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【2026年度・令和8年度】脱炭素ビルリノベ事業の補助率・対象・申請手順を徹底解説

公開日:2024/5/30 更新日:2026/10/27
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「空調や窓が古くなって光熱費がかさんでいる」「設備更新の時期だが、費用が重くて踏み切れない」。既存のオフィスビル、ホテル、病院・福祉施設、学校、飲食店・小売店などで、こうした悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。

その省エネ改修を後押しする国の制度が「脱炭素ビルリノベ事業」(正式名称:業務用建築物の脱炭素改修加速化事業)です。断熱窓・断熱材は費用の1/2、高効率空調・LED照明・業務用給湯器・BEMSは1/3(AI制御付き空調は1/2)が補助され、1事業あたり最大10億円まで受け取れます。企業規模の制限はなく、テナント入居の店舗や中小規模のビルでも活用できます。

令和8年度の公募締切は2026年11月30日(月)ですが、交付決定額の合計が予算額に達した時点で、期間内でも受付が終了します。本記事では、「自分の建物は対象になるのか」「いくら補助されるのか」「何から始めればよいのか」が分かるよう、補助率・対象設備・申請手順・つまずきやすい注意点まで詳しく解説します。

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この記事の目次

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脱炭素ビルリノベ事業(令和8年度)とは

脱炭素ビルリノベ事業は、既存の業務用建築物における外皮(窓・壁等)の高断熱化と高効率設備の導入を支援することで、ZEB基準水準の省エネ性能の実現と普及を目指す補助制度です。正式名称は「業務用建築物の脱炭素改修加速化事業」で、環境省所管、一般社団法人 環境共創イニシアチブ(SII)が執行を担います。

項目内容
正式名称令和8年度 脱炭素成長型経済構造移行推進対策費補助金(業務用建築物の脱炭素改修加速化事業)
通称脱炭素ビルリノベ事業
実施主体環境省/一般社団法人 環境共創イニシアチブ(SII)
公募期間2026年6月4日(木)〜2026年11月30日(月)23:59
採択方式随時審査・随時交付決定(2026年7月下旬から順次)
事業期間最大3年間(複数年度事業可、令和10年度まで)
申請プラットフォームjGrants(GビズIDプライム必須)
上限/下限10億円/200万円

公募期間内であっても、交付決定額の合計が予算額に達した場合は受付終了となります。交付決定案件は公式サイトの「交付決定案件一覧」で随時公表されており、採択は申請順に進んでいます。早期申請が採択のカギです。

補助対象となる建築物

本事業の対象は、国内の既存の業務用建築物です。新築・増築は対象外で、改修工事を伴う事業に限ります。

具体的には以下の用途が対象です。

・事務所等(オフィスビル、官公署)
・学校等
・ホテル等
・病院等(老人ホーム、福祉ホーム含む)
・百貨店等(小売店舗、ショッピングセンター含む)
・飲食店等
・集会所等(図書館、体育館、映画館等)

一方で、以下の用途は補助の対象になりません。

・工場、倉庫、車庫等
・住宅(集合住宅、寮等含む)
・風営法該当施設(パチンコ店、キャバレー等)
・改修前に『ZEB』『Nearly ZEB』『ZEB Ready』『ZEB Oriented』のBELS認証取得済の建築物(ランクアップする場合を除く)

複数用途が混在する建築物は、用途区分ごとにBPI/BEIを達成する必要があります。一部の用途のみを申請する場合は、建物全体で20%以上の一次エネルギー消費量削減が必要です。用途変更を伴う改修も、変更後の主たる用途が対象用途であれば申請できます。

店舗(飲食店・小売店)の窓断熱も対象

店舗の窓断熱についても本事業の対象です。窓断熱はガラス交換、カバー工法、はつり工法、内窓設置のいずれにも対応しており、店舗にとって以下のメリットが期待できます。なお、遮熱シート・遮熱フィルムは補助対象外です。

