2026年9月5日、人気漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の新作アニメ『新こちら葛飾区亀有公園前派出所』が2027年にフジテレビ系で放送されることが発表されました。両津勘吉役は落合福嗣さん、中川圭一役は蒼井翔太さん、秋本麗子役はM・A・Oさん、大原大次郎役は坂本頼光さん。本格的な新作アニメの制作は2016年以来10年ぶりです。
2026年は「こち亀」の連載開始から50周年。9月4日には約5年ぶりの新刊となる202巻が発売され、10月2日には203巻の刊行も控えています。そして舞台となった亀有には、2025年3月に「こち亀記念館」がオープンしました。いま、亀有というまちに全国から視線が集まっています。
この追い風を、地元の商売にどう活かすか。そう考えている亀有の事業者に知っておいてほしいのが、葛飾区こち亀商品開発支援事業です。こち亀のキャラクターを使ったオリジナル商品の開発費を補助率4/5で、さらに版権使用料を全額支援してくれる、葛飾区独自の補助金制度。ただし申請期限は令和8年9月25日(金曜日)まで。予算に達し次第、締め切られます。
この記事では、令和8年度の葛飾区こち亀商品開発支援事業について、補助額の内訳、対象となる事業者・商品、申請書類、版権監修の流れまでをわかりやすく解説します。
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この記事の目次
葛飾区こち亀商品開発支援事業とは?補助率4/5で最大40万円を支援する制度
葛飾区こち亀商品開発支援事業は、亀有地域の事業者がこち亀を活用した商品を開発・販売する際に、開発費を最大30万円(補助率4/5)、版権使用料を最大10万円(補助率10/10)支援する葛飾区の補助金制度です。両方を活用すれば、1事業者あたり合計40万円の支援を受けられます。
制度の目的は、亀有地域全体がこち亀記念館を軸とした「こち亀のまち」としてさらに発展することにあります。葛飾区は以前から地域と協働してこち亀を活用した事業に取り組んできました。その集大成として令和7年3月にこち亀記念館が開館し、地域のにぎわいへの期待が高まっています。その流れを商品開発という形で後押しするのが本制度です。
・正式名称:葛飾区こち亀商品開発支援事業
・実施主体:葛飾区産業観光部観光課
・支援内容:開発費(補助率4/5・上限30万円)+版権費(補助率10/10・上限10万円)
・対象者:亀有または西亀有に事業所・店舗を有する団体等
・申請期間:令和8年7月21日(火曜日)から9月25日(金曜日)まで(消印有効)
キャラクターを使った商品づくりには、通常なら版権元との交渉と版権使用料という高いハードルがあります。本制度の特徴は、この版権元との契約を葛飾区が一括して行い、使用料も区が直接支払う点にあります。個店では手が届きにくかったキャラクター商品の開発を、区が制度として引き受けてくれる仕組みです。
こち亀商品開発支援事業の補助額はいくら?開発費30万円と版権費10万円の内訳
補助は「開発支援」と「版権の使用許諾支援」の2階建てで、それぞれ補助率と上限額が異なります。開発費は補助率4/5・上限30万円、版権費は補助率10/10・上限10万円です。
| 区分 | 補助対象経費 | 補助率 | 補助限度額 |
|---|---|---|---|
| 開発費 | 試作費、設備導入費、デザイン費、コンサルタント費、広告宣伝費、印刷費 | 4/5 | 1事業者30万円 |
| 版権費 | こち亀商品販売に係る版権使用料 | 10/10 | 1事業者10万円 |
開発費は試作・デザイン・広告宣伝まで幅広く対象になる
開発費の補助対象は、商品開発および包装紙等の作成に要する試作費・設備導入費・デザイン費・コンサルタント費と、こち亀商品の販売促進に要する広告宣伝費・印刷費です。補助額は対象経費の4/5または30万円のいずれか低い方となります。
たとえば対象経費が30万円なら補助額は24万円、対象経費が40万円以上なら上限の30万円が補助される計算です。デザイナーへの依頼費用やパッケージの印刷費、チラシ制作費までカバーされるため、個店でもオリジナル商品を形にしやすくなります。
版権費は使用料の全額を区が負担する(上限10万円まで)
