この記事は、2017年8月に書かれた内容となりますので、最新の情報は>サイトトップよりご確認ください。
補助金とは、国や地方公共団体が事業者に対して、原則返済不要なお金を支給してくれる制度です。もちろん誰でももらえるものではなく、公益性(公共の利益になりうるか)が求められるため、一定の条件や申請、審査が必要になります。
補助金ポータル:補助金と助成金の違いについて調べてみた
今回は、資金不足の会社が補助金を活用する方法についてご紹介します。
この記事の目次
1.補助金が支給されるタイミングは?
補助金は「後払いで支給される」ということをご存じですか?
“審査に合格(採択)さえすれば、すぐに補助金が支給されるのでは?”
“支給された補助金で機械や設備を購入、またはシステムを業者に発注すれば問題ないですよね?”
こんな風に考えていませんか?
実際には、申請して審査に採択(合格)後に交付申請を行い、確認を受けて交付決定、
という一連の手続きが必要です。
(1)交付決定前に事業を開始してはダメ
交付決定とは、国が採択企業に「補助金を支給しますよ」というお約束です。
もちろん、口頭説明で通達されるのではなく、公式文書が発行されます。
この交付決定がされてから、初めて補助事業が開始できることになるのです。
つまり、交付決定前に補助事業を開始したり、業者への発注や契約締結をした場合、その事業は対象外になってしまう、ということになるので注意が必要です。
(2)事業計画に沿った事業を行いましょう
また、支払いに関しても、同じことが言えます。
支払いの流れは、交付決定後に補助対象期間に入り、実際に補助事業を実施します。申請書に記載した事業計画に沿って事業を行い、期間内に支払いが完了した経費が補助対象経費です。
ただし、必ずしもすべての経費が交付されるわけではありません。
補助金により条件は異なるため、補助対象となる経費・補助の割合・上限額などは募集要項等で確認しましょう。
補助金ポータル:押さえてくべき補助金の事業計画書作成ポイント
2.補助金が支給されるまでの流れ
①公募発表
↓
②申請
審査までに、聞き取り調査などがある場合もあります。
↓
③審査
書面による審査で採択される場合と、現地調査や面接、プレゼンなどが必要な場合もあります。
また、補助金は予算が決まっている為、もらえない場合もあります(審査合格率は40%)。
↓
④採択発表
実際の事業の開始は、この交付決定日からです。
↓
⑤交付申請
補助金交付規定を確認し、補助金交付申請書の提出。
↓
⑥事業実施
いよいよ補助事業を実施します。
補助対象期間※は、補助金により異なり、半年~2年間です。
※実際に補助事業を実施して経費(補助対象経費)を支払う期間
証憑書類などは、目的通りに使われていることを明確にするため、捨てずに必ず保管すること。
↓
⑦事業終了
事業は、必ず期間内に終了しなければなりません。
↓
⑧実績報告
事業報告書の書面を提出した後に、実施状況を書類・ヒアリングなどで成果確認検査があります。
↓
⑨確定通知書
報告書に不備等がない場合、補助金額が記載された確定通知書が郵送されます。
↓
⑩補助金請求書
確定通知書で決定した額を請求します。
↓
⑪補助金入金
請求書提出後、事務局で確認を行い、指定口座に入金されます。
3.補助事業に必要な事業資金は自社で調達する!
補助金は後払いです。
そのため、補助事業で必要とする事業資金は自社で予め調達しておく必要があります。
“補助金を使って、機械や設備を購入したいけど、高額すぎてとても用意できないなぁ”
“資金繰りが悪いから、補助金を活用して新規事業を始めたいのに、手持ち資金なんて無いよ”
上記などによる資金不足の会社は、「事業資金調達」という壁にぶつかり、補助金支給を断念してしまうという訳です。
今まで補助金支給を断念していた!という方に朗報です!
「公的融資」という方法で、解決できることをご存じですか?
公的融資とは、日本政策金融公庫(政府系金融機関)、民間金融機関からの信用保証協会の保証付き融資のことです。
分かりやすく言うと、国や地方自治体などの、公的金融機関が行っている融資制度のことです。
国によって作られた公的機関のため、銀行や信用金庫などの民間金融機関と比べて、利息も低く、返済の負担も少ないことが、大きな魅力でもあります。
(1)公的融資の内容・特徴
■民間金融に比べて低金利、後払
■固定金利
■長期(5年~10年)が多い
■条件によっては、無担保保証も可能
■税制面での優遇措置もあり
4.補助金の審査に採択(合格)されるということの意味
そもそも、経営状況の厳しさから融資自体を諦めていませんか?
補助金の審査に採択(合格)し交付決定されると、国から補助金が支給されることが確定するため、金融機関が積極的に融資してくれます。
交付決定された企業は、金融機関からすれば、優良な融資先となるためです。
5.もうひとつの秘策は?
資金不足の会社が、公的融資を活用できて、補助金の審査にも採択(合格)しやすくなる
秘策があることをご存知でしょうか。
経済産業省の中小企業向け支援制度として、「経営革新計画」や「経営力向上計画」といった認定制度です。こうした認定制度を取得している会社が、公的融資を申請すると融資の審査で優遇される特別優遇措置があります。
特に日本政策金融公庫は、金利も低利(通常よりマイナス0.9%程度下がる)のため、有利です。
(1)経営革新計画とは
「経営革新」とは、「中小企業新事業活動促進法」と呼ばれる法律により、新商品の開発や新たなサービス展開などの取組と具体的な数値目標を含んだ、3年~5年のビジネスプランのことです。
既存事業に加え、計画には「新しい事業活動」に取り組む内容と、継続的に売上高、収益、付加価値を増やすなどの「実現性のある数値目標」の設定と実行が必要です。
経営革新の承認企業になることによるメリット
①PR効果がある
経営革新計画の承認を受けると、下記のような媒体に掲載されることにより、対外的な宣伝効果があります。
・日刊工業新聞(工業系大手新聞)
・各都道府県のホームページ
・経営革新事例集
②社会の信用度の向上に役立つ
経営革新計画の承認企業は、全国で0.数パーセントしかなく、希少価値があります。また、都道府県の審査に合格した事業を行っているということで、会社の信用度を向上させることができ、営業的にも有利になります。
(2)経営力向上計画とは
「経営力向上計画」は、人材育成、コスト管理等のマネジメントの向上や、設備投資など、
事業者の生産性を向上させる為の計画を策定し、取り組む中小企業を全業種にわたって資金調達、補助金、税制等で支援するものです。
経営力向上計画の認定によるメリット
①固定資産税が3年間半額になる
②各種金融支援を受けることができる
③ものづくり補助金で加点される
6.「ものづくり補助金」では多くの採択企業が活用してます!
補助金ポータル:今注目の「ものづくり補助金」ってどんなもの?
7.まとめ
いかがでしたか?
資金調達はあまり馴染みがなく、方法やタイミングなどの判断も難しいですよね。
しかし、資金調達に失敗してしまうと、「ヒト」「モノ」といった経営資源が確保できず、事業そのものが立ち行かなくなってしまう可能性もあります。
経営者の判断とスピード感が命なので、今回の記事を参考にして頂き、補助金の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
中小企業経営力強化資金のQ&Aも是非お読みください!
https://hojyokin-portal.jp/qanda/chushoukigyoukeieiryoku/