▼6月20日分更新
※IT導入補助金 デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)の交付申請受付が、6月20日から開始となりました。
2023年10月1日から、消費税の仕入税額控除の方式として始まるインボイス制度。インボイス制度に対応するために活用できる補助金のひとつとして、IT導入補助金があります。4月に、IT導入補助金のデジタル基盤導入枠に「商流一括インボイス対応類型」という申請類型ができました。今回は、新たに設置された「商流一括インボイス対応類型」と、IT導入補助金2023の拡充点をご紹介します。
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この記事の目次
「IT導入補助金2023」の概要
まずはじめに「IT導入補助金2023」とはどのような補助金か確認しましょう。
IT導入補助金では、中小企業・小規模事業者等が実施する、業務効率化やDX等に向けたソフトウェア、アプリ、サービスなどのITツールの導入を支援しています。労働生産性の向上を目的とした補助金で、インボイス対応に必要なITツール導入を促進する枠があるのも特徴です。
IT導入補助金2023 補助対象ツール
事務局の審査を事前に受けてIT導入補助金サイトに登録されているITツール(ソフトウェア、サービス等)が補助対象です。申請区分によっては、相談対応等のサポート費用やクラウドサービス利用料、PCやレジなどのハードウェア購入費も対象になります。
IT導入補助金2023 補助対象事業者
IT導入補助金の申請区分は、通常枠(A・B類型)、セキュリティ対策推進枠、デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)、デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)、デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)に分かれています。
すべての申請区分で、中小企業・小規模事業者等が補助対象者になります。飲食、宿泊、小売・卸、運輸、医療、介護、保育等のサービス業、製造業や建設業等が対象です。
新設のデジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)のみ、中小企業・小規模事業者に加えて大企業も補助対象事業者に含まれます。
デジタル基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)とは
次に、新しく設置されたデジタル基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)についてみていきます。
この事業では、取引関係における発注者(大企業含む)が、インボイス制度に対応したITツールを導入し、受注者である中小企業・小規模事業者等に対して当該ITツールを無償で利用させる場合に補助を行います。ここでいうITツールとは、受発注機能を有するソフトウェアを指します。
デジタル基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)補助額・補助率
【補助額】
下限なし~350万円
【補助率】
中小企業・小規模事業者等が申請する場合:2/3以内
大企業等が申請する場合:1/2以内
補助事業者と取引先(中小企業・小規模事業者等)の関係性を表した下図も参考にしてください。
出典:サービス等生産性向上IT導入支援事業『IT導入補助金2023』の概要
デジタル基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)補助対象経費
補助対象経費は、ITツールの導入費用(クラウド利用料最大2年分)です。
ただし契約する受注側のアカウント総数のうち、取引先である中小企業・小規模事業者等に供与するアカウント数の割合を乗じた額が補助対象経費になります。
【補助対象となるITツール】
補助の対象となるITツールは、インボイス制度に対応した受発注の機能を有していて、かつ、取引関係における発注側の事業者としてITツールを導入する者が、受注側の事業者に対してアカウントを無償で発行し、利用させることのできるクラウド型のソフトウェアです。
ITツールの要件
本事業のITツールについて、以下の要件を満たす必要があります。
1.商流一括インボイス対応類型の対象となるITツールを利用する |
2.申請者が受発注機能の発注側であり、ITツールの導入者(購入者)である |
3.申請するITツールはソフトウェア1つのみである(複数のITツールは申請できません) |
4.導入したITツールについて、そのアカウントを取引先を含む受注側のすべての利用者に無償で発行している |
5.申請者とアカウントを供与された取引先は、当該ITツールを申請する利用期間以上利用する |
6.申請者(発注側)がアカウント利用者管理簿等により取引先のアカウントの適切な管理を行う |
7.公募要領に記載の提出書類が用意できる |
補助対象外経費
補助対象外となる経費も確認しておきましょう。代表的なものは以下のとおりです。
- 補助事業者の顧客が負担する費用がITツール代金に含まれるもの
- 交付申請時にITツールの利用料がわからないもの
- 対外的に無償で提供されているもの
- リース・レンタル契約のITツール
- 交付決定前に購入したITツール
- 中古品 等
申請の流れ
申請には、アカウント発行まで2週間程度要する「gBizIDプライム」IDが必要です。交付申請までに「SECURITY ACTION」の宣言を行うといった要件もあります。
以下に申請手続の流れをまとめました。
1.公募要領等で本事業を理解する |
2.IT導入補助金事務局に登録された「IT導入支援事業者の選定」と「ITツールの選択」を行う |
3.「gBizIDプライム」アカウントの取得、「SECURITY ACTION」の実施、「みらデジ経営チェック」の実施 |
4.交付申請(「IT導入支援事業者」とパートナーシップを組んで申請) |
5.補助事業の実施 |
6.事業実績報告 |
7.補助金交付手続き |
8.事業実施効果報告 |
※4について、デジタル基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)の交付申請期間は2023年6月からを予定しています。スケジュールの詳細が決まり次第ホームページ上で公開されます。
※5について、交付決定の連絡が届く前にITツールの発注・契約・支払い等を行った場合は、補助金の交付を受けることができませんのでご注意ください。
IT導入補助金2023の拡充点まとめ
今回、デジタル基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)がIT導入補助金2023に加わったわけですが、そもそもIT導入補助金2023はこれまでのIT導入補助金とどこが違うのでしょうか。最後に、IT導入補助金2023の主な拡充点を確認しておきましょう。
【デジタル化基盤導入類型の下限額の撤廃】
インボイス対応に必要なITツール(会計、受発注、決済、ECのソフト)導入を促進するため、従来の補助下限額(5万円)を撤廃しました。これにより安価なITツール導入も可能になりました。
【通常枠の下限額の引き下げとクラウド利用料2年分補助】
より安価なITツールの導入や、導入したITツールの継続活用を促進を目的として、通常枠において補助下限額の引き下げとクラウド利用料2年分補助を措置しました。
▼「IT導入補助金2023」の補助額・補助率等をまとめた下図も参考にしてください。橙色の字で記された箇所がIT導入補助金2023での拡充点です。
出典:サービス等生産性向上IT導入支援事業『IT導入補助金2023』の概要
【みらデジ経営チェック実施の要件を追加】
通常枠、デジタル化基盤導入類型、商流一括インボイス対応類型、セキュリティ対策推進枠の申請要件に、みらデジ経営チェック実施の要件が加わりました。みらデジを活用すると、自社の経営課題やデジタル化への取組状況を診断することができ、事業者の経営課題への対応策やITツールの導入アドバイスを受けることが可能です。
【加点措置の追加】
通常枠、デジタル化基盤導入類型、商流一括インボイス対応類型、セキュリティ対策推進枠において、「健康経営優良法人」、「地域DX促進活動支援事業」、「介護職員等特定処遇改善加算」、「女性活躍・子育て支援」の加点措置が追加されました。また、「事業継続力強化計画または連携事業継続力強化計画」は、セキュリティ対策推進枠に限り加点措置に追加されています。
まとめ
「IT導入補助金2023」は、中小企業・小規模事業者(一部、大企業含む)のITツール導入に活用できる補助金です。そのための申請枠が各種用意されています。補助金を受けてIT導入を進めることで、インボイス対応や業務効率化に取り組みたい、生産性向上・顧客満足度向上を図ってより競争力のある企業へと成長したいとお考えの事業者の皆さまは、IT導入補助金2023の活用をご検討ください。