育児・介護休業法と雇用保険法は、2025年(令和7年)に大規模な改正が段階的に施行されました。4月には子の看護等休暇の拡充や育児のためのテレワーク努力義務化、10月には「柔軟な働き方を実現するための措置」の義務化など、企業の人事・労務担当者にとって対応必須の変更が相次いでいます。また、雇用保険法改正では「出生後休業支援給付金」と「育児時短就業給付金」が新設され、育休や時短勤務中の所得補償が大幅に強化されました。
厚生労働省の令和6年度雇用均等基本調査によると、男性の育児休業取得率は40.5%と初めて4割を超え、政府は2030年度に85%を目標に掲げています。改正の背景には「共働き・共育て」の推進があり、企業には就業規則の見直しから研修・相談体制の整備まで多岐にわたる対応が求められます。
本記事では、2025年4月・10月施行分の改正内容を実務担当者向けに整理し、2026年10月に始まる国民年金育児期間免除制度も含めて、企業が対応すべきポイントをわかりやすく解説します。
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この記事の目次
2025年改正の全体像|4月・10月の2段階施行
2025年の育児・介護休業法・雇用保険法改正は、4月と10月の2段階で施行されました。企業側で対応が必要な主要項目を時系列で整理すると次のとおりです。
| 施行日 | 法律 | 主な改正内容 |
|---|---|---|
| 2025年4月1日 | 育児・介護休業法 | 子の看護等休暇の見直し/所定外労働制限の対象拡大/育児のためのテレワーク努力義務化/短時間勤務制度の代替措置にテレワーク追加/育児休業取得状況の公表義務対象拡大/介護離職防止のための環境整備義務化ほか |
| 2025年4月1日 | 雇用保険法 | 出生後休業支援給付金の創設/育児時短就業給付金の創設/育児休業給付延長手続きの見直し/マイナポータル経由での離職票交付/自己都合離職者の給付制限期間短縮 |
| 2025年10月1日 | 育児・介護休業法 | 柔軟な働き方を実現するための措置等(5選択肢から2つ以上を義務化)/仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮の義務化 |
| 2026年10月1日(予定) | 国民年金法 | 自営業・フリーランス(国民年金第1号被保険者)の育児期間免除制度スタート |
すでに2025年10月改正まで施行済みですが、就業規則の未整備や労働者への周知不足を抱える企業も少なくありません。改めて自社の対応状況を点検しましょう。
育児・介護休業法の改正点【2025年4月施行】
2025年4月施行分は、子の看護休暇の拡充と介護支援体制の整備が柱となっています。多くの項目で就業規則の見直しが義務となっているため、対応漏れがないか確認しましょう。
子の看護等休暇(名称変更・大幅拡充)
子の看護休暇は、名称が「子の看護等休暇」に変更されるとともに、対象年齢・取得事由・除外規定が大幅に拡充されました。
| 変更点 | 改正前 | 改正後(2025年4月〜) |
|---|---|---|
| 名称 | 子の看護休暇 | 子の看護等休暇 |
| 対象年齢 | 小学校就学前まで | 小学3年生修了まで |
| 取得事由 | 病気・けが・予防接種・健康診断 | 左記に加え、感染症による学級閉鎖・入園式・卒園式・入学式も対象 |
| 取得日数 | 年5日(2人以上は年10日) | 同左(変更なし) |
| 取得単位 | 1日・半日単位 | 1日・半日・時間単位 |
| 労使協定による除外 | 継続雇用6か月未満を除外可 | 継続雇用6か月未満の除外規定を撤廃/週2日以下の勤務者のみ除外可 |

企業は就業規則の対象年齢・取得事由・取得単位を改正内容に更新し、従業員に周知する必要があります。特に時間単位取得の勤怠管理システムへの反映は忘れがちなので注意しましょう。
所定外労働(残業)の免除対象の拡大
所定外労働の制限(残業免除)の対象が、「3歳未満の子を育てる労働者」から「小学校就学前の子を育てる労働者」に拡大されました。就業規則の見直しが義務です。