版権費は補助率10/10、1年につき上限10万円です。各商品の版権使用料は販売価格(税抜)×5%×販売数量で計算され、10万円に達するまでは葛飾区が負担します。
つまり税抜1,000円の商品なら1個あたりの版権使用料は50円。単純計算で2,000個までは区の負担でまかなえることになります。10万円を超えた分は申請者負担となり、区の指示に従って期限までに支払う必要があります。なお、版権元との版権使用許諾契約は区と株式会社日本アドシステムズの間で締結され、使用料も区が直接支払う形です。
補助金の対象になるのはどんな事業者・商品?亀有の実店舗での対面販売が条件
対象になるのは、葛飾区亀有地域内に事業所または店舗を有する団体等です。ここでいう亀有地域とは、住所が「亀有」または「西亀有」であることを指します。
対象者の要件は住所と欠格事由の2点
住所要件に加えて、以下に該当しないことが条件です。
- 代表者・役員・従業員・構成員が暴力団員等に該当する者
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に規定する風俗営業等を行っている者
- 罰金以上の刑に処せられ、執行が終わった日から5年を経過しない者
- 民事再生法・会社更生法・破産法に基づく申立手続中など、事業継続性が不確実な者
- 前年度の法人都民税(個人事業者は葛飾区の特別区民税)に滞納がある者
- 国・都道府県・他の区市町村から同趣旨の補助金の交付決定取消等を受けている者
- 宗教活動や政治活動を主たる目的とする者
対象事業は「実店舗での対面販売」と「アニメーション版権の活用」が必須
支援対象となるのは、次の2つの条件をすべて満たすこち亀商品を開発し、販売するものです。第一に、亀有地域の実店舗において対面で販売するものであること。第二に、こち亀のアニメーション版権を活用しており、株式会社日本アドシステムズから許諾を得ることが見込めるものであることです。
こち亀商品の例としては、キャラクターの特徴を活用したものや、アニメーション素材を使用したものが挙げられています。具体的な可否は葛飾区への相談が推奨されています。
通販・酒類・ノベルティは対象外になる
以下の販売方法・商品は、開発も販売も認められません。申請前に必ず確認してください。
- 訪問販売、通信販売、電話勧誘販売、無人販売
- 未成年が入店・購入できない店舗での販売
- 酒や煙草など未成年が購入できない商品の開発
- ノベルティなど販促物の開発
- 酒類の提供を主とする店舗(居酒屋など)による開発・販売
- こち亀の価値を毀損すると認められるもの、公序良俗に反するもの
ECサイトでの販売を前提とした商品企画は対象外になります。あくまで亀有に足を運んだ人が店頭で買える商品を作ることが、この制度の狙いです。
申請方法と必要書類は?令和8年9月25日まで郵送・メール・FAXで受付
申請は葛飾区こち亀商品開発支援事業補助金交付要綱および募集案内に基づいて書類を作成し、葛飾区産業観光部観光課へ提出します。提出方法は書留郵便などの記録郵便による郵送、メール、ファクスのいずれか(持参も可)です。
申請期間は令和8年7月21日(火曜日)から9月25日(金曜日)まで(消印有効)。ただし申請金額が予算額に達した時点で締め切られるため、早めの提出が有利です。募集状況によっては延長される場合もあります。
申請書類は4点、版権費のみの申請なら2点で済む
| 書類名 | 様式 | 備考 |
|---|---|---|
| 葛飾区こち亀商品開発支援事業補助金交付申請書 | 第1号様式 | Word形式 |
| こち亀商品開発申請書 | 別紙1 | 1商品につき1枚提出 |
| 事業経費明細書 | 別紙2 | Word形式 |
| 開発商品の内容を補足する資料 | 任意様式 | 企画書・イメージ図など |
版権費のみの申請を行う場合は、「こち亀商品開発申請書(別紙1)」と「開発商品の内容を補足する資料」の2点のみを提出すれば足ります。すでに開発費の目処が立っている事業者にとっては、版権使用料だけを支援してもらう使い方も可能です。
なお、メールで提出する場合は容量によって受信できないことがあるため、送信後に電話等での連絡が求められています。各様式は葛飾区ホームページからダウンロードできます。
申請から補助金の支払いまでの全体フロー
