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父親も子育て(育児休業)ができる働きかたを実現!「出生時両立支援コース」について調べてみた

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この記事は、2017年7月に書かれた内容となりますので、最新の補助金情報は>サイトトップよりご確認ください。

この記事の目次

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1.男性の育児休業、取得環境はありますか?


みなさんの身近、もしくは社内の男性で育児休業を取得している方はいますか?
従業員の職業生活と家庭生活の両立は、女性だけでなく男性も対象ですが、男性の育児休業が浸透していないのはなぜでしょうか。
日本では、「育児は妻の仕事」という価値観がまだ根強く残っていると考えられています。
そのため育児休業は女性だけの制度だと思っている方が多く、浸透できていないのが現状です。

この助成金は、男性労働者が育児休業を取得しやすい職場風土作りのきっかけを国が支援してくれる制度です。
助成金を活用しながら、男性労働者の仕事と家庭の両立に向けて職場環境を整えていきませんか?

2.出生時両立支援等助成金とは

出生時両立支援等助成金とは、男性が育児休業を取得しやすい職場作りの取り組みを行い、要件を満たした男性従業員のいる企業に最大72万円(中小企業以外は28.5万円)が支給される助成金です。
支給要件は、「子の出生後8週間以内に連続5日以上の育児休業を取得する事」と比較的取り組みやすい点がこの助成金の特徴でもあります。

【参照】厚生労働省(平成29年度版 両立支援助成金のご案内)

3.男性の育児休業取得率はどのくらい?


男性の育児休業取得率が何パーセントなのかご存じですか?
平成26年度の厚生労働省調査によると、育児休業の取得割合は女性が81.5%に対して、男性がたったの2.65%の取得率という結果がでています。
身近に男性の育児休業取得をしている方がいないのもうなずける数値ですね。
国としても、アベノミクス三本の矢実現に向けての具体的数値目標として、「2020年男性の育児休業取得率を13%にする」としていることから、男性の子育て参加が国の政策課題のひとつとして考えられていることがわかります。

■有期契約労働者の育児休業の有無別事業所割合(割合については%表示)


【参照】厚生労働省(平成27年度雇用均等基本調査 事業所調査結果概要)

4.そもそも育児休業とは?

1.育児休業は男女ともに取得できる


育児休業とは、男女ともに仕事と家庭の両立ができるよう、子供の養育のために取得可能な休業のことです。1992年「育児休業法」の改正により、男性も取得可能になりました。
その後の法改正によって、育児休業を取得できる対象者がさらに増えたことで、働き方の選択肢が広がり継続して働きやすい制度が確立してきています。

大まかな育児休業の種類としては、以下3点があげられます。
①父親と母親それぞれが育児休業を取る場合には、子が1歳になるまで取得が可能なこと
②両親ともに育児休業を取る場合は、子が1歳2ヶ月になるまで取得可能なこと
③保育園の空きがない場合には、子が1歳6ヶ月に達する日まで延長が可能なこと

そのほかにも、看護休暇制度の拡充や、所定外労働(残業)免除の義務化などの制度があります。

【参照】厚生労働省(育児・介護休業法が改正されます!)
【参照】厚生労働省(平成29年1月施行 育児・介護休業のあらまし)

2. 法改正で育児休業期間が2歳までに延長可能!


育児休業法は平成29年1月に改正が行われたばかりですが、10月より「改正育児法」がスタートします。このように短いスパンでの施行・改正は、仕事と家庭の両立支援をする取り組みとして、国としてもかなり力をいれていることがわかりますよね。
現行法では育児休業は1年と定められていますが、保育園の空きがない場合には、1歳6カ月まで育児休業を取ることができます。

今回の改正では、保育園などに入所できず退職を余儀なくされる事態を防ぐために、最長2歳まで育児休業の再延長が可能になるなど、働きながら育児をする男女労働者を支援する制度として新たにスタートします。


