時と受付番号がわかる書類を併せて添付します。

紙で申告した場合は、収受日付印の押印があるものを提出するか、それがなければ納税証明書(その2 所得金額用・事業所得金額の記載のあるもの)を添付します。

事業計画書の作成方法


新制度の事業計画は、従来のように任意に作成したWordやPDFを添付する方式ではありません。事務局が指定する「応募申請画面インポート用フォーマット(事業計画)」に入力し、電子申請システムの応募申請画面にアップロードして取り込む方式です。

事務局サイトには、事前に申請項目を確認して内容を検討するための「補助事業計画検討用フォーマット」(事業計画/財務情報・収益計画/資金調達表・補助対象予定経費/スケジュール)が公開されています。ただしこの検討用フォーマットは応募申請画面にアップロードできないため、申請時はインポート用フォーマットに転記する必要があります。

全枠共通の記載ポイント


公募要領では、事業計画書に次の内容を具体的な根拠とともに記載するよう求めています。

・経営理念・経営戦略を踏まえた中長期ビジョンと、その中での本事業の位置づけ
・継続的に売上・利益を確保できる市場規模と成長性
・外部環境・内部環境の分析に基づく、競合他社と比べた明確な優位性
・実施体制、スケジュール、財務状況などの実現可能性
・付加価値額目標値、一人当たり給与支給総額目標値の算出根拠
・子育て等に関する職場環境整備の具体的な取り組み内容


なお、審査項目には補助事業の完了を待たずに実施する「足下の賃上げ」も含まれています。応募申請時の直近事業年度から基準年度までの一人当たり給与支給総額の伸びが物価上昇率を上回らない場合、審査上大幅に不利になると明記されています。

枠ごとに書き分けるポイント


必須となる添付書類の区分は原則として3枠で共通ですが、事業計画書には枠に応じた記載が求められます。
枠記載が求められる内容
革新的新製品・サービス枠開発する新製品・新サービスの革新性を具体的かつ詳細に記載する
新事業進出枠過去に製造等した実績がない製品等に取り組むこと、既存事業と新規事業の顧客層が異なることを示す
グローバル枠海外販路開拓の戦略が自社の事業戦略に基づくものであること、顧客層が国・地域単位で既存事業と異なることを示す

新事業進出枠では、審査項目として「新市場性」または「高付加価値性」のいずれかを満たすかが評価されます。事務局が公開している補足資料「新市場・高付加価値事業の考え方」では、製品等のジャンルを区分する際に「性能」「サイズ」「素材」「価格帯」「地域性」「顧客層」などの要素を排除する必要があるといった、具体的な考え方が示されています。新事業進出枠で申請する場合は、事業計画書の作成前に確認しておきたい資料です。

該当する事業者のみ提出する書類


以下の書類は、資金調達の方法や加点の希望に応じて提出します。様式が定められているものは、事務局サイトの資料ダウンロードページからダウンロードしてください。

金融機関から資金提供を受ける場合

④金融機関による確認書は、事業計画について資金提供元の金融機関の確認を受けていることを示す書類です。所定様式(Word)を使用します。自己資金のみで補助事業を実施する場合は不要です。複数の金融機関から借り入れる場合は、任意の1者からの確認書で要件を満たします。

リース会社と共同申請する場合

⑤リース料軽減計算書は、公益社団法人リース事業協会の確認を受けたものが必要です。あわせて、⑥リース取引に係る宣誓書を共同申請するリース会社が作成します。いずれも所定様式があります。

再生事業者加点を希望する場合

⑦再生事業者であることを証明する書類として、中小企業活性化協議会など再生計画の支援先が発行する確認書等を提出します。特定調停や私的整理ガイドラインに基づく場合の様式が事務局サイトに掲載されています。

地域別最低賃金引上げに係る特例の適用または加点を希望する場合

⑧地域別最低賃金引上げに係る要件確認書は、2024年10月から2025年9月の間で、地域別最低賃金以上かつ2025年度改定額未満の賃金で雇用している従業員が全従業員の30%以上である月が3か月以上あることを確認する書類です。所定様式(Excel)に該当する任意の3か月分を記入し、全従業員の賃金台帳の写しを添付します。賃金台帳には、要件確認書に記載した該当月がすべて含まれている必要があります。

事業場内最低賃金引上げに係る加点を希望する場合

⑨事業場内最低賃金引上げに係る要件確認書は、2025年7月と応募申請直近月を比較し、事業場内最低賃金を63円以上引き上げたことを確認する書類です。所定様式(Excel)に加えて、2025年7月と応募申請直近月それぞれの事業場内全従業員の賃金台帳の写しを添付します。

経営革新計画加点を希望する場合

⑩経営革新計画承認書の写しを提出します。承認書に計画期間が記載されていない場合は、計画期間が記載されている経営革新計画書の写しを添付してください。計画期間が確認できない場合は加点されません。

研究開発費・試験研究費計上に係る加点を希望する場合

⑪研究開発費・試験研究費計上を確認する書類として、次のいずれかを提出します。
・過去4年以内に税務申告に使用した「別表六(十)」の写し(欄外に確認税理士の署名が必要)
・試験研究費計上の確認のためのフォーマット(事務局ホームページで後日公開予定)
・過去4年以内の研究開発費が計上された会計上の「販売費及び一般管理費明細書」の写し


提出時の注意点:ファイル名とファイル形式


添付書類には、それぞれ指定のファイル名が定められています。公募要領の「ファイル名確認シート」に従い、「決算書等(申請者名)」「労働者名簿の写し(申請者名)」のように、書類名と申請者名を組み合わせたファイル名にします。

ファイル形式も書類ごとに指定されています。決算書、金融機関による確認書、賃金台帳、経営革新計画関連書類はzip形式、労働者名簿や確定申告書関連はPDF形式、最低賃金引上げに係る要件確認書はExcel形式(xlsx)です。応募申請ガイドに一覧が掲載されているので、添付前に確認しましょう。

なお、申請内容や提出書類に不備・不足がある場合は審査対象とならず、不採択になります。採択結果についての理由開示や異議申立は受け付けられないため、提出前のチェックが重要です。

公式ページを確認する


よくある質問

申請枠によって必要書類は変わる?

必須の添付書類は原則として3枠共通です。ただし創業1年未満の事業者の代替書類など、枠によって扱いが異なる場合があります。

誓約書の提出は必要?

旧ものづくり補助金にあった補助経費や賃金引上げの誓約書は、新制度では提出書類に含まれていません。

決算書は何期分必要?

直近3期分が必要です。3期分をそろえられない場合は、今期までの決算書をすべて添付します。

申請前に時間がかかる準備は?

GビズIDプライムの発行に1週間程度、一般事業主行動計画の公表に1〜2週間程度かかります。どちらも早めに着手してください。



まとめ


新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の申請書類は、旧ものづくり補助金から大きく変わりました。必須書類は原則として「決算書3期分」「労働者名簿」「収益事業を示す書類」の3つに整理され、事業計画は事務局指定のフォーマットで作成して電子申請システムに取り込む方式になっています。

一方で、GビズIDプライムの取得や一般事業主行動計画の公表、子育て等に関する職場環境整備の取り組みの検討など、書類以外の事前準備に時間がかかる点は見落としがちです。加点を狙う場合は、賃金台帳の準備や認定・承認の取得も必要になります。

電子申請の入力には数時間程度かかるとされており、締切間際は申請が集中して手続きが滞る可能性もあります。公募要領と応募申請ガイドを確認しながら、余裕をもって準備を進めましょう。

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