<速報>令和7年度【経済産業省】概算要求まとめ(2025年度)

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8月30日、経済産業省の概算要求が公表されました。今回は予算概算要求の主要なテーマと方針を紹介します。経済産業省の新しい取り組みや、重点的に推進される分野についての理解を深めましょう。

9月6日更新
※PR資料の公表に伴い、補助金情報などを更新しました。

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この記事の目次

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経済産業省 令和7年度予算概算要求額

経済産業省関連の要求総額は、2兆3596億円(前年度比24%増)、そのうち、金額が大きいのはGX推進対策費の9818億円で、これは前年度の6429億円から52%増加しています。

また、一般会計は4415億円で、中小企業対策費として1300億円を計上しています。

出典:令和7年度 経済産業省関係 概算要求等概要

なお以下の項目は、金額を示さない「事項要求」とし、予算編成過程で検討します。

  • 産業競争力強化・経済成長及び排出削減の効果が高い GX(グリーントランスフォーメーション)の促進
  • AI・半導体分野における量産投資や研究開発支援等の重点的投資支援
  • 物価高騰等の中で生産性向上に取り組む中小企業・小規模事業者等の成長の下支え
  • 大阪・関西万博の会場整備に関する施策
  • 重要経済安保情報保護活用法の施行に向けた対応
  • 福島復興の着実な実施

経済産業省の7つのテーマ

令和7年度は、以下7つに向けた取り組みを行います。

(1)国内投資拡大の継続・対日投資の拡大:1兆6335億円(令和6年度当初予算 1兆2892億円)
国内での新しい事業や設備への投資を積極的に行い、経済を活性化させます。同時に、海外からの投資を呼び込み、日本の産業をさらに発展させていきます。

(2)イノベーション・新陳代謝の加速:3135億円(令和6年度 2673億円)※(1)のうち 1460億円(1181億円)含む
AIなどこれからの社会を支える新しい技術やサービスの事業環境の整備を行います。

(3)国民の所得向上:1394億円(令和6年度 1112億円)※(1),(2)のうち358億円(265億円)含む
地域の中堅・中小企業・小規模事業者の支援や、ロボット等活用による人手不足等対策、デジタル人材育成などを行います。

(4)GXの実現とエネルギー安定供給の確保 ※(1),(2)で記載
エネルギー自給率向上にかかわる脱炭素エネルギーの供給を拡大するための事業環境整備や、新たな脱炭素技術の社会実装・サプライチェーン構築等を推進します。

(5)経済安全保障の確保:78億円(令和6年度 62億円)
サイバーセキュリティ対策を強化し、脅威やリスク分析の体制を構築します。また、新たな貿易管理の枠組みを含む技術管理を強化し、技術優位性を得るための投資を支援します。

(6)大阪・関西万博:312億円(令和6年度 24億円)
大阪・関西万博の成功に向けて、会場建設や安全確保、各国の参加準備を万全に進めます。

(7)経済社会の基盤を支える最重要課題:856億円(令和6年度 648億円)※(2),(3)のうち 84億円(67億円)含む
ALPS処理水の安全確保と風評対策を行い、日本産食品の輸入規制撤廃に努めます。また、帰還困難区域の復興を進め、新産業の創出や交流人口の拡大などに取り組みます。

これらの7つのテーマは、互いに関連し合いながら、経済成長を支える重要な要素となります。

以下は、主な項目の施策名と要求額です。重点的に推進される分野で、どのような補助事業が計画されているかを把握しましょう。※令和7年度概算要求額の後に、( )で令和6年度当初予算額を記載しています。

GX・省エネ投資の推進

■省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費【1743 億円】(GX)
■省エネルギー設備への更新を促進するための補助金【350 億円(110 億円)】(エネ特)
■高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金【580 億円】(GX)
■中小企業等エネルギー利用最適化推進事業費【32 億円(10 億円)】(エネ特)

原子力など、脱炭素エネルギーの供給拡大

■GXサプライチェーン構築支援事業【777 億円(548 億円)】(GX)
■需要家主導型太陽光発電及び再生可能エネルギー電源併設型蓄電池導入支援事業【113 億円(100 億円)】(エネ特)
■再生可能エネルギー導入拡大に向けた分散型エネルギーリソース導入支援事業【101 億円(15 億円)】(エネ特)
■再生可能エネルギー導入拡大に向けた系統用蓄電池等の電力貯蔵システム導入支援事業【310 億円(85 億円)】(GX)
■エネルギー構造高度化・転換理解促進事業費補助金【79 億円(72 億円)】(エネ特) など

電動車普及に向けた車両購入・インフラ整備や、蓄電池の製造基盤の確立

■クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てんインフラ等導入促進補助金【205 億円(100 億円)】(エネ特)
■クリーンエネルギー自動車導入促進補助金【1000 億円】(GX) 
■蓄電池の製造サプライチェーン強靱化支援事業【1778 億円(2300 億円)】(GX) など

地域の中小企業の発展と良質な雇用創出を目指す取り組み

■中小企業資金繰り支援事業【230 億円(192 億円)】
■中小企業活性化・事業承継総合支援事業【216 億円(146 億円)】
■成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech 事業)【142 億円(128 億円)】 など