短時間勤務制度の代替措置にテレワーク追加
3歳未満の子を養育する労働者の短時間勤務制度について、業務の性質上短時間勤務を講ずることが困難と認められる場合の代替措置に、「テレワーク」が新たに追加されました。代替措置を導入する場合は、労使協定を締結して除外規定を設けたうえで就業規則を整備してください。
育児のためのテレワーク導入(努力義務)
3歳未満の子を養育する労働者がテレワークを選択できるよう措置を講ずることが、事業主の努力義務となりました。義務ではありませんが、後述する2025年10月施行の「柔軟な働き方措置」(3歳以上小学校就学前が対象)と組み合わせて、年齢帯を通してテレワーク環境を整備するのが実務上のポイントです。
育児休業取得状況の公表義務の対象拡大
男性の育児休業等の取得率(または育児休業等と育児目的休暇の合算取得率)の公表義務が、「従業員1,000人超」から「300人超」に対象拡大されました。年1回、インターネット等での公表が求められます。
介護休暇・休業に関する見直し(要件緩和)
介護休暇・介護休業の取得要件が緩和され、継続雇用6か月未満の労働者も対象となりました。労使協定で除外規定を設けている場合は、就業規則の見直しが必要です。
介護離職防止のための環境整備(義務化)
介護休業や介護両立支援制度等の申出が円滑に行われるよう、事業主は以下のいずれかの措置を講じることが義務化されました。
②介護休業・介護両立支援制度等に関する相談体制の整備
③介護休業取得・介護両立支援制度等の利用の事例の収集・提供
④介護休業・介護両立支援制度等の利用促進に関する方針の周知
複数の措置を組み合わせることが望ましいとされています。
介護離職防止のための個別の周知・意向確認等
介護に直面した労働者への支援として、以下2つが義務化されました。
| タイミング | 企業がやるべきこと |
|---|---|
| 介護に直面した旨の申出をした労働者への対応 | 関連事項の周知と、介護休業の取得・介護両立支援制度等の利用の意向を個別に確認する |
| 介護に直面する前の早い段階(40歳等)での情報提供 | 介護休業制度・給付金等に関する情報を、労働者本人へ制度や給付金に関する情報として提供する |

介護のためのテレワーク導入(努力義務)
要介護状態の対象家族を介護する労働者がテレワークを選択できるよう措置を講ずることが、事業主の努力義務となりました。育児と同様、選択肢の一つとして体制を整えることが望まれます。
育児・介護休業法の改正点【2025年10月施行】
2025年10月施行分は、育休取得「後」の柔軟な働き方を支える措置が柱です。特に「柔軟な働き方措置」は5選択肢から2つ以上を導入する義務があり、就業規則の抜本的な見直しを迫られる企業が少なくありません。
柔軟な働き方を実現するための措置(義務化)
3歳以上小学校就学前の子を育てる労働者向けに、企業は以下5つの選択肢から2つ以上の措置を実施することが義務化されました。労働者はそのうち1つを選択して利用できます。
| 選択肢 | 概要 |
|---|---|
| ①始業時刻等の変更(時差出勤等) | フレックスタイム制や時差出勤など、始業・終業時刻の変更を可能にする措置 |
| ②テレワーク等 | 月10日以上のテレワークを可能にする措置(時間単位の取得可) |
| ③保育施設の設置運営等 | 事業所内保育施設の設置、ベビーシッター費用の補助等 |
| ④養育両立支援休暇 | 年10日以上の休暇を付与(原則時間単位で取得可能) |
| ⑤短時間勤務制度 | 1日6時間を原則とする短時間勤務制度の導入 |
3歳未満向けのテレワーク努力義務(2025年4月〜)と、3歳以上小学校就学前向けの柔軟な働き方措置義務化(2025年10月〜)は、年齢帯が連続するように設計されています。3歳未満は努力義務、3歳以上小学校就学前は義務という二段階構成を意識して制度設計しましょう。
仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮(義務化)
企業は、労働者が3歳になる前と妊娠・出産等の申出時に、次のような事項について個別の意向を聴取し、自社の状況に応じて配慮することが義務化されました。