交付申請の後は、審査(版権元確認を含む)に2〜3週間程度、版権元によるデザイン監修・試作品監修に半月〜1か月程度を要します。修正が生じた場合は再提出となり、複数回の往復が発生することもあります。
| ステップ | 内容・期限 |
|---|---|
| 1. 交付申請 | 令和8年7月21日から9月25日まで |
| 2. 審査 | 版権元確認を含めて2〜3週間程度 |
| 3. 交付決定 | 交付決定通知書(第2号様式)により通知 |
| 4. 版権元による監修 | 商品企画・デザイン監修、試作品(色校)監修で半月〜1か月程度 |
| 5. 区との契約締結 | 版権元の承認後、区と申請者が契約(金銭は発生しない) |
| 6. 証紙の送付・販売開始 | 包装品等は証紙により販売数を管理 |
| 7. 販売数の月次報告 | 毎月末締め、翌月10日までに提出 |
| 8. 実績報告 | 完了日から20日経過した日または3月25日のいずれか早い日まで |
| 9. 補助金額の確定・請求・支払 | 確定通知後に補助金請求書(第8号様式)を提出 |
支援対象期間は交付決定日から交付決定日の属する年度の3月31日までです。監修に1か月以上かかる可能性を踏まえると、9月申請の場合は年度内の販売開始に向けてスケジュールが決して余裕のあるものではありません。商品の企画は申請と並行して固めておくことをおすすめします。
問い合わせ先は葛飾区産業観光部観光課
制度に関する説明会は令和8年8月5日に亀有信用金庫本部で開催され、すでに終了しています。ただし葛飾区では説明会のほかに個別相談にも対応しているため、申請を検討している場合は直接問い合わせるのが確実です。
葛飾区産業観光部観光課観光担当係
〒125-0062 東京都葛飾区青戸7-2-1 テクノプラザかつしか2階
電話:03-3838-5558/ファクス:03-3838-5551
メール:051700@city.katsushika.lg.jp
版権元の監修で気をつけるべきポイントは?原作素材と漫画的表現は使用不可
商品開発で最もつまずきやすいのが版権元による監修です。使用できるのはアニメーション素材のみで、原作の素材およびコマ割り・吹き出しといった漫画的表現は使用できません。また原則として、商品開発に使う版権素材は葛飾区から提供されたものを使用します。
素材の使用にあたっては、次の事項を厳守する必要があります。
- 社会的および教育的に悪影響を及ぼす恐れのある扱いをしないこと
- 作品の価値およびイメージを毀損するような行為、改変を行わないこと
- キャラクターの顔等を隠すように文字等を配置しないこと
- 他作品の世界観やキャラクターと混載しないこと
- 同一空間への同一キャラクターの使用はしないこと
- キャラクターが直接商品をお勧めする表現は行わないこと
監修は商品企画・商品デザインの段階と、試作品(色校)の段階の2回行われます。原則は現物での監修ですが、飲食物など現物の監修が難しいものは写真での監修となります。版権元の承認を得た後は、1商品あたり5点の完成品を販売開始前に区へ提出する必要があります(飲食店での提供メニューを除く)。
デザインの自由度に制約がある分、企画段階で区に相談しながら方向性を固めておくと、監修での差し戻しを減らせます。
こち亀商品開発以外に亀有の事業者が使える東京都の補助金はある?
葛飾区こち亀商品開発支援事業は開発費に特化した制度のため、店舗改装や販路開拓には東京都の制度を組み合わせるのが現実的です。商品を作った後の「売る」フェーズを支える助成金がいくつも用意されています。
たとえば東京都の展示会出展助成事業は、国内外の展示会への出展費用を上限150万円・助成率2/3で支援する制度です。開発したこち亀商品を土産物バイヤーや小売事業者に見てもらう場として活用できます。また商店街での開業や事業承継を考えているなら、最大694万円が助成される商店街起業・承継支援事業も選択肢になります。
こち亀商品開発支援事業は開発費として最大40万円という規模の制度です。まずこの制度で試作と版権クリアを済ませ、量産や販路開拓は別制度で支えるという設計にすると、資金計画に無理がなくなります。
葛飾区こち亀商品開発支援事業に関するよくある質問
葛飾区こち亀商品開発支援事業の補助額はいくらですか?
