人手不足を背景に、パートや契約社員を正社員へ転換する動きが加速しています。しかし、転換して終わりにしてしまうと「名ばかり正社員」となり、かえって早期離職を招くことも少なくありません。転換後の育成や制度整備まで手が回らない、と感じている経営者・人事担当者の方も多いのではないでしょうか。
そこで活用したいのが、東京都の「東京都正規雇用転換安定化支援助成金」です。国のキャリアアップ助成金(正社員化コース)の支給決定を受けた都内の中小企業が、転換後の定着支援や処遇改善に取り組んだ場合に、東京都が独自に上乗せ支給する制度で、令和8年度(2026年度)は最大190万円が交付されます。
令和8年度からは制度名の変更に加え、対象労働者数の上限が3人から5人へ拡大、さらに「介護支援制度整備加算」が新設されました。加えて、令和8年7月1日付で申請の手引きが改正されており、申請前の確認事項が増えています。本記事では、制度の全体像から金額の内訳、申請スケジュール、注意点までを整理して解説します。
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この記事の目次
東京都正規雇用転換安定化支援助成金とは?最大190万円の上乗せ助成
東京都正規雇用転換安定化支援助成金は、国のキャリアアップ助成金(正社員化コース)と連携した東京都独自の上乗せ助成制度です。令和8年度の交付上限額は1年度あたり190万円で、非正規から正規雇用へ転換した労働者が安心して働き続けられるよう、労働環境の整備や処遇改善を行った都内の中小企業等が対象となります。
助成の対象となる取組みは、次の4つに整理できます。
・メンター(指導育成者)による指導と研修の実施
・退職金制度・結婚育児支援制度・介護支援制度の整備
・対象労働者の賃上げ
ポイントは、単に正社員化しただけでは受給できないという点です。国のキャリアアップ助成金(正社員化コース)の支給決定を受けていることが大前提で、そのうえで3か月間の支援期間中に所定の取組みを完了させる必要があります。
キャリアアップ助成金(正社員化コース)の要件や助成額は、以下の記事で詳しく解説しています。
令和8年度の変更点は?名称変更・5人へ拡大・介護支援制度整備加算の新設
令和8年度(2026年度)の主な変更点は3つです。いずれも令和8年4月15日に東京都から公表されました。
・1年度・1雇用保険適用事業所あたりの対象労働者数の上限が3人から5人に拡大
・「介護支援制度整備加算」(10万円)を新設
・交付上限額が1年度あたり190万円に増額
さらに、令和8年6月29日には、7月1日付での申請の手引き改正が告知されました。TOKYOはたらくネットには「7月1日改正」版と「7月1日以前」版の手引き・様式が併記されているため、これから申請する場合は必ず改正版をダウンロードしてください。令和7年度以前の様式は使用できません。
「東京都正規雇用等転換安定化支援助成金」との違いは?
「東京都正規雇用等転換安定化支援助成金」は令和7年度までの旧名称で、令和8年度から「等」が削除されて「東京都正規雇用転換安定化支援助成金」になりました。制度そのものが廃止されたわけではなく、同じ支援スキームが継続しています。
ただし、検索して出てくる情報が令和7年度以前のものだと、対象労働者数が3人まで、交付上限が最大160万円といった古い数字が表示されます。令和8年度の正しい上限は5人・190万円です。旧名称で保存していたブックマークや様式をそのまま使わないよう注意しましょう。
いくらもらえる?基本額と4つの加算の内訳
令和8年度の助成額は、対象労働者数に応じた基本額(最大100万円)と、4種類の加算(最大90万円)の合計で、最大190万円となります。1年度・1雇用保険適用事業所あたり対象労働者は5人までです。
基本額は対象労働者1人あたり20万円
基本額は対象労働者1人につき20万円で、5人の場合は100万円が上限となります。
| 対象労働者数 | 基本額 |
|---|---|
| 1人 | 20万円 |
| 2人 | 40万円 |
| 3人 | 60万円 |
| 4人 | 80万円 |
| 5人 | 100万円(基本額の上限) |
なお、同一の対象労働者について交付決定を受けられるのは1回限りです。前年度に本助成金の交付決定を受けた労働者を、再び対象に含めることはできません。
加算は4種類・最大90万円