・勤務地(就業場所)
・両立支援制度の利用期間(希望する期間・時期)
・仕事と育児の両立の観点からの業務量・労働条件
聴取した意向に対して、必ずしも希望どおりに応じる必要はありませんが、「配慮した」といえる対応の記録を残すことが重要です。面談記録や意向聴取シートのフォーマットを整備しておきましょう。
雇用保険法の改正点【2025年4月施行】
雇用保険法改正では、育児休業給付制度に「出生後休業支援給付金」と「育児時短就業給付金」の2つが新設されました。育児休業給付と合わせて「育児休業等給付」という括りに再編されています。

出典:厚生労働省|令和6年雇用保険制度改正(令和7年4月1日施行分)について
出生後休業支援給付金の創設(手取り10割相当を実現)
出生後休業支援給付金は、育児休業給付金(67%)に13%を上乗せして給付率を80%に引き上げる制度です。社会保険料の免除と非課税を合わせると、実質的に手取りは休業前の約10割相当になります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 支給要件 | 子の出生後の一定期間内に、両親がともに14日以上(土日祝日を含む暦日)の育児休業を取得すること/配偶者が専業主婦(夫)や育児に専念している場合、ひとり親の場合は本人のみの14日以上取得で可 |
| 支給額 | 休業開始時賃金日額の13%相当(育児休業給付金67%と合わせて80%) |
| 支給期間 | 最大28日間 |
| 上限額(令和8年7月31日まで) | 賃金日額の上限16,110円×28日×13%=58,640円 |
賃金日額の上限額は毎年8月1日に改定されます。令和8年8月1日以降は新たな上限額が適用される見込みで、月収46万円を超える高所得者は80%給付でも手取り10割相当に届かない場合があります。
育児時短就業給付金の創設
育児時短就業給付金は、2歳未満の子を養育するために時短勤務を選択する労働者に、時短勤務中の賃金の10%相当を給付する制度です。育休復職後の収入減を補う仕組みとして機能します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 支給対象者 | 2歳未満の子を養育するために時短勤務を行う雇用保険被保険者 |
| 支給額 | 時短勤務中に支払われた賃金額の10%相当 |
| 支給限度額(令和8年7月31日まで) | 471,393円(この額を超える賃金では不支給、下回っても賃金+給付金の合計が限度額を超えるときは差額調整) |
| 調整 | 時短後の賃金と給付額の合計が時短前の賃金を超えないよう調整 |
「産後パパ育休→通常の育休→時短勤務」という流れで活用すれば、子育て期全体の所得補償を厚くできます。
育児休業給付延長手続きの見直し
育児休業給付を1歳以降に延長する場合、保育所等の利用申し込みが「職場復帰のために行われたもの」と認められる必要が新たに追加されました。従来の入所保留通知書に加えて、以下の書類提出が必要です。
| 延長申請時の必要書類 |
|---|
| ①育児休業給付金支給対象期間延長事由認定申告書 ②市区町村に保育所等の利用申し込みを行ったときの申込書の写し ③市区町村が発行する保育所等の利用ができない旨の通知 |
参考:厚生労働省|2025年4月から保育所等に入れなかったことを理由とする育児休業給付金の支給対象期間延長手続きが変わります
「延長目的の形式的な申し込み」を排除する趣旨の改正であり、実質的に申請要件が厳格化された点に注意が必要です。
マイナポータル経由での離職票交付制度
2025年1月から、ハローワークから離職者本人のマイナポータルに離職票を直接送付するサービスが始まっています。従来のような紙の離職票の受け取り遅延を防げます。
| 利用条件 |
|---|
| ①届け出たマイナンバーが被保険者番号と紐付いていること ②離職者がマイナポータルと雇用保険WEBサービスの連携設定を行うこと ③事業主から電子申請で、雇用保険の離職手続きを行うこと |
参考:厚生労働省|2025年1月から、希望する離職者のマイナポータルに「離職票」を直接送付するサービスを開始します!
