
原材料費やエネルギーコストの高騰が続く中、製造業や関連産業では経営の見直しとともに、従業員への賃上げも求められる状況が強まっています。特に地域に根差した中小企業にとっては、物価上昇への対応と人材の定着・確保を両立させるための工夫が必要不可欠です。
こうした背景を踏まえ、長崎県では、「賃上げ」と「設備投資」を両立させる中小企業を支援する目的で、「長崎県製造業賃上げ対応型投資促進補助金(物価高騰克服タイプ)」を実施しています。本記事では、この補助金の概要や対象要件、申請スケジュールについて解説します。
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この記事の目次
長崎県製造業賃上げ対応型投資促進補助金とは
この補助金は、長崎県内で製造業や機械設計業を営む中小企業を対象に、物価高への対応とともに、賃上げや設備投資に取り組む企業を支援する制度です。
研究開発や設備導入、業務の効率化などにかかる費用が対象となっており、経営の安定と働きやすい職場づくりの両立を目指す取り組みを後押しします。短期的な支援にとどまらず、将来を見据えた成長の基盤づくりにつながる制度です。
補助率・補助額
本補助金では、補助対象経費に対して補助率2/3が適用され、補助上限額は100万円、下限額は30万円に設定されています。対象経費には、以下のような幅広い項目が含まれます。- 研究開発費:新たな製品などの開発にかかる費用
- 設備投資費:機械装置やソフトウェア・情報システムなどの導入・更新費用
- 営業経費:販路拡大やマーケティング活動にかかる費用
- 生産効率化経費:生産性向上のための改善や研修などにかかる費用
物価高騰の影響克服、経営改善等に向けて実施する生産性向上に資する事業に直接必要な経費が補助対象経費になります。
対象者と対象要件
補助対象となるには、以下のすべての要件を満たしている必要があります。
【基本的な要件】 |
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- 製造業または機械設計業を営み、1年以上の事業実績があること - 長崎県内に本店または主たる事業所を有し、県内で事業を実施していること - 政治・宗教団体、暴力団関係者ではないこと - 各種税金(法人税・県税・地方消費税など)に滞納がないこと - 「長崎県物価高騰対策支援事業費補助金(生産性向上タイプを除く)」を既に受けていないこと - 以下のいずれかに該当すること (1) Nぴか認証企業である、または認証申請を行っている (2) パートナーシップ構築宣言を作成し、公表している |
【賃上げに関する要件】 |
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- 事業場内の最低賃金が、県の最低賃金を50円以上上回っている、または令和7(2025)年10月までにその水準に引き上げる予定がある - 賃上げの具体的な計画を記載した「賃金引上計画」を提出できること |
上記のように、本制度は単なる設備投資補助ではなく、「賃上げ」を伴う前提が必要とされており、人材確保や雇用環境の改善を支援の軸に据えています。
申請スケジュール
申請受付期間は、令和7(2025)年3月6日(木)から7月31日(木)までです。
この間に、必要書類を整えて長崎県の窓口へ申請を行う必要があります。期間内であっても、予算が上限に達した場合には受付が終了する可能性もあるため、早めの準備が推奨されます。特に、事業計画書や賃上げ計画の策定には一定の時間を要するため、余裕を持ったスケジュールで取り組むことが重要です。
まとめ
この補助金は、物価高騰への対応を迫られる中小企業の現状に寄り添い、同時に従業員の処遇改善という社会的な課題にも対応する、非常に実効性の高い制度です。研究・開発や生産性向上に向けた設備投資を計画している企業にとって、単なる資金援助ではなく、事業成長と働き方改革を同時に実現するチャンスといえるでしょう。
長崎県で事業を展開する製造業・機械設計業の皆さまは、この補助金を有効に活用して、未来への一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
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