下記3点が改正内容です。
改正内容①最長2歳まで育児休業の再延長が可能

改正内容②子どもが生まれる予定の方などに育児休業等の制度などを知らせる義務
事業主は、働く方やその配偶者が妊娠・出産したこと等を知った場合に、対象者に個別に育児休業等に関する制度(育児休業・休業後の待遇や労働条件など)を知らせる努力義務が創設されます

改正内容③育児目的休暇の導入を促進
未就学児を育てながら働く方が子育てしやすいよう、育児に関する目的で利用できる休暇制度を設ける努力義務が創設されます
育児目的休暇の例)配偶者出産休暇、子の行事参加のための休暇など

【参照】厚生労働省育児休業法改正

3.休業中は経済的支援がある


平成23年度の厚生労働省の調査では、「育児休業により収入が減り、経済的に苦しくなると思い取得しなかった」という男性の割合が22%いたことが分かっています。
しかし、育児休業により無給になった場合でも、雇用保険に加入している労働者であれば育児休業給付金などの所得補償や、社会保険料免除などの経済的支援があります。
また、平成26年4月より「育児休業給付金」が育児休業開始180日に限り休業開始前賃金を67%に引き上げられています。


その他にも、お住まいの自治体から奨励金の支給や、会社から支援金が支給されるケースなどもあります。休業イコール無給と悲観的に捉えてしまうのではなく、さまざまなサポート支援があるので一度確認してみてください。

【参照】厚生労働省(育児休業給付)
【参照】厚生労働省(平成26年4月1日以降に開始する育児休業から育児休業給付金の支給率を引き上げます)

5.支給定義は?

1.支給対象者

この助成金が対象となる事業主は、要件としては次の条件をすべて満たす必要があります。
以下5点の要件をご紹介します。

(1)3年以内の期間において、連続した5日以上(中小企業以外は連続した14日以上)の育児休業を取得した男性労働者いないこと。

(2) 男性労働者が育児休業を取得しやすい職場風土作りの取組を支次の取り組みのうち、いずれかの実施が必要です。
・男性労働者に対する育児休業制度の利用促進のための資料等の周知
・子が生まれた男性労働者への管理職による育休取得勧奨
・男性の育休取得についての管理職向けの研修の実施

(3) 雇用保険の被保険者として、雇用する男性労働者が連続した5日以上(中小企業以外の場合は14日以上)の育児休業を取得すること。

(4) 育児・介護休業法に規定する、「育児休業の制度」と「所定労働時間の短縮措置」について労働協約または就業規則に規定していること。

(5)一般事業主行動計画を策定し、労働局に届出を行うこと
この計画については、公表後労働者に周知する必要があります。

※「一般事業主計画」とは
企業が、従業員の仕事と子育ての両立のための雇用環境や労働条件の整備などを行うにあたり、(1)計画期間(2)目標(3)目標達成のための対策及びその実施時期を定めるものです。この計画は従業員101人以上の企業には、行動計画の策定・届出・公表・周知が義務づけられています。
参考:一般事業主行動計画策定・届出等についての詳細はこちら

【参照】厚生労働省両立支援等制度助成金(出生時両立支援コース)

2.支給額


※<>内については生産性要件を満たした場合の支給額です。

3.中小企業事業主の範囲

出生時両立支援等助成金を申請する場合の対象となる「中小企業の条件」とは資本または出資の額常用労働者数のいずれかが下表に該当する事業主が該当されます。


4.生産性要件を満たす場合とは

生産性要件とは、従業員の生み出す付加価値(生産性)を向上させた事業主に対して、労働関係助成金(一部)を引き上げします、というものです。
要件としては、直近の会計年度における「生産性」がその3年前に比べて6%以上伸びていること、またはその3年前に比べて1%以上(6%未満)伸びていることが必要です。

「生産性」は以下の計算式によって計算します。


今回の両立支援助成金以外の場合にも、「キャリアアップ助成金」や「業務改善助成金」などにおいても、要件を満たした場合には助成金の割増が受けられます。

■分かりやすく記載してあるのでこちらの記事も合わせてご確認ください!
・補助金ポータル:キャリアアップ助成金の「正社員化コース」について調べてみた。
・補助金ポータル:業務改善助成金についての支給定義と入金までの流れを調べてみた

