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助成金・補助金の不正受給 判例まとめ

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助成金や補助金の不正受給に関する判例をまとめてみました。
助成金を申請する前に、是非頭に入れておきましょう!

この記事の目次

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1.不正受給をしたらどうなるの?

不正受給をした場合、大きくは3つのペナルティが下されます。

①行政上のペナルティ

・助成金の不支給or支給の取消
・支給取り消し後3年間は、雇用系の助成金の申請は不可
・社名の公表

②民事上のペナルティ

・助成金の返還

③刑事上のペナルティ

刑法に触れる行為があった場合は、刑事告発


2.不正受給防止のための調査って??

例えば、雇用調整助成金・中小企業緊急雇用安定助成金に関しては、下記の実施調査が入ることがあるようです。

①抜き打ち訪問
②出勤簿・賃金台帳等の書類確認
③従業員へのヒアリング

その他、研修等の助成金であれば、「訓練日誌」と「出勤簿」との照合や、就業規則や給与規定、制度適用状況等とも矛盾点の照らし合わせがされるので、不正受給には絶対に手を出さないようにしましょう。

3.社名公表の例

労働局のHPに、下記の開示項目が公表されていました。

【開示項目】
①事業主名称
②代表者氏名
③事業所名
④事業所所在地
⑤事業所概要
⑥不正受給の概要

概要としては、
中小企業緊急雇用安定助成金について、通常どおりの勤務に従事させたにもかかわらず教育訓練を実施したとして、事実と異なる支給申請を行い不正に助成金を受給した。
とのことです。


参考:東京労働局HP

4.判例


1.中小企業緊急雇用安定助成金、不正受給

2011年11月7日、厚生労働省の中小企業緊急雇用安定助成金制度を使った約1千万円の不正受給について、詐欺の容疑で元社長ら5人を逮捕。
中小企業緊急雇用安定助成金は、社員を休業させたときに休業手当相当額の一部などを助成する制度です。
容疑者らは平成21年12月から昨年4月までの間、経営する風俗店の従業員延べ約110人について、勤務実体がないにも関わらず計約1400日間休業させるという虚偽の申請書を京都労働局助成金センターに提出し、計約1千万円を不正に受給していました。

2.補助金、不正受給

2003年7月、福岡県の合併浄化槽設置事業をめぐる補助金不正受給事件で,背任などの罪に問われたH被告に懲役2年6月,執行猶予5年(求刑懲役2年6月),T被告には懲役2年,執行猶予4年(求刑懲役2年)を言い渡しました。
判決によると,2人は当時の同町建設課下水道係長らと共謀し、H被告の支援者男性が営業予定だった飲食店の浄化槽設置工事について,町事業の対象外なのに虚偽の申請書を作成。国と県の補助金計約87万円を騙し取ったほか,補助金を含む約244万円を町に不正に支出させていました。

3.震災復興助成金、不正受給

大阪市中央区の人材育成会社が、東日本大震災による特例を悪用し、雇用助成金5億9千万円を不正受給した問題。
仙台支店での売り上げを水増しした虚偽の書類を大阪労働局に提出することで、被災地での関連事業の売り上げが全体の3分の1以上を占める企業の受給条件が緩和される「中小企業緊急雇用安定助成金」(現・雇用調整助成金)を悪用したものです。
大阪労働局は1日午後、B社と関連会社「B社東日本」の2社が不正受給をしたと公表。
大阪地裁は18日、懲役6年(求刑・懲役7年)の実刑判決を言い渡しました。


4.新興国市場開拓等事業費補助金、不正受給

平成26年度新興国市場開拓等事業費補助金を不正に受給。
当該事業主に対して、既に給付済みの補助金(2,108,436円)の交付決定の取消を通知し、補助金の全額返還及び加算金の支払を求めるとともに、入札参加を含む当機構との契約関係の停止(9か月)を実行。
事業主名と、代表者氏名、所在地、事業の概要が日本貿易開発機構のHPに公開されていました。
また、不正受給した企業の親会社は、自社のHPにて子会社の不正受給の顛末を開示しています。

5.茨城県の助成金、不正受給

茨城県の助成金制度を悪用し、詐欺の疑いで男性2名が逮捕された問題です。
2014年6月、実態のないリフォーム会社を経営しているとウソをつき、銀行から1000万円の融資をだまし取った容疑がかけられています。
茨城県の中小企業向けの融資制度を利用して、ウソの書類で助成金申請をし、銀行を信用させていたそうです。

6.スーパーコンピューター開発における不正受給

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)で行っている、戦略的省エネルギー技術革新プログラム実用化開発対象の助成金を水増し請求し計約4億3100万円をだまし取ったとして、スーパーコンピューターの開発を手掛けるP社が、2017年12月に起訴された問題です。
その他同社においては、別の助成金も搾取していた疑いが判明しており、東京地検特捜部の方で全容解明を急いでいるとのことです。


5.まとめ

行政・民事だけではなく刑事上のペナルティも科せられる事のある不正受給。
“ついうっかり”や、“知らなかった”などは理由になりません。

ちゃんと使用すればとても意義のある助成金、しっかりと条件などを確認した上で、申請するようにしていきましょう。

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