基本額に上乗せできる加算は、退職金制度整備・結婚育児支援制度整備・介護支援制度整備・賃上げの4種類です。3つの制度整備加算はいずれも1事業主あたり1回限りとなります。
| 加算項目 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 退職金制度整備加算 | 10万円 | 1事業主あたり1回限り |
| 結婚・育児支援制度整備加算 | 10万円 | 1事業主あたり1回限り |
| 介護支援制度整備加算 | 10万円 | 令和8年度新設・1事業主あたり1回限り |
| 賃上げ加算 | 1人12万円(最大60万円) | 対象労働者5人まで |
すべての加算を満額で受けた場合、基本額100万円+制度整備加算30万円+賃上げ加算60万円=190万円という計算になります。
賃上げ加算は「東京都の最低賃金+60円」が条件
賃上げ加算を受けるには、対象労働者の時間単価を60円以上引き上げたうえで、賃上げ後の時間給が東京都最低賃金を60円以上上回っている必要があります。最低賃金ぎりぎりの水準からの賃上げでは要件を満たさないため、支援期間の前に現在の時間単価を確認しておきましょう。
ここで注意したいのが、最低賃金の改定時期です。東京都最低賃金は2025年10月3日から時間額1,226円となっており、2026年度も10月ごろの発効が見込まれます。2026年7月に中央最低賃金審議会が示した目安(Aランク54円)どおりに引き上げられた場合、東京は1,280円となる計算です。
支援期間が10月をまたぐ回に申請する場合、支援期間の途中で基準となる最低賃金額が変わる可能性があります。改定後の水準も見込んで賃上げ幅を設計しておくと安全です。2026年度の最低賃金の動向は、以下の記事で最新情報をまとめています。
対象となる事業主・労働者の要件は?
対象は東京労働局管内に雇用保険適用事業所を持つ中小企業等で、大企業は対象外です。中小企業の区分は国のキャリアアップ助成金に準じます。
対象となる事業主の要件
以下のすべてを満たす中小企業等が対象となります。
・令和5年4月1日以降に対象労働者を転換等し、東京労働局長からキャリアアップ助成金(正社員化コース)の支給決定を受けている
・交付申請日時点および支援期間終了時点で、対象労働者が在籍し支援可能な状態である
・法人都民税・法人事業税(個人事業主の場合は個人都民税・個人事業税)に未納がない
・交付申請日の前日から起算して過去5年間に重大な法令違反等がない
・最低賃金、36協定、時間外労働の上限規制、年次有給休暇の取得義務など労働関係法令を遵守している
・風俗営業等を行っておらず、暴力団員等に該当しない
法人が都内に本社を置いているかどうかは問われません。対象労働者が勤務する事業所が都内にあることが要件です。
対象となる労働者の要件
キャリアアップ助成金(正社員化コース)の交付対象となった労働者で、以下のすべてを満たす方が対象です。
・転換時から支援期間終了日まで、同一の事業主のもとで転換後の雇用区分が継続し、都内で継続して勤務している
・支援期間の終了日において有期雇用労働者でない
見落としやすいのが「支援期間終了日まで都内で継続勤務」という条件です。支援期間の途中で都外の事業所へ転勤した場合や、離職した場合は対象外となる可能性があります。異動の予定がある社員を対象に含める際は、事前に窓口へ確認しておくと安心です。
支援期間中に何をすればいい?必須となる3つの取組み
助成金を受けるには、3か月間の支援期間中に「指導育成計画の策定」「メンターによる指導」「研修の実施」の3つをすべて完了させる必要があります。1つでも欠けると不支給となるため、支援期間が始まる前にスケジュールを組んでおきましょう。
3年間の指導育成計画書を策定する
所属長が対象労働者と面談を行ったうえで、3年後の到達目標と年度ごとの育成内容を記載した計画書を作成します。支援期間の開始日から1か月以内の作成が求められます。様式は東京都が用意した「様式第6号別紙1 指導育成計画書」を使用します。
メンター(指導育成者)による指導を行う
対象労働者1名につきメンター1名を選任し、支援期間中に3回以上・合計3日以上の指導を実施します。メンターは対象労働者と同一の事務所に所属する上司や先輩社員等が担当します。選任は支援期間開始日から2週間以内が目安です。
指導記録は後からまとめて作成するのではなく、その都度記録することが重要です。実績報告時に「メンター選任・指導報告書」の提出が必要になります。
指導育成計画に基づく研修を実施する