【参照】厚生労働省(生産性を向上させた企業は労働関係助成金を割増されます)

6.取り組みから申請・受給の流れ


Step1:男性労働者が育児休業を取得しやすい職場作りの取り組みを行う
注意点として、支給申請の対象労働者の育児休業の開始日前日までに行う必要があります。

Step2:該当男性労働者に育児休業を取得させる
取得時期については、育児休業の対象となった子の出生後8週間以内の開始が必要です。

Step3:助成金交付申請書を管轄労働局へ提出!
育児休業の開始から起算して5日(大企業の場合は14日)を経過する日の翌日から2カ月以内に、下記(1)(2)の申請書と、必要書類(1)~(7)を用意した上で各都道府県労働局に提出します。
≪申請書類≫
(1)両立支援等助成金(出生時両立支援コース) 様式/支給申請書 様式第1号①②
(2) 支給要件確認申立書 様式/共通要領様式第1号
※各様式はこちらURLの「支給申請様式」からダウンロードできます。

≪必要書類≫
(1) 労働協約または就業規則及び関連する労使協定の提出
対象の育児休業取得者が生じた事業所の労働協約又は就業規則など関連する労使協定を添付し提出します
(2) 男性労働者が育児休業を取得しやすい職場風土作りの取り組み
内容を証明する書類および取り組みをおこなった日付がわかるものが必要です
(3) 育児休業取得者の育児休業申出書
(4) 育児休業期間の就労実績が確認できる書類
例)育児休業取得者の出勤簿又はタイムカード及び賃金台帳など
(5) 雇用契約期間の有無、育児休業期間の所定労働日が確認できる書類
例)労働条件通知書、就業規則、企業カレンダーなど
(6) 育児休業取得者に子がいることがわかる書類及び出生日が確認できる書類
例)母子健康手帳の子の出生を証明する該当部分
(7)一般事業主行動計画を策定し、労働局に届出

Step4:申請内容審査
申請した内容について、電話での事実確認や、実地調査が行われる場合があります。

Step5:支給決定

助成金申請については、定型の申請書類と、申請企業が別途準備する書類が必要です。
詳細内容が少し細かくなるので、詳細は以下URLの6ページ(0501 支給申請書の提出)で確認してください。
参考:出生時両立支援コース 支給要件

7.注意事項

この助成金については、事業主単位で支給するものであり事業所単位での支給は対象外です。
また、「男性労働者が育児休業を取得しやすい職場作りの取り組み」については支給対象者の育児休業開始日前日までに行う必要があるため、注意してください!

注1:事業所単位での支給は対象外です。法人または個人が複数の事業・事業所を営んでいる場合でも、個人を一事業主とみなします。
注2:過去3年以内に男性の育児休業取得者(連続14日以上、中小企業は連続5日以上)がいる企業は対象外です。
注3:支給対象は1年度につき1人までです。

8.まとめ


今回は「出生時両立支援助成金」として、男性の育児休業取得についてご紹介しました。
日本は昔から、女性が家を守り男性は仕事一筋で働くのが当たり前、という風潮でしたが女性の社会進出が進み夫婦共働きが今後増えていくと考えられます。女性だけに育児が集中する環境を減らすことで、女性の活躍推進にも繋がります。

また、育児休業を取得するということは、職場の他の社員が休業中の業務を補う必要があるので、普段から職場のメンバーとのコミュニケーションをとり信頼関係を築いていくことも大切です。
企業側においても、人事制度面において育時休業を取得した場合の評価制度整備や、従業員への周知など従業員の働きやすさについて理解をすすめる取り組みを行うことが必要になります。
会社が男女問わず育児休業等の休暇が取りやすい環境になることは、従業員にとっても長く安心して働ける会社になるので、ぜひ取り組んでみてくださいね!

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