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事業再構築補助金 第10回公募 【物価高騰対策・回復再生応援枠】の要件は?

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令和5年3月より、事業再構築に意欲的な中小企業等を支援する「事業再構築補助金」の第10回公募が開始されました。今回の公募では、従来の「回復・再生応援枠」と「緊急対策枠」を統合し、新たに「物価高騰対策・回復再生応援枠」が設けられました。

この枠は、コロナや物価高騰等により業況がいまだ厳しい事業者に対し、事業再構築への支援を継続するものです。この記事で補助内容や申請要件などを詳しく解説するので、事業再生を推進したいとお考えの対象事業者は、ぜひ参考にしてください。

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この記事の目次

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事業再構築補助金 物価高騰対策・回復再生応援枠の補助金額・補助率

【補助金額】

従業員数 金額
5人以下 100万円~1,000万円
6~20人 100万円~1,500万円
21~50人 100万円~2,000万円
51人以上 100万円~3,000万円

【補助率】
中小企業等:2/3
※従業員数5人以下の場合400万円、従業員数6~20人以下の場合600万円、従業員数21~50人以下の場合800万円、従業員数51人以上の場合1,200万円までは3/4とします。

中堅企業等:1/2
※従業員数5人以下の場合400万円、従業員数6~20人以下の場合600万円、従業員数21~50人以下の場合800万円、従業員数51人以上の場合1,200万円までは2/3とします。

事業再構築補助金 物価高騰対策・回復再生応援枠の対象経費

本事業の対象経費は、必要性や金額の妥当性を証拠書類で証明可能な下記の経費です。

建物費(建物の新築に関しては必要性が認められた場合に限ります) ①事務所や生産施設等、事業計画の実施に不可欠と判断される建物の建設・改修に必要な経費
②補助事業実施に必要な建物の撤去費用
③補助事業実施に必要な賃貸物件等の原状回復費用
④貸工場・貸店舗等へ一時的に移転する場合に必要な経費
〈対象外〉
・構築物に関する経費
・建物の単なる購入・賃貸等
・契約満了に伴う原状回復費用
機械装置・システム構築費 ①機械装置、工具・器具の購入、製作、借用に必要な経費
②専用ソフトウェア・情報システム等の購入・構築、借用に必要な経費
③上記①もしくは②と一体で実施する、改良・修繕、据付け、運搬に必要な経費
〈対象外〉
構築物、船舶、航空機、車両や運搬具に関する経費
技術導入費 知的財産権等の導入費
専門家経費 専門家へ技術指導・助言等を依頼した場合、専門家に支払う経費
〈対象外〉
・申請時の認定経営革新等支援機関等に対する経費
・事業計画の作成を支援した外部支援者への経費
運搬費 運搬料、宅配・郵送料等に必要な経費
クラウドサービス利用費 クラウドサービスの利用に関連した経費
〈対象外〉
・自社の他事業と共有する場合の利用費
・サーバー購入費、サーバー自体のレンタル費等
・パソコン、タブレット端末、スマートフォンなどの本体費用
外注費 補助事業実施のために要する加工・設計・検査等の一部を外注(請負、委託等)する際の経費
〈対象外〉
・外注先が機械装置等の設備やシステム等を購入する際の費用
・外部へ販売やレンタルをするための量産品加工を外注する費用
・事業者が実施するべき手続きの代行
知的財産権等関連経費 新製品・サービスの開発成果の事業化において必要となる、特許権等の知的財産権等の取得に関する弁護士の手続代行費用や、外国特許出願のための翻訳料など〈対象外〉
・本事業の成果に関する発明等でないもの
・補助事業実施期間内に出願手続きを完了していない場合
・出願料、審査請求料、特許料等
・拒絶査定に対する審判請求、もしくは訴訟する場合に必要な経費
広告宣伝・販売促進費 本事業で開発・提供する製品・サービスに関する広告作成、媒体掲載、展示会出展、セミナー開催、市場調査、営業代行利用、マーケティングツール活用に関する経費
〈対象外〉
自社の製品・サービス等の広告や会社全体のPR広告についての経費
研修費 補助事業実施に必要な教育訓練や講座受講等に関する経費
〈対象外〉
・OJTなど日常の業務に就きながら実施される教育訓練
・①研修名②研修実施主体③研修内容④研修受講費⑤研修受講者の5点が明記されていない場合
・不適切とみなされる訓練や講座が計上されている場合
・入学金、交通費、滞在費等
・料金が市場価格とかけ離れている場合

※補助対象外となる経費の詳細は、事業再構築補助金公募要領(第10回)の「7.補助対象経費(2)補助対象経費全般にわたる留意事項」をご参照ください。

事業再構築補助金 物価高騰対策・回復再生応援枠の申請要件について

【補助対象者】
本事業の対象者は、日本国内に本社を保有する中小企業等並びに中堅企業等です。

〈中小企業等〉
下記表の要件を満たし、かつ中小企業者等に含まれる中小企業者以外の法人とします。

出典:事業再構築補助金事務局 事業再構築補助金 公募要領

〈中堅企業等〉
上記〈中小企業等〉に該当せず、資本金の額や出資総額が10億円未満の法人であることとします。(資本金の額や出資総額が定められていない場合は、常勤の従業員数が2,000人以下であることとします)
※対象となる法人格の詳細は補助対象者となる法人格の一覧をご参照ください。

