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【令和8年度】東京都正規雇用転換安定化支援助成金とは?キャリアアップ助成金との合わせ技で最大190万円

公開日:2018/8/3 更新日:2026/5/8
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人手不足が深刻化するなか、非正規社員から正社員への転換を進めたい中小企業は増えています。とはいえ「転換した社員に長く働き続けてもらうための仕組みづくり」までは、なかなか手が回らないというのが実情ではないでしょうか。

東京都が実施する「東京都正規雇用転換安定化支援助成金」は、国の「キャリアアップ助成金(正社員化コース)」を活用した中小企業に対し、転換後の労働者の定着支援や処遇改善の取組みを行った場合に、東京都が独自に上乗せ支給する助成金制度です。

令和8年度(2026年度)から制度が拡充され、対象労働者数の上限が3人から5人へ拡大、新たに「介護支援制度整備加算」が新設されるなど、活用の幅が広がっています。本記事では、東京都内の中小企業の経営者・人事担当者の方に向けて、制度の概要から申請の流れまでをわかりやすく解説します。

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この記事の目次

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東京都正規雇用転換安定化支援助成金とは?

本助成金は、国のキャリアアップ助成金(正社員化コース)と連携した東京都独自の上乗せ助成制度です。正規雇用に転換した労働者が安心して働き続けられるよう、以下のような労働環境整備や処遇改善を行った中小企業に対して交付されます。

・3年間の指導育成計画の策定
・メンター(指導育成者)による指導
・退職金制度・結婚育児支援制度・介護支援制度の整備
・対象労働者の賃上げ

なお、本助成金を受けるには、まず国のキャリアアップ助成金(正社員化コース)の支給決定を受けていることが大前提となります。

キャリアアップ助成金(正社員化コース)の詳細については、以下の記事で紹介しています。

詳しくはこちら:キャリアアップ助成金 正社員化コース 支給要件と助成額を解説

キャリアアップ助成金 正社員化コース 支給要件と助成額を解説

令和8年度の主な改正点

令和8年度から以下の点が変更されました。

・助成金名が「正規雇用等転換安定化支援助成金」から「正規雇用転換安定化支援助成金」に変更(「等」が削除)
・対象労働者数の上限が3人から5人に拡大
・介護支援制度整備加算(10万円)が新設
・上限額が190万円に増額

制度名から「等」がなくなり、「正規雇用転換安定化支援助成金」に変更されています。細かい違いですが、間違えないよう注意が必要です。

また、対象労働者数が上乗せされ、介護支援制度整備加算が新設されるなど、使いやすいように拡充されています。

対象となる事業主

以下のすべてを満たす中小企業等が対象です(大企業は対象外)。

・東京労働局管内に雇用保険適用事業所がある
・令和5年4月1日以降に対象労働者を転換等し、東京労働局長から正社員化コースの支給決定を受けている
・交付申請日時点・支援期間終了時点で、対象労働者が在籍し、支援可能な状態である
・法人都民税・法人事業税(個人事業主の場合は個人都民税・個人事業税)に未納がない
・交付申請日の前日から起算して過去5年間に重大な法令違反等がない
・労働関係法令(最低賃金、36協定、時間外労働の上限規制、年次有給休暇の取得義務等)を遵守している
・風俗営業等を行っていない、暴力団員等に該当しない

対象となる労働者

正社員化コースの支給対象となった労働者で、以下のすべてを満たす方が対象です。

・令和5年4月1日以降に都内事業所で転換または直接雇用されている
・転換等の日から3か月の支援期間終了日まで、同一事業主のもとで雇用区分が1年以上継続し、都内の事業所で勤務している
・支援期間末日において有期雇用労働者でない

