
令和7年3⽉1⽇、中堅・中小企業の賃上げを支援する「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」の第3次公募が始まりました。これは10億円以上の設備投資を行う中堅・中小企業対象に、最大50億円を補助するものです。申請には、継続的な賃上げが要件のひとつになっています。
今回は中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金の概要や、申請方法をお伝えします。
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この記事の目次
中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金とは
中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金は、中堅・中⼩企業を対象とした補助制度です。持続的な賃上げを⽬的としています。
省⼒化等による労働⽣産性の抜本的な向上と事業規模の拡⼤を図るために⾏う⼯場等の拠点新設や、⼤規模な設備投資が補助されるものです。
本制度では、経済産業省から補助を受けた事務局が審査や補助、補助事業終了後のフォローアップ等を⾏います。事業の全体は、以下の図も参照してください。
出典:中堅・中⼩成⻑投資補助⾦事務局 第3次公募について
中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金の対象事業は?
対象事業の主な要件は、以下のとおりです。
・投資額が10億円以上である ・賃上げ要件を満たしている |
補助事業の終了後3年間、対象事業に関わる従業員等1⼈あたり給与⽀給総額の年平均上昇率が、全国の過去3年間の最低賃⾦の年平均上昇率(4.5%)以上であることが必要です。
賃上げ⽬標を達成できなかった場合、未達成率に応じて補助⾦の返還が求められます。計算式や事例は、以下の図も参照してください。
出典:中堅・中⼩成⻑投資補助⾦事務局 第3次公募について
なお事業期間は、交付決定⽇から最⻑で令和9年12⽉末までとなります。
原則として、各年度の申請額を上回る計画への変更や各年度の経費の前倒しや後倒しはできません。
中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金は誰がもらえる?
本事業は、中堅・中⼩企業が対象です。特定の条件を満たした場合には、中堅・中小企業が共同で申請するコンソーシアム形式も含まれます。ただし、以下の場合には対象外となります。
事業者 ・経済産業省から補助⾦交付等停⽌および契約に係る指名停⽌措置が講じられている ・本事業の対象事業者となることを⽬的として、従業員数等を変更している ・国内⾦融機関に⼝座を有しておらず、⽇本円で精算を⾏えない |
事業 ・具体的な補助事業の実施の⼤半を他社に外注または委託し、企画だけを⾏うもの ・1次産業 ・従業員の解雇を通じて賃上げ要件を達成させるよもの ・1次公募または2次公募で採択済みのもの ・暴力団関係者または風俗営業など、趣旨にそぐわないもの |
なお、同⼀構内に⼯場、作業所とみられるものがあり、その製造活動に専従の常⽤従業者がいる場合には、2次・3次産業と認められる場合があります。
中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金はいくらもらえる?
補助率と上限額は、以下のとおりです。
■補助率 1/3
■上限額 50億円
中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金の対象経費は?
主な対象経費は、以下のとおりです。
建物費 ・事務所などの建物の建設・増築・改修・中古建物の取得に要する経費 機械装置費 ・機械装置、⼯具・器具の購⼊、製作、借⽤に要する経費 ・上記と⼀体で⾏う、改良・修繕、据付けまたは運搬に要する経費 ソフトウェア費 ・専⽤ソフトウェア・情報システム等の購⼊・構築、借⽤、クラウドサービス利⽤に要する経費 ・上記と⼀体で⾏う、改良・修繕に要する経費 外注費 加⼯や設計、検査等の⼀部を外注する経費 専⾨家経費 専⾨家に⽀払われる経費 |
なお外注費と専⾨家経費の合計額は、ほかの経費の合計額未満である必要があります。
また以下のものは、対象外です。
- 公的制度を活⽤して再⽣エネルギーの売電を⾏うための発電設備及び当該設備と⼀体不可分の附属設備
- 事務所等にかかる家賃、保証⾦、敷⾦、仲介⼿数料、光熱⽔費
- 電話代、インターネット利⽤料⾦等の通信費
- ⽂房具などの事務⽤品等の消耗品代、雑誌購読料、新聞代、団体等の会費
- ⾃動⾞等⾞両の購⼊費・修理費・⾞検費⽤
- 税務申告、決算書作成等のために⽀払う費⽤および訴訟等のための弁護⼠費⽤
- 収⼊印紙
- 振込等⼿数料および両替⼿数料
- 公租公課
- 各種保険料
- 借⼊⾦などの⽀払利息及び遅延損害⾦
- 報告書等の事務局に提出する書類作成・申請に係る費⽤
- 価格設定の適正性が明確でない中古品の購⼊費
- そのほか、社会通念上、不適切と認められる経費
省力化等の大規模成長投資補助金の申請方法は?
それでは申請方法をみていきましょう。申請は電子システムにて行います。事前のIDの取得が必要となりますので、早めに確認をしてください。
申請方法やスケジュール、審査基準をまとめました。
公募スケジュール
第3次公募期間は、以下のとおりです。
令和7年3⽉1⽇(⽉)〜令和7年4⽉28⽇(⽉)17:00まで
また、申請以降のスケジュールは以下のとおりです。
プレゼンテーション審査 6⽉上中旬頃 採択発表 6⽉下旬頃 交付申請 7⽉上旬以降 交付審査 7⽉下旬以降 交付決定 9⽉中旬以降 |
なおスケジュールは、現時点での⽬安です。今後変更となる場合があるので、補助⾦事務局のホームページで確認してください。
申請方法
本事業の申請には、「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要です。まだ取得していない場合は、事前にGビズIDプライムアカウント取得⼿続きを⾏ってください。
なおアカウントの発⾏には、2週間程度の時間がかかります。またGビズID運⽤センターの稼働状況によってはもっと時間がかかることもあるので、注意してください。
まとめ
中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金は、中堅・中小企業の成長と従業員の待遇改善を両立させる支援策です。投資額が10億円以上であること、継続的な賃上げを行うことが要件となります。
継続的な賃上げは、経済の活性化を支える根本的な原理のひとつです。大胆な設備導入によって省力化・業務効率化を図り、人への還元を増やすことで、社会全体がより豊かになります。
中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金をはじめとする支援策を上手に活用し、中堅・中小企業の抱える課題を解決しながら、経済を活性化させる仕組みづくりを目指しましょう。