開発費が補助率4/5・1事業者あたり上限30万円、版権費が補助率10/10・1事業者あたり上限10万円です。両方を活用した場合の最大額は合計40万円となります。開発費の補助額は、対象経費の4/5または30万円のいずれか低い方の金額です。
申請期限はいつまでですか?
令和8年7月21日(火曜日)から9月25日(金曜日)まで(消印有効)です。ただし申請金額が予算額に達した時点で締め切られます。募集状況によっては延長等をする場合があるため、最新情報は葛飾区の公式ページで確認してください。
亀有に店舗がなくても申請できますか?
申請できません。対象者は葛飾区亀有地域内に事業所または店舗を有する団体等に限られます。亀有地域とは住所が「亀有」または「西亀有」であることを指すため、葛飾区内であっても立石や青戸などに所在する事業者は対象外です。
通販サイトで販売する商品も対象になりますか?
対象になりません。支援対象は亀有地域の実店舗において対面で販売する商品に限られます。訪問販売、通信販売、電話勧誘販売、無人販売はいずれも認められていません。亀有に来訪した人が店頭で購入できる商品であることが条件です。
版権使用料はどのように計算されますか?
各商品に係る版権使用料は「販売価格(税抜)×5%×販売数量」で計算されます。1年につき10万円までは葛飾区が負担し、10万円を超えた分は申請者負担です。税抜1,000円の商品であれば1個あたり50円が版権使用料となります。
版権元との契約は自分で行う必要がありますか?
必要ありません。版権使用料に関する契約は葛飾区と株式会社日本アドシステムズの間で一括して締結され、使用料も区が直接支払います。申請者は版権元の監修を受けた後、区との間で販売についての契約を締結します(この契約に金銭は発生しません)。
商品の量産費用も補助対象になりますか?
対象外です。本制度は開発への支援であるため、開発が完了した後に要する製造費・量産費は補助対象に含まれません。補助対象となるのは試作費、設備導入費、デザイン費、コンサルタント費、広告宣伝費、印刷費です。
原作漫画のイラストを商品に使えますか?
使用できません。使用できるのはアニメーション素材のみで、原作の素材およびコマ割り・吹き出しといった漫画的表現は使用不可です。また原則として、商品開発に使用する版権素材は葛飾区から提供されたものを使う必要があります。
申請から販売開始までどのくらいの期間がかかりますか?
審査(版権元確認を含む)に2〜3週間程度、版権元によるデザイン監修と試作品監修に半月〜1か月程度を要します。監修で修正が生じた場合は再提出となり、複数回の往復が発生することもあります。支援対象期間は交付決定日から当該年度の3月31日までです。
販売開始後に必要な手続きはありますか?
販売数の定期報告が必要です。毎月末締めで、翌月10日までに販売数を報告します。包装されている商品など証紙を貼付できるものは区から配布される証紙の数で販売数を管理し、飲食物など証紙を貼付できないものは申請者からの実績報告により管理されます。
まとめ|こち亀50周年の追い風を、亀有の商品開発に活かす
葛飾区こち亀商品開発支援事業は、亀有・西亀有の事業者がこち亀を活用した商品を開発・販売する際に、開発費を補助率4/5・上限30万円、版権使用料を補助率10/10・上限10万円で支援する制度です。申請期限は令和8年9月25日(金曜日)まで(消印有効)で、予算に達し次第終了となります。
この制度の価値は補助額そのものよりも、個店では越えにくい版権のハードルを葛飾区が引き受けてくれる点にあります。版権元との契約は区が一括して締結し、使用料も区が直接支払う。事業者は監修のルールを守って商品を作ることに集中できます。
2027年の新作アニメ放送、連載50周年、こち亀記念館の開館と、亀有に人が集まる材料はそろっています。訪れた人が「ここでしか買えない」と手に取る商品を用意できるかどうかが、次の数年の売上を左右するはずです。申請にあたって不明な点があれば、葛飾区産業観光部観光課が個別相談に応じています。まずは商品の企画を持って相談してみてください。
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