中小企業等がリースで機械装置やシステムを導入する場合は、中小企業等とリース会社による共同申請を認め、リース会社を対象とした機械装置・システム購入費用の補助金交付が可能です。ただし、中小企業等がリース会社へ支払うリース料から、補助金相当分を減額することなどが条件です。

補助対象者の要件については、本事業の公募開始日の時点で満たしていなければなりません。また事業実施期間に限り、申請時点にさかのぼり本事業の補助対象外となる場合があります。(資本金の減資や従業員数の削減を実施し、事業実施期間終了後に再度資本金の増資や従業員数の増員を行うなどした場合)

補助対象事業の要件(物価高騰対策・回復再生応援枠)

「物価高騰対策・回復再生応援枠」の補助対象となる事業の要件は下記の通りです。

事業再構築要件
事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に当てはまる事業である。
※類型の詳細は事業再構築指針をご参照ください。

認定支援機関要件
認定経営革新等支援機関から事業計画の確認を受けている。

付加価値額要件
補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均 3.0%以上増加、もしくは従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%以上増加の見込みがある事業計画を策定する。

売上高等減少要件
下記①②のいずれかに該当することとします。

①2022年1月以降の連続する6か月間で、任意の3か月の合計売上高が対2019~2021年の同3か月の合計売上高と比較し、10%減少している。(この要件を満たさない場合は、2022年1月以降の連続する6か月のうち、任意の3か月の合計付加価値額が対2019~2021年の同3か月の合計付加価値額と比較し、15%以上減少していることでも可とします)

再生要件
再生事業者(再生計画を策定中、もしくは再生計画を策定済かつ再生計画成立後3年以内の者)である。

〈複数の事業者が連携して事業を実施する場合〉
最大20者まで連携して申請できます。この場合の認定支援機関要件については、一部の例を除き免除されます。

〈組合特例〉
協同組合をはじめとした対象となる組合に関しては、対象組合員の従業員数に応じた額を補助上限額にすることが可能です。

【実施期間】
交付決定日~12か月以内(ただし、採択発表日から14か月後の日までとします)

※交付決定後、自己の責任によらないとみなされる理由によって、補助事業実施期間内に完了が不可と見込まれる場合は、実施期間の延長が認められる可能性があります。

事業再構築補助金 申請手続きとスケジュール

【手続きの流れ】
1.申請(電子申請のみ)を行う。
2.事務局より採択結果の通知を受ける。
3.交付申請手続を行う。
4.交付決定後、補助事業を実施する。
5.補助事業の実績報告後、交付額が確定する。
6.補助金が支払われる。

【事業計画作成における注意事項】

  • 事務局が公表する電子申請システム操作マニュアルの指示に従い、入力漏れに注意しながら必要事項を入力してください。添付書類はファイル名確認シートを参照の上、決められたファイル名にする必要があります。
  • 事業計画書の具体的内容に関しては、審査項目を熟読の上で作成し、電子申請システムにPDFファイルを添付してください。
  • 申請対象の事業再構築の類型に関しては、事業再構築指針との関連性の説明が求められます。

【物価高騰対策・回復再生応援枠の提出書類】
〈事業類型共通の提出書類〉

  • 事業計画書
  • 認定経営革新等支援機関・金融機関による確認書
  • 決算書等
  • ミラサポplus「電子申請サポート」の事業財務情報
  • 従業員数を示す書類
  • 収益事業を実施していることを説明する書類
  • 建物の新築が必要であることを説明する書類(建物の新築に関する経費を補助対象経費として計上している場合)

〈物価高騰対策・回復再生応援枠の追加提出書類〉
下記①②のいずれかを選択してください。

①2022年1月以降の任意の3か月の合計売上高、もしくは合計付加価値額が減少していることを示す書類
②中小企業活性化協議会等から支援を受けており、応募申請時に下記A・Bのいずれかに該当することが証明できる書類
A:再生計画等を「策定中」の者である。
B:再生計画等を「策定済」かつ公募終了日からさかのぼり3年以内に再生計画等が成立等した者である。

〈リース会社と共同申請する場合の追加提出書類〉

  • リース料軽減計算書
  • リース取引に関する宣誓書

〈複数の事業者が連携して事業を実施する場合の追加提出書類〉

  • 連携の必要性を証明する書類
  • 連携体者の事業再構築要件に関しての説明書類

〈組合特例を活用する場合の追加提出書類〉

  • 組合特例に関する確認書

〈加点関係の追加提出書類〉

  • 審査での加点を希望する場合に要する追加書類等

【公募スケジュール】
〈応募締切〉
令和5年6月30日(金)18:00

〈採択発表〉
令和5年8月下旬~9月上旬頃(予定)

まとめ

コロナ禍は依然として予断を許さない状況が続き、多くの中小企業へ深刻な影響を及ぼしています。経営難に苦しむ中小企業等にとっては、今後事業再生をどのように行っていくかが重要な課題です。

「物価高騰対策・回復再生応援枠」は、統合により要件等が分かりやすくなりました。コロナや価格高騰の影響で売上高が減少している中小企業等の事業者は、ぜひこの機会に本事業を活用し、事業再構築に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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