指導育成計画に基づき、外部研修または社内研修を1回2時間以上実施します。資格取得や知識・技術の習得を目的としたOff-JT形式の研修が対象で、研修費用は事業主の負担です。研修実施報告書に加え、受講記録やカリキュラムなどの証拠書類も保管しておきましょう。
加算を受けるための要件は?4種類の条件を整理
加算を申請する場合は、必須の3つの取組みに加えて、それぞれの取組みを支援期間中に完了させる必要があります。支援期間の開始前にすでに制度が整備されている場合は対象外で、新設・導入した場合のみが加算対象です。
| 加算項目 | 主な要件 |
|---|---|
| 退職金制度整備加算(10万円) | 新たに退職金制度を整備し就業規則等を労働基準監督署へ届出して施行する、または新たに中小企業退職金共済制度(中退共)に加入する。既に退職金制度・中退共加入がある場合は対象外 |
| 結婚・育児支援制度整備加算(10万円) | 結婚休暇、母子保健健診休暇、妊娠出産休暇、出産支援休暇、子の看護等休暇のうち休暇制度2つ、または休暇制度1つと一時金制度1つを新たに整備。いずれも有給の特別休暇として整備することが必要 |
| 介護支援制度整備加算(10万円・令和8年度新設) | 育児・介護休業法第16条の5に規定する介護休暇を、有給休暇として取得できるよう新たに規定整備。1時間単位での取得が可能な規定であること(対象家族1人で年5日、2人以上で年10日まで) |
| 賃上げ加算(1人12万円・最大60万円) | 対象労働者の時間単価を60円以上引き上げ、賃上げ後の時間給が東京都最低賃金を60円以上上回っていること |
制度整備加算で特に多い失敗が、労働基準監督署への届出が支援期間終了後になってしまうケースです。就業規則の改定から届出・施行までを支援期間内に完結させる必要があるため、逆算してスケジュールを組みましょう。
退職金制度の整備手段として中退共を検討する場合は、以下の記事も参考にしてください。
国のキャリアアップ助成金とどう組み合わせる?
本助成金は「国の助成金とセットで使う制度」です。国のキャリアアップ助成金(正社員化コース)が正社員転換そのものへの助成であるのに対し、東京都の本助成金は転換後の定着支援・処遇改善への上乗せ助成という位置づけになります。
国の正社員化コースは1人最大80万円・令和8年度は情報公表加算が新設
キャリアアップ助成金(正社員化コース)の助成額は、中小企業で重点支援対象者を有期雇用から正規雇用へ転換した場合、1人あたり最大80万円(40万円×2期)です。
さらに令和8年4月8日から「情報公表加算」が新設され、正規雇用労働者等への転換に係る所定の情報を自社ウェブサイトまたは職場情報総合サイト「しょくばらぼ」に公表した場合、1事業所あたり20万円(大企業15万円)が加算されます。令和8年4月8日以降に対象労働者を転換等する場合が対象で、1事業所あたり1回限りです。
国と都を合わせると、対象労働者1人でも国80万円+都20万円で100万円、5人分の転換に加算をフル活用すれば数百万円規模の支援を受けられる計算になります。キャリアアップ助成金の全コースの助成額は以下でまとめています。
東京労働局への申請と東京都への申請はどちらが先?
順番は国が先、東京都が後です。まず東京労働局にキャリアアップ計画を提出し、対象労働者を転換したうえで正社員化コースの支給申請を行います。東京労働局長から支給決定通知書を受領して初めて、東京都への交付申請が可能になります。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| ① | キャリアアップ計画を東京労働局へ提出する(転換日まで) |
| ② | 対象労働者を正規雇用へ転換等する |
| ③ | 東京労働局へキャリアアップ助成金(正社員化コース)を支給申請する |
| ④ | 東京労働局から支給決定通知書を受領する |
| ⑤ | 東京都へ本助成金の交付申請書を提出する |
| ⑥ | 東京都から交付決定通知書が届く |
| ⑦ | 3か月の支援期間中に支援事業を実施する |
| ⑧ | 東京都へ実績報告書を提出する |
| ⑨ | 額の確定通知後、指定口座に助成金が振り込まれる |
キャリアアップ助成金の支給申請から支給決定までにも数か月かかります。「都の締切に間に合わせよう」と思っても、国の支給決定通知書がなければ申請できない点に注意してください。
令和8年度の申請スケジュールと申請方法は?