助成額

本助成金の申請は1年度につき1度まで、1雇用保険適用事業所あたり5人が限度です。また、交付上限額は1年度につき100万円となります。

【基本額】

対象労働者数助成額
1人20万円
2人40万円
3人60万円
4人80万円
5人100万円

さらに、一定の要件を満たした場合、以下の加算も受けられます。

【加算額】

加算項目金額
退職金制度整備加算10万円
結婚・育児支援制度整備加算10万円
介護支援制度整備加算(令和8年度新設)10万円
賃上げ加算(1人12万円、最大5人)最大60万円

すべての要件を満たした場合、基本額+加算で最大190万円が受給可能です。なお、同一の対象労働者について交付決定を受けられるのは1回限りとなります。

必須となる支援事業の内容

助成金の対象となるためには、3か月の支援期間中に、以下の3つの取組みを必ず実施する必要があります。

3年間の指導育成計画書の策定

所属長が対象労働者と面談を行ったうえで、3年後の到達目標と年度ごとの育成内容を策定します。支援期間開始日から1か月以内に作成が必要です。

メンター(指導育成者)による指導

対象労働者1名につきメンター1名を選任し、支援期間中に3回以上・3日以上のOJT指導を行います。メンターは対象労働者と同一事務所に所属する上司や先輩社員等が担当します。支援期間開始日から2週間以内の選任が目安です。

研修の実施

指導育成計画に基づき、外部研修または社内研修を1回2時間以上実施します。資格取得や知識・技術習得を目的としたOff-JT形式の研修が対象で、研修費用は事業主負担です。

各加算の主な要件

加算を申請する場合は、基本要件に加えて、以下のそれぞれの取組み(退職金制度整備、結婚・育児支援制度整備、介護支援制度整備、賃上げ)を支援期間中に実施する必要があります。

退職金制度整備加算(10万円)
・新たに退職金制度を整備し、就業規則等を労働基準監督署へ届出して施行する、または
・新たに中小企業退職金共済制度(中退共)に加入する
・既に退職金制度・中退共加入がある場合は対象外
結婚・育児支援制度整備加算(10万円)
・結婚休暇、母子保健健診休暇、妊娠出産休暇、出産支援休暇、子の看護等休暇のうち休暇制度2つ、または休暇制度1つと一時金制度1つを新たに整備
・いずれも有給の特別休暇として整備することが必要
介護支援制度整備加算(10万円・令和8年度新設)
・育児・介護休業法第16条の5に規定する介護休暇を、有給休暇として取得できるよう新たに規定整備
・1時間単位での取得が可能な規定であること(対象家族1人で年5日、2人以上で年10日まで)
賃上げ加算(1人12万円・最大60万円)
・対象労働者の時間単価を60円以上賃上げする
・賃上げ後の時間給が、東京都の最低賃金を60円以上上回っていることが必要

退職金制度・結婚育児支援制度・介護支援制度の加算は、支援期間開始前に既に制度が整備されている場合は対象外となります。新設・導入の場合のみが対象です。

申請スケジュールと方法

2026年度の申請は第1回から第6回まで設定されており、各回ごとに「交付申請受付期間→3か月の支援期間→実績報告受付期間」のサイクルで進みます。

申請回交付申請受付支援期間実績報告受付
第1回5月7月~9月12月~翌2月
第2回6月8月~10月翌1月
第3回7月9月~11月翌2月
第4回8月10月~12月翌2月
第5回9月11月~翌1月翌2月
第6回10月12月~翌2月翌3月1日~16日

第6回は実績報告期間が短いため、できるだけ早い回での申請が推奨されます。

申請方法は電子申請(Jグランツ)または郵送の2種類です。Jグランツの利用にはGビズIDプライムアカウントの取得が必要で、発行に時間がかかるため早めの準備をおすすめします。

申請から助成金受給までの流れ

本制度の申請は、キャリアアップ助成金(正社員化コース)の支給決定通知書を受け取った後、東京都に申請書を提出します。詳しい申請手順は、以下の流れとなります。

①国のキャリアアップ計画を東京労働局に提出(転換日まで)
②対象労働者を転換等
③東京労働局へキャリアアップ助成金(正社員化コース)支給申請
④東京労働局より支給決定通知書を受領
⑤東京都へ本助成金の交付申請書を提出
⑥東京都より本助成金の交付決定通知書が届く
⑦3か月の支援期間中に支援事業(指導育成計画策定・メンター指導・研修等)を実施
⑧東京都へ実績報告書を提出
⑨額の確定通知後、指定口座に助成金が振り込まれる