ロボット等、最先端の機械や省力化できる設備の活用で人手不足に対応する取り組み

■中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金【20 億円(新規)】
■デジタル・ロボットシステム技術基盤構築事業 【6.0 億円(新規)】
(※ 中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金【1000 億円(R5 補正)】)
(※ 中小企業省力化投資補助事業(カタログ事業)【1,000 億円(R5 補正)】)

経済安全保障の確保

■産業サイバーセキュリティ対策の強化に向けた環境整備事業【57 億円(44 億円)】 など

福島復興・能登半島復興・レジリエンス

■自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金【110 億円(122億円)】(復興特)
■福島イノベーション・コースト構想推進施設整備等補助金(地域復興実用化開発等促進事業)【45億円(45億円)】(復興特) など

省エネ補助金の概要


▼省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費【1743 億円】(GX)
この事業は、工場や事業所で省エネ効果の高い設備に更新する取り組みを支援するものです。(sii 省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金の (Ⅰ)工場・事業場型 (Ⅱ)電化・脱炭素燃転型 (Ⅳ)エネルギー需要最適化型に該当)

【Ⅰ工場・事業場型】
工場や事業場全体で、目的や用途に合わせた設備や最新の設備を導入する。
補助率:中小企業1/2以内、大企業1/3以内(一定の要件を満たす場合には中小企業2/3以内、大企業1/2以内等)、上限額:15億円(非化石転換設備の場合は20億円等)

【Ⅱ電化・脱炭素燃転型】
化石燃料から電気や低炭素な燃料に切り替えるための設備導入を行う。
補助率:1/2以内、上限額:3億円(電化の場合は5億円)

【Ⅳエネルギー需要最適化型】
エネルギー管理業者と一緒に作成した計画に基づき、エネルギーマネジメントシステム(EMS)や高効率な設備を導入する。
補助率:中小企業1/2以内、大企業1/3以内、上限額:1億円

・補助率等は今年度から変更なしの見込み


▼省エネルギー設備への更新を促進するための補助金【350 億円(110 億円)】(エネ特)
この事業では、工場や事業所で省エネ性能が高い設備や機器に取り替える費用を支援します。sii 省エネルギー投資促進支援事業費補助金の(Ⅲ)設備単位型、(Ⅳ)エネルギー需要最適化型に該当します。

(Ⅲ)補助率:1/3以内、上限額:1億円、
(Ⅳ)補助率:中小企業1/2以内、大企業1/3以内、上限額:1億円

・補助率等は今年度から変更なしの見込み

給湯省エネ事業の概要


家庭で使うエネルギーを減らすために、高効率な給湯器(ヒートポンプ給湯機、ハイブリッド給湯機、家庭用燃料電池)の導入費用を補助します。特に、昼間の余った再生可能エネルギーを活用できるタイプには、補助金を増額します。また、寒冷地で高額な電気代の原因となっている蓄熱暖房機などを取り除く場合、補助金を加算します。

需要家主導型太陽光発電、再生可能エネルギー電源併設型蓄電池導入支援の概要


(1)需要家主導型太陽光発電導入支援事業
再エネ利用を希望する需要家が、発電事業者や自らで太陽光発電設備を設置し、FITやFIP制度を使わずに、長期間再生エネルギーを使う契約をする場合、太陽光発電設備の導入を支援します。

(2) 再生可能エネルギー電源併設型蓄電池導入支援事業
再生可能エネルギーの電力供給を安定させるため、一定規模以上の蓄電池を併設する場合に支援を行います。

再生可能エネルギー導入拡大に向けた系統用蓄電池等の電力貯蔵システム導入支援事業の概要


再生可能エネルギーの普及を早めるために、調整力等として活用可能な系統用蓄電池や水電解装置等の電力貯蔵システムの導入費用を補助します。

クリーンエネルギー自動車導入促進補助金の概要


▼クリーンエネルギー自動車導入促進補助金【1000 億円】(GX)
電気自動車や燃料電池自動車の購入費用を一部補助し、初期需要を増やして、量産による価格引き下げを進めます。また、需要の増加を見越して、企業の生産設備や研究開発への投資を後押しします。


▼クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てんインフラ等導入促進補助金【205 億円(100 億円)】(エネ特)
(1) 充電インフラ整備事業
電気自動車やプラグインハイブリッド車の充電設備や、V2H充放電設備、外部給電器の購入費などを補助します。

(2) 水素充てんインフラ整備事業
燃料電池自動車等の普及に必要な水素ステーションの整備費や運営費を補助します。

まとめ

経済産業省の令和7年度概算要求では、GXの推進やAI・半導体分野への投資、中小企業支援などに重点を置いています。特に、省エネや脱炭素エネルギーの普及に向けた取り組みが強化され、予算も大きく増えています。これからますます重要な分野として力を入れていくことが考えられますので、この動きに注目していきましょう。

▼中小企業庁 「中小企業対策」予算の内容はこちら!

<速報>令和7年度【中小企業庁】概算要求まとめ(2025年度)

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