自己都合離職者の給付制限期間の見直し
失業給付の受給時に自己都合離職者に課される給付制限期間について、次のような見直しが行われました。
| ケース | 改正前 | 改正後(2025年4月〜) |
|---|---|---|
| 原則の給付制限期間 | 2か月 | 1か月に短縮 |
| 5年間で3回以上の自己都合離職 | 3か月 | 3か月(変更なし) |
| 離職期間中または離職前1年以内に自ら教育訓練を行った場合 | 特例なし | 給付制限を解除 |
リスキリングを促進しつつ、早期の再就職と学び直しを後押しする改正といえます。
2026年10月開始予定の関連改正|国民年金育児期間免除
2026年10月からは、自営業・フリーランス(国民年金第1号被保険者)を対象とした国民年金保険料の育児期間免除制度が新たに始まる予定です。会社員の育休中の社会保険料免除に相当する仕組みで、雇用形態を問わず子育て世帯を経済的に支える枠組みが完成します。
・免除期間:子が1歳になるまで(産前産後を含む最大約1年程度が想定)
・免除期間中も将来の年金額には影響しない
企業の人事担当者にとって直接の対応義務はありませんが、社員が副業で自営業を行っている場合や、退職後に自営業に転じる社員に対して、案内できるよう情報を把握しておきましょう。
企業の実務対応|就業規則見直しから研修まで
法改正を踏まえて企業がやるべき実務対応を、優先順位順に整理します。
①就業規則の見直し(最優先)
多くの改正項目で就業規則の見直しが義務化されています。以下のポイントを盛り込みましょう。
| 改正項目 | 就業規則の見直しポイント |
|---|---|
| 子の看護等休暇 | 対象年齢を小学3年生修了まで拡大/取得事由に感染症学級閉鎖・入園式等を追加/時間単位取得の規定/継続雇用6か月未満除外を撤廃 |
| 所定外労働の制限 | 対象を小学校就学前の子を育てる労働者に拡大 |
| 短時間勤務の代替措置 | テレワークを代替措置に追加(労使協定要) |
| 介護休暇の要件緩和 | 継続雇用6か月未満も対象に |
| 柔軟な働き方措置(2025年10月〜) | 5選択肢から2つ以上を選定し規程化 |
| 個別意向聴取・配慮 | 意向聴取のタイミング・方法・記録の規定 |
②労働者への周知・相談体制の整備
制度改正を活用してもらうためには、労働者への周知と相談体制の整備が欠かせません。特に介護に直面した労働者への個別周知は義務化されているため、対応フローを整備しましょう。研修資料の作成、社内報での周知、相談窓口の設置などを組み合わせるのが効果的です。
③助成金の活用
制度整備の負担を軽減するため、両立支援等助成金の各コースを積極的に活用しましょう。特に「育休中等業務代替支援コース」は、令和8年度から新規雇用(育児休業)で最大81万円(プラチナくるみん認定は99万円)に引き上げられました。
④人事担当者への研修
人事担当者が改正内容を正しく理解していないと、労働者からの相談に的確に応じられません。厚生労働省が公開している改正ポイント資料や、社会保険労務士による研修を活用し、担当者の理解を底上げしましょう。
2025年育児介護休業法・雇用保険法改正に関するよくある質問
2025年4月の育児介護休業法改正で、企業が最優先で対応すべきことは何ですか?
就業規則の見直しが最優先です。特に子の看護等休暇(対象年齢・取得事由・取得単位・除外規定)、所定外労働制限の対象拡大(小学校就学前まで)、介護休暇の要件緩和(継続雇用6か月未満も対象)は、就業規則の変更が義務です。あわせて、介護離職防止のための研修や相談体制の整備、育児のためのテレワーク導入(努力義務)にも対応が必要です。
子の看護等休暇はどう変わりましたか?対象年齢は何歳までですか?
2025年4月から、対象年齢が「小学校就学前」から「小学3年生修了まで」に拡大されました。取得事由にも感染症による学級閉鎖・入園式・卒園式・入学式が追加され、名称も「子の看護休暇」から「子の看護等休暇」に変更されています。取得日数(年5日、2人以上は年10日)は変わりませんが、時間単位での取得が可能になり、労使協定による継続雇用6か月未満の除外規定も撤廃されました。
2025年10月から義務化された「柔軟な働き方措置」の5つの選択肢とは?
2025年10月施行の改正により、3歳以上小学校就学前の子を育てる労働者向けに、企業は5つの選択肢から2つ以上の措置を実施することが義務化されました。5つの選択肢とは、①始業時刻等の変更(時差出勤・フレックスタイム制等)、②テレワーク等(月10日以上)、③保育施設の設置運営等(事業所内保育施設・ベビーシッター補助等)、④養育両立支援休暇(年10日以上)、⑤短時間勤務制度(1日6時間原則)です。労働者はこのうち1つを選択して利用できます。
3歳未満の子を育てる労働者向けテレワーク導入は義務ですか?努力義務ですか?