【本制度を活用する店舗のメリット】
・空調負荷低減による光熱費削減
・客席の温度ムラ・コールドドラフト解消による快適性向上
・UVカットによる商品・什器の日焼け抑制
・結露・カビ防止による衛生環境改善

過去の活用事例

本制度では、複数年度事業を活用した大規模改修も含め、過年度には以下のような事例があります。公式サイトでは事務所等の活用事例が随時更新されています。

・事務所:山下ビル(一次エネルギー削減58%)
・学校:カリタス女子中学高等学校体育館(同52%)
・福祉施設:特別養護老人ホーム新和苑(同46%)

参考:脱炭素ビルリノベ2026事業 公募情報(活用事例)

補助対象設備と補助率

本事業は、以下の3つの柱で構成されており、それぞれに対応する設備が補助対象です。横断的な経費として「設計費」も補助対象に含まれます。

柱内容対象設備
①外皮の高断熱化改修後のBPIを1.0以下に断熱窓・断熱材
②高効率設備の導入用途に応じて30%/40%以上の一次エネ削減高効率空調・制御機能付きLED照明器具・業務用給湯器
③エネルギー管理エネルギー使用状況の見える化と5年間報告BEMS等

各柱で導入が必須となる設備の組み合わせが決まっています。最低構成は「②から1点+③のエネルギー管理」、現状BPIが1.0超の場合はさらに「①から1点」が加わります。既存設備の更新だけでなく、新規導入も対象です。以下、柱ごとに詳しく解説します。

①外皮の高断熱化(断熱窓・断熱材)

改修後の外皮性能BPI(Building PAL Index)を1.0以下にするための改修です。現状BPIが1.0超の建築物では、断熱窓または断熱材のいずれか1つの導入が必須となります。現状BPIがすでに1.0以下の場合は任意です。

【外皮性能BPIとは】
外皮(窓・壁・屋根等)の断熱性能を示す指標で、1.0が省エネ基準のライン(小さいほど高性能)です。

補助率は、いずれも補助対象経費の1/2です。

設備補助率主な性能要件
断熱窓1/2ガラス交換・カバー工法・はつり工法はUg1.9以下またはUw3.5以下
内窓設置はUw1.9以下
断熱材1/2種類別の熱伝導率基準
(押出法ポリスチレンフォーム0.028以下、グラスウール0.039以下等)

断熱窓・断熱材はSIIが独自に採番した「SII型番」が発行されているため、見積取得時はメーカー型番とSII型番を併記してもらう必要があります。

②高効率設備の導入(空調・LED・給湯器)

省エネ基準からの一次エネルギー消費量削減(事務所等・学校等は40%以上、ホテル等・病院等・百貨店等・飲食店等・集会所等は30%以上)を達成するために、高効率な設備を導入します。空調・LED照明・業務用給湯器のいずれか1つ以上の導入が必須です。

補助率は原則として補助対象経費の1/3ですが、AI制御付きの高効率空調は「トップ性能枠」として1/2に拡充されます。

設備補助率主な性能要件
高効率空調(通常)1/3電気式パッケージエアコン(EHP)はトップランナー基準のAPF値クリア
ガスヒートポンプエアコン(GHP)/チリングユニット/吸収式冷凍機/ターボ冷凍機は性能区分別の基準
高効率空調(トップ性能枠)1/2トップランナー基準達成率が店舗用111%・ビル用109%・設備用107%以上、かつ同一メーカーのAI制御システムを導入
制御機能付きLED照明器具1/3照明制御による省エネ効果を発揮できる機器
(管球のみは対象外)
業務用給湯器1/3ヒートポンプ給湯器は年間加熱効率3.5〜4.0以上
潜熱回収型給湯器は給湯熱効率94%以上

トップ性能枠は「大きな省エネ性能と波及効果が期待され、かつ普及が初期段階」の製品が対象です。大型物件で空調費用の占める割合が大きい案件では、補助率の差が大きく効いてきます。

