【2019/3/27:追記】キャリアアップ助成金の最新情報はこちら!
秋と言えば、食欲の秋・・ではなく、健康診断の季節ですね!
身体は働く上での資本になるため、大切にしたいですが、健康診断はきちんと受診してますか?
定期的な検査を怠っていると、体調不良により仕事に集中できず、ミスや思わぬ事故に繋がったり、倒れて仕事が出来なくなる可能性があるなど、労働生産性にも影響が出てきてしまう恐れがあります。そのため日ごろから、自分だけでなく会社のためにも、健康管理に努めることが大切です。
この記事の目次
1.定期健康診断の受診項目、言えますか?
定期健康診断(法定健康診断)は、法律で受診検査項目が定められているという事はご存知ですか?
以前は、身長・体重など身体的な診断が主でしたが、平成20年より「太字」部分の生活習慣病予防を重点とした診断項目が追加されています。
【法律で定めのある健康診断11項目】
①既往歴及び業務歴の調査、喫煙歴、服薬歴などの調査
②自覚証及び他自覚症状の有無の調査
③身長、体重、視力、聴力、腹囲の検査
④胸部エックス線検査
⑤血圧測定
⑥貧血検査
⑦肝機能検査
⑧血中脂質検査
⑨血糖値検査
⑩心電図検査
⑪尿検査
2.キャリアアップ助成金とは?
「キャリアアップ助成金」とは、非正規雇用など企業内のキャリアアップ促進を行うため、正社員化、人材育成、処遇改善などの取組を行う事業主を支援する制度です。
平成29年4月までは、キャリアアップ助成金のコース区分は以下3コースでした。
【以前のキャリアアップ助成金の3つのコース】
①正社員化コース
②人材育成コース
③処遇改善コース
平成29年4月からは、コース区分が以下8コースに変更されています。
①正社員化コース
②人材育成コース
③賃金規定等改善コース
④健康診断制度コース
⑤賃金規定等共通化コース
⑥諸手当制度共通化コース
⑦選択的適用拡大導入処遇改善コース
⑧短時間労働者労働時間延長コース
今回は、この中の「健康診断制度コース」について詳しく見ていきます。
3.キャリアアップ助成金「健康診断制度コース」とは?
キャリアアップ助成金の一つである「健康診断制度コース」は、有期雇用の従業員に対して、
法定外の健康診断を新設・導入した事業主が受給できる助成事業です。
従業員の健康管理の強化を通じて、キャリアアップに繋げることを目的しています。
※法定外の健康診断とは
・正社員よりも短い勤務時間で働いているアルバイト等に「雇入時の健康診断」、「定期健康診断」実施を行う。
・正社員ではないアルバイト等に、人間ドックや生活習慣病予防検診(ガン検診や歯周病等の健診等)実施を行う。
4.事業主要件
1. キャリアアップ助成金(全コース共通)事業主要件
(1)雇用保険適用事業主の事業主であること
(2)キャリアアップ管理者※1を置いていること
(3)キャリアアップ計画※2を作成し、管轄労働局長の受給資格の認定を受けていること
(4)キャリアアップ計画期間内にキャリアアップに取り組んだ事業主であること
※1キャリアアップ管理者とは
雇用保険適用事業所ごとに選任しなければならず、有期契約労働者等のキャリアアップに取り組む者として必要な知識および経験を有していると認められる者。
※2キャリアアップ計画とは
有期契約労働者等のキャリアアップに向けた取組を計画的に進めるため、今後のおおまかな取り組みイメージ(対象者、目標、期間、目標を達成するために事業主が行う取り組み)をあらかじめ記載したもの。
2.「健康診断制度コース」の事業主要件
「健康診断制度コース」の事業主要件は、キャリアアップ計画に基づいて、次の(1)~(7)すべてを満たした法定外の健康診断制度を規定・実施することが必要です。
(1)有期契約労働者等を対象とする、各種健康診断制度を労働協約又は就業規則に規定した事業主
(2)雇用する有期契約労働者等延べ4人以上に実施した事業主
(3)規定した健康診断制度等を継続して運用している事業主
(4)実施した健康診断等の費用の全額負担する事業主
(5)実施した健康診断等の費用を半額以上負担する事業主
(6)健康診断制度を実施するにあたり、実施要件がある場合には、労働協約または就業規則に規定している事業主
(7)生産性を満たした場合の支給額の適用を受ける場合は、当該生産性要件を満たした事業主であること
5.支給対象の従業員
「健康診断制度コース」の支給対象となる従業員は、次の(1)~(3)要件を満たす必要があります。
(1)有期契約労働者であること
(2)雇用時の健康診断・人間ドックの受診日に、申請事業主事業所において雇用保険被保険者であること
(3)助成金の支給申請日に離職していないこと
6.対象となる各種健康診断とは?
支給対象事業主は、キャリアアップ計画の実施期間の中で、健康診断の実施義務のない有期雇用の従業員に対し、下記3つの内いずれかを労働協約または就業規則に規定し、対象従業員4人以上に実施する必要があります。
1.雇入時健康診断
労働安全衛生規則第43条に規定された常時使用する労働者に対して行う健康診断
2.定期健康診断
労働安全衛生規則第44条に規定された、常時使用する労働者に対して行う健康診断
参考:厚生労働省 労働安全衛生に基づく健康診断の概要(6頁~)
3.人間ドック
次の(ア)に加えて、(イ)~(ク)いずれかの項目について行う健康診断
(ア)基本健康診断
(イ)胃がん検診
(ウ)子宮がん検診
(エ)肺がん検診
(オ)乳がん検診
(カ)大腸がん検診
(キ)歯周疾患検診
(ク)骨粗鬆症診断
7.受給額
「健康診断制度コース」の受給は、1つの事業所において1回のみです。
8.手続きの流れ
Step1:キャリアアップ計画の作成・提出〈健康診断制度を規定する日までに提出〉
・雇用保険適用事業所ごとに「キャリアアップ管理者」を配置し、「キャリアアップ計画」を作成
・管轄労働局長へ計画書を提出し、許可を受ける
↓
Step2:就業規則または労働協約に健康診断制度を規定
・キャリアアップ計画期間中に、健康診断制度を規定
【注意】
①労働基準監督署に改定後の就業規則の届出が必要
②10人未満の事業所は労働基準監督署への届出の代わりに、事業主と労働組合等の労働者代表者の署名及び捺印による申立書でも可
↓
Step3:健康診断等の実施
・法的に健康診断実施が義務づけられていない有期雇用従業員4人以上に健康診断制度を実施
↓
Step4:助成金支給申請
・4人目の有期雇用従業員が健康診断を実施した月の給与支給日翌日から2カ月以内に申請を行う
↓
Step5:支給決定
9.まとめ
いかがでしたか?
社会人になると、飲み会や残業など、生活リズムが不規則になり、必然的に体を動かす機会そのものが少なくなりますよね。生活の乱れからくる体重増加や、その先の生活習慣病を防ぐためにも、整備されていない有期契約労働者に対して健康管理のための仕組み作りを行うことで、健康リスク対策や業務効率の向上も期待できます。仕事で成果を出すためには、体調を万全にすることが大切です。ぜひ一度導入を検討されてみてはいかがでしょうか。