努力義務です。2025年4月施行の改正で、3歳未満の子を養育する労働者向けに事業主がテレワークを選択できるよう措置を講ずることが努力義務化されました。3歳以上小学校就学前の子を育てる労働者向けの「柔軟な働き方措置」(5選択肢から2つ以上)は義務ですが、こちらとは異なります。年齢帯が連続するように設計されているため、実務上は両年齢帯を通したテレワーク環境の整備が推奨されます。
出生後休業支援給付金で本当に手取り10割になるのですか?
要件を満たす場合、最大28日間について実質的な手取りが休業前の約10割相当となります。仕組みは、既存の育児休業給付金(67%)に13%が上乗せされて給付率が合計80%となり、そこに社会保険料の免除と給付金の非課税効果が加わって手取り10割相当を実現するものです。ただし、休業開始時賃金日額の上限(16,110円・令和8年7月31日まで)が適用されるため、月収46万円を超える高所得者は10割に届かない場合があります。
育児時短就業給付金の要件は?いくら支給されますか?
2歳未満の子を養育するために時短勤務を選択する雇用保険被保険者が対象で、時短勤務中に支払われた賃金額の10%相当が支給されます。支給対象月の賃金額が471,393円(令和7年8月1日改定値・令和8年7月31日まで)以上の場合は不支給で、下回っても賃金額と給付金の合計が支給限度額を超えるときは差額調整があります。時短後の賃金と給付金の合計が時短前の賃金を超えないように設計されています。
育児休業取得状況の公表義務は何人以上の企業が対象ですか?
2025年4月から常時雇用する労働者数が300人超の企業に拡大されました。従来は1,000人超の企業が対象でしたが、対象範囲が大幅に広がっています。対象企業は年1回、男性の育児休業等の取得率(または育児休業等と育児目的休暇との合算取得率)をインターネット等で公表することが義務です。自社サイトの採用ページや厚生労働省の「両立支援のひろば」等での公表が一般的です。
介護休暇の要件緩和で新たに対象になった労働者は誰ですか?
継続雇用6か月未満の労働者が新たに対象となりました。従来は労使協定で継続雇用6か月未満の労働者を介護休暇・介護休業の対象から除外できましたが、2025年4月の改正でこの除外規定が撤廃されました。労使協定でこれまで除外規定を設けていた企業は、就業規則の見直しが必要です。中途採用者や短期間で介護に直面した労働者の離職防止に直結する重要な改正です。
自己都合退職の失業給付の給付制限期間はどう変わりましたか?
2025年4月から、原則の給付制限期間が2か月から1か月に短縮されました。ただし、5年間で3回以上の自己都合離職があった場合の給付制限期間は3か月のままです。さらに、離職期間中や離職日前1年以内に、自ら雇用の安定および就職の促進に資する教育訓練を行った場合は給付制限が解除される仕組みも新設されました。リスキリングを通じたキャリアチェンジがしやすくなっています。
2026年10月からの国民年金育児期間免除制度とは何ですか?
自営業・フリーランス(国民年金第1号被保険者)を対象に、子育て期間中の国民年金保険料を免除する新制度で、2026年10月からスタート予定です。会社員の育休中の社会保険料免除に相当する仕組みで、免除期間中も将来の年金額には影響しません。従業員が副業で自営業を行っている場合や、退職後に自営業に転じる場合には案内が必要になる可能性があるため、企業の人事担当者も概要を把握しておくとよいでしょう。
まとめ
2025年の育児・介護休業法・雇用保険法改正は、企業に多岐にわたる実務対応を求める大規模なものでした。4月施行分では子の看護等休暇の拡充・介護支援体制の整備・出生後休業支援給付金と育児時短就業給付金の新設が、10月施行分では柔軟な働き方措置の義務化と個別意向聴取・配慮の義務化が実施されています。
すでに施行から時間が経過していますが、就業規則の未整備や労働者への周知不足を抱える企業は少なくありません。改めて自社の対応状況を点検し、両立支援等助成金などの活用も視野に入れながら、実務体制の底上げを図りましょう。2026年10月には国民年金第1号被保険者の育児期間免除もスタートし、雇用形態を問わず子育て世帯を支える枠組みが完成します。時代にあった職場環境への変革を目指して、着実に対応を進めていきましょう。
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