なお、新設する空調機の冷媒はGWP(地球温暖化係数)675以下が推奨されており、R22機器の更新時は適切な破壊処理が必要です。

③BEMS等によるエネルギー管理

事業完了後のエネルギー使用状況を計測・記録するため、原則としてBEMS(Building Energy Management System)を導入します。ただし、公募要領の「エネルギー使用状況の計測・保存に関する要件」を満たすシステムであれば代替可能で、要件を満たすBEMSが既に導入済みの場合は新たな設置は不要です。

補助率は補助対象経費の1/3です。

設備補助率主な要件
BEMS1/330分以内のデータ粒度で計測・保存
建物全体および設備区分ごとのエネルギー使用量を把握可能
JC-STAR★1以上(太陽光・蓄電池の出力制御を行う場合)

BEMS本体に加えて、中央監視装置、伝送装置、通信装置、制御配線、制御機器、盤類、計測計量装置も対象に含まれます。一方、型番登録されていないデータロガーや各種センサー等は補助対象外です。

令和8年度からは、延べ面積10,000㎡未満の建築物に限り、計測範囲を「空調+改修した設備区分」のみとすることが認められました。中小規模ビルのBEMS導入コストと手間が軽減されています。

設計費(横断的な経費)

補助対象製品の導入に係る基本設計・実施設計の費用と、BELS認証取得に必要な費用(評価料金、BELSプレート1枚分)が補助対象です。補助率は補助対象経費の1/2で、令和8年度から明示されました。工事監理費や諸経費は、国土交通省の積算基準に基づいて算出した額が上限となります。

ただし、交付決定前に契約・実施した設計業務(ZEB化可能性調査等を含む)は補助対象外です。ZEBプランナーの関与は必須ではないものの、BPI/BEI計算やWebプログラムの操作には専門知識が必要なため、設計費を補助対象に含めて専門家と組む選択は合理的です。

補助金の上限・下限

上記の補助率で計算した各設備の補助額(補助対象経費×補助率)を合算した、1事業あたりの補助金総額の上限額・下限額は以下のとおりです。合算額が200万円に満たない場合は申請できず、10億円を超える分は補助対象外となります。

・上限額:1事業あたり10億円
・下限額:1事業あたり200万円

「1事業」は建築基準法における「一の建築物」の単位で申請します。補助対象経費には、設備費・工事費(搬入・据付・試運転調整等)と設計費が含まれます。既存機器の撤去・処分費や冷媒ガス処理費は対象外です。

申請要件(環境性能の基準)

補助を受けるためには、改修後の建築物が以下の環境性能基準を満たす必要があります。

外皮性能(BPI)

改修後のBPI(Building PAL Index)≦1.0を達成すること。BPIは建築物の外皮性能を示す指標で、1.0以下で省エネ基準水準の外皮性能を意味します。

一次エネルギー消費量の削減

省エネ基準からの削減率(BEI:Building Energy Index)が用途に応じて以下を達成すること。

・事務所等・学校等:40%以上削減(BEI≦0.6)
・ホテル等・病院等・百貨店等・飲食店等・集会所等:30%以上削減(BEI≦0.7)

計算は建築研究所の省エネ計算用Webプログラムで実施します。標準入力法またはモデル建物法のいずれも利用可能です。

BEMS等によるエネルギー管理

事業完了後、BEMS等によりエネルギー使用状況を見える化し、30分以内のデータ粒度で計測・記録します。建物全体および設備区分ごとのエネルギー使用量を月単位で取りまとめ、「ZEB Platform」を通じて年1回・5年間SIIに報告する必要があります。

BELS認証取得

事業完了時に、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)による第三者認証を取得することが必要です。取得期限は、単年度事業の場合2027年1月31日まで、複数年度事業の場合は交付決定から1年以内または最終年度1月31日のいずれか早い方です。BELS審査の結果、一次エネルギー削減率が交付決定時の値を下回った場合は、原則として補助金を受け取れません。