令和8年度は第1回から第6回まで申請回が設定されており、各回とも「交付申請受付期間→3か月の支援期間→実績報告受付期間」というサイクルで進みます。第1回の受付は令和8年5月1日から始まりました。
令和8年度の申請回一覧
| 申請回 | 交付申請受付期間 | 支援期間 | 実績報告受付期間 |
|---|---|---|---|
| 第1回 | 令和8年5月1日~5月31日 | 令和8年7月1日~9月30日 | 令和8年10月1日~10月25日 |
| 第2回 | 令和8年6月 | 令和8年8月~10月 | 令和8年11月 |
| 第3回 | 令和8年7月 | 令和8年9月~11月 | 令和8年12月 |
| 第4回 | 令和8年8月1日~8月31日 | 令和8年10月1日~12月31日 | 令和9年1月1日~1月25日 |
| 第5回 | 令和8年9月 | 令和8年11月~令和9年1月 | 令和9年2月 |
| 第6回 | 令和8年10月 | 令和8年12月~令和9年2月 | 令和9年3月 |
受付時間は各期間の初日8時30分から最終日17時15分までです。2026年8月時点では第4回(8月1日~8月31日)が受付中です。第2回・第3回・第5回・第6回の正確な日付は、TOKYOはたらくネットの最新の手引きで必ずご確認ください。
なお、予算の範囲を超えた場合は年度途中でも申請受付が終了することがあります。「まだ回数が残っている」と考えず、要件が整った時点で早めに動くことをおすすめします。
電子申請(Jグランツ)と郵送はどちらを選ぶ?
申請方法は電子申請(Jグランツ)または郵送・窓口持参の2種類です。電子申請には法人共通認証基盤「GビズIDプライム」のアカウントが必要で、発行までに数週間かかる場合があります。
交付申請書を電子申請で提出した場合、その後の実績報告書・撤回届・中止申請書・再提出書類もすべて電子申請で行う必要があります。途中で郵送に切り替えることはできないため、最初にどちらで進めるかを決めておきましょう。郵送の場合は、レターパック等の送達記録が残る方法を使用します。
GビズIDの取得方法は以下の記事で解説しています。
申請から入金までどれくらいかかる?
第1回で申請した場合、交付申請(5月)から3か月の支援期間(7月~9月)、実績報告(10月)、審査を経て入金となるため、おおむね8か月から10か月が目安です。助成金は後払いのため、資金繰り計画に織り込んでおく必要があります。
申請時には事業実施計画書兼交付申請書、誓約書、支払金口座振替依頼書、キャリアアップ助成金支給決定通知書の写しなどが必要です。関係書類は交付決定があった年度の終了後5年間の保存が求められます。
申請前に確認しておきたい注意点
書類不備や要件の取り違えによる不支給を防ぐため、申請前に以下を確認しておきましょう。
・国のキャリアアップ助成金(正社員化コース)の支給決定通知書を受領しているか
・対象労働者の転換日が令和5年4月1日以降か
・支援期間中に指導育成計画・メンター指導・研修の3点をすべて実施できる体制があるか
・加算を狙う場合、就業規則の改定・労働基準監督署への届出まで支援期間内に完了できるか
・賃上げ加算を狙う場合、賃上げ後の時間給が東京都最低賃金を60円以上上回るか
本助成金は競争形式の補助金ではなく、要件を満たせば交付される助成型の制度です。裏を返せば、要件のひとつでも欠けると不支給になります。判断に迷う点があれば、東京都正規雇用化推進窓口(03-6205-6730/平日8時30分~17時15分)に事前確認しておくと確実です。
東京都正規雇用転換安定化支援助成金に関するよくある質問
キャリアアップ助成金との違いは?