申請時には交付申請書類や、その他添付が必要な書類等の提出が必要です。関係書類は交付決定があった年度終了後5年間の保存が求められます。

東京都正規雇用転換安定化支援助成金に関するよくある質問

キャリアアップ助成金との違いは?

国のキャリアアップ助成金(正社員化コース)が「正社員転換そのもの」への助成であるのに対し、東京都の本助成金は「転換後の定着支援・処遇改善」への上乗せ助成です。本助成金を受けるには、まず国のキャリアアップ助成金の支給決定を受けていることが前提となります。

個人事業主でも申請できる?

東京労働局管内に雇用保険適用事業所があれば、個人事業主でも申請可能です。中小企業の区分は国のキャリアアップ助成金に準じます。

社会保険労務士に申請代行を任せられる?

社会保険労務士や行政書士など、法令に基づき業務として行う場合に限り代理申請が可能です。電子申請(Jグランツ)の場合は代理申請者を登録のうえ、任意で「同意書(代理申請者用)」を提出する形になります。

本社が都外でも申請できる?


本社所在地は問われません。対象労働者が勤務する雇用保険適用事業所が都内にあり、東京労働局長から正社員化コースの支給決定を受けていれば対象となります。逆に本社が都内でも、対象労働者の事業所が都外の場合は対象外です。

同じ社員で2回申請できる?


同一の対象労働者について、交付決定を受けられるのは1回限りです。一度本助成金の交付決定を受けた労働者を、再び対象に含めて申請することはできません。

加算は必ず取らないといけない?


加算は任意です。基本の支援事業(指導育成計画策定・メンター指導・研修実施)のみでも申請可能で、対象労働者数に応じた基本額(1人20万円から5人100万円)が支給されます。自社の状況に応じて取り組める加算だけを選んで申請する形でも問題ありません。

既に退職金制度がある場合も退職金制度整備加算は使える?

支援期間開始前にすでに退職金制度(中退共加入を含む)が整備されている場合、退職金制度整備加算の対象とはなりません。結婚・育児支援制度整備加算、介護支援制度整備加算も同様で、いずれも支援期間中に新規で導入した場合のみ加算対象となります。

派遣労働者やテレワーク勤務者も対象になる?

派遣労働者は派遣元事業所、出向者は出向元事業所、テレワーク利用者(在宅勤務・サテライトオフィス勤務など)は所属する事業所がそれぞれ「事業所」とみなされます。これらの事業所が都内にあれば対象となります。

申請から助成金が振り込まれるまでどれくらいかかる?

各回の交付申請受付期間終了から約1か月で交付決定通知が届き、その後3か月の支援期間と実績報告期間を経て、審査後に助成金が振り込まれます。第1回申請(5月)の場合、申請から振込までおよそ8か月から10か月が目安です。

1事業所で何人まで申請できる?

令和8年度から1雇用保険適用事業所あたり年度5人までに拡大されました(令和7年度までは3人)。基本額と加算を合わせた上限額は、年度190万円となります。


まとめ

東京都正規雇用転換安定化支援助成金は、非正規から正規雇用への転換を進める中小企業にとって、人材定着と処遇改善を後押しする心強い制度です。令和8年度からは対象労働者数が5人に拡大し、介護支援制度整備加算も新設されたことで、最大190万円まで受給可能となりました。

国のキャリアアップ助成金(正社員化コース)と組み合わせることで、転換そのものへの助成(国)と、転換後の定着支援への助成(都)という二段構えの支援を受けられる点が大きなメリットです。社員の定着率向上や働きやすい職場づくりに取り組む際は、ぜひ本制度の活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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