補助対象者

以下のいずれかに該当する事業者が対象です。企業規模による制限はありません。

・民間企業
・個人事業主(原則、青色申告者に限る)
・独立行政法人・地方独立行政法人
・国立大学法人・公立大学法人・学校法人
・社会福祉法人
・医療法人
・一般社団法人・一般財団法人・公益社団法人・公益財団法人
・地方公共団体
・その他環境大臣の承認を得てSIIが適当と認める者

主な要件は以下のとおりです。

・補助対象設備の所有者であり、処分制限期間(法定耐用年数)にわたり継続的に使用する者
・事業報告時に年間エネルギー使用量を5年間報告できる者
・環境省から補助金停止・指名停止措置を受けていない者
・公的資金の交付先として適切と認められる者
・会計検査院の現地検査等に対応可能な者
・旧耐震基準の建築物については新耐震基準の耐震性を満たすこと(補助対象事業と同時に耐震改修を実施する場合は対象)

建物所有者と設備所有者が異なる場合は、両者の共同申請が原則です。テナントが設備所有者となる場合は建物所有者とテナントが共同で申請し、リースを活用する場合はファイナンスリース契約に限り、リース事業者を代表として建物所有者等と共同申請します(残価設定・割賦・所有権移転付きリースは不可)。

令和8年度で追加された要件

令和8年度公募では、サイバーセキュリティや脱炭素の波及効果に関する要件が新規追加または強化されました。該当する事業者は事前確認が必須です。

【JC-STAR★1以上の取得】
事業期間内に太陽光発電設備・蓄電池、またはそれらの出力制御を行うBEMSを導入する場合、JC-STAR★1以上のラベル取得品に限られます。申請時点での取得は必須ではありませんが、事業完了日までに取得を完了する必要があります。IP通信を用いない設備は対象外です。

【フロン排出抑制法の遵守】
新設する空調機の冷媒はGWP(地球温暖化係数)675以下を推奨、自然冷媒の使用も推奨されます。R22(特定フロン)機器を更新する場合は、適切な破壊処理が必要です。

【多排出企業の追加要件】
2022年度CO2排出量20万トン以上の民間企業は、以下の両方を満たすこと。
・GXリーグまたはGXフューチャー・リーグへの参加表明(Scope1・2の削減目標設定・報告等)
・ペロブスカイト太陽電池等の新技術導入方針の表明

【テナントビルの追加要件】
テナント入居型ビルでは、「リーディングテナント行動方針」への賛同登録が必要です。

【ZEB認証取得済建築物の取扱い】
改修前にすでに『ZEB』『Nearly ZEB』『ZEB Ready』『ZEB Oriented』のBELS認証を取得している建築物は原則対象外です。ただし、認証ランクをアップさせる改修は対象になります。逆に改修の結果ZEBランクに到達する場合は、ZEBリーディング・オーナー登録が必須です。

複数年度事業として実施する場合

本事業の特徴のひとつが、最大3年間(令和10年度まで)、年度の切れ目なく事業を実施できることです。国庫債務負担行為を活用し、大規模改修にも対応できます。

主な要件は以下の通りです。

・各年度の補助金上限額は交付申請書に記載された各年度の申請額を上限とする
・支払いは各年度中に完了させること(概算払請求は初年度2027年3月4日まで)
・各年度事業完了時点で、設備・工事等の項目ごとに成果品があること(機器・材料の購入のみは不可)
・最終年度はその年度の1月31日までに事業を完了すること

各年度の予算枠は決まっているため、超過しての採択はされません。一方で、初年度は設計のみ契約し2年目に工事契約を結ぶスケジュールや、初年度中に契約・中間報告が可能であれば2年度目からの着工も認められています。また、大規模な建築物に限り、改修完了年度から3年度以内に自費の追加改修でBEI要件を達成する計画であれば、最大6年の事業実施も可能です(事前にSIIへ相談)。

申請の流れ

申請から事業完了までの主な流れは以下の通りです。

・改修計画の立案:ZEBプランナー等と相談しながら改修計画を立案。Webプログラムで改修後のBPI・BEIを試算(公式サイトの「申請可否チェックシート」で事前確認可)
・GビズID取得:未取得の場合はGビズIDプライムを取得(2