国のキャリアアップ助成金(正社員化コース)が「正社員転換そのもの」への助成であるのに対し、東京都の本助成金は「転換後の定着支援・処遇改善」への上乗せ助成です。本助成金を受けるには、まず東京労働局長から正社員化コースの支給決定を受けていることが前提となります。国が中小企業で1人最大80万円、東京都が最大190万円という二段構えの支援になります。
「東京都正規雇用等転換安定化支援助成金」という名前を見かけますが同じ制度?
同じ制度です。令和7年度までは「東京都正規雇用等転換安定化支援助成金」という名称でしたが、令和8年度から「等」が削除され「東京都正規雇用転換安定化支援助成金」に変更されました。旧名称で公開されている情報は対象労働者数3人・加算2種類など古い内容の場合があるため、令和8年度の情報かどうかを必ず確認してください。
個人事業主でも申請できる?
東京労働局管内に雇用保険適用事業所があれば、個人事業主でも申請可能です。中小企業の区分は国のキャリアアップ助成金に準じます。個人事業主の場合、未納がないことを確認される税目は個人都民税・個人事業税となります。
キャリアアップ助成金は東京労働局のどこに申請する?
キャリアアップ助成金(正社員化コース)は、事業所を管轄するハローワークまたは東京労働局へ提出します。一方、東京都の本助成金は東京都正規雇用化推進窓口(電話03-6205-6730)が受付窓口で、電子申請の場合はJグランツから提出します。国と都で窓口が異なる点に注意してください。
本社が都外でも申請できる?
本社所在地は問われません。対象労働者が勤務する雇用保険適用事業所が都内にあり、東京労働局長から正社員化コースの支給決定を受けていれば対象となります。逆に本社が都内にあっても、対象労働者の勤務する事業所が都外の場合は対象外です。
同じ社員で2回申請できる?
同一の対象労働者について交付決定を受けられるのは1回限りです。一度本助成金の交付決定を受けた労働者を、再び対象に含めて申請することはできません。なお、雇用保険適用事業所が複数ある場合は、事業所ごとに申請できます。
加算は必ず取らないといけない?
加算は任意です。基本の支援事業(指導育成計画の策定・メンター指導・研修実施)のみでも申請可能で、対象労働者数に応じた基本額(1人20万円から5人100万円)が支給されます。自社の状況に応じて取り組める加算だけを選んで申請する形でも問題ありません。
すでに退職金制度がある場合も退職金制度整備加算は使える?
支援期間の開始前にすでに退職金制度(中退共への加入を含む)が整備されている場合、退職金制度整備加算の対象にはなりません。結婚・育児支援制度整備加算、介護支援制度整備加算も同様で、いずれも支援期間中に新規で導入し、就業規則等の届出・施行まで完了した場合のみ加算対象となります。
派遣労働者やテレワーク勤務者も対象になる?
派遣労働者は派遣元事業所、出向者は出向元事業所、テレワーク利用者(在宅勤務・サテライトオフィス勤務など)は所属する事業所が、それぞれ「事業所」とみなされます。これらの事業所が都内にあれば対象となります。詳細な取扱いは最新の手引きでご確認ください。
1事業所で何人まで申請できる?
令和8年度から1年度・1雇用保険適用事業所あたり5人までに拡大されました(令和7年度までは3人)。基本額の上限は100万円で、加算を含めた交付上限額は1年度あたり190万円となります。
まとめ
東京都正規雇用転換安定化支援助成金は、非正規から正規雇用への転換を進める都内の中小企業にとって、人材定着と処遇改善を後押しする制度です。令和8年度からは対象労働者数が5人に拡大し、介護支援制度整備加算も新設されたことで、最大190万円まで受給可能となりました。
国のキャリアアップ助成金(正社員化コース)と組み合わせれば、転換そのものへの助成(国)と、転換後の定着支援への助成(都)という二段構えの支援を受けられます。国の正社員化コースでも令和8年4月8日から情報公表加算20万円が新設されており、あわせて活用すれば受給額をさらに上乗せできます。
一方で、支援期間中に指導育成計画・メンター指導・研修をすべて完了させる必要があり、加算を狙う場合は就業規則の届出まで支援期間内に終わらせなければなりません。申請前には必ず令和8年7月1日改正版の手引きを確認し、余裕をもったスケジュールで準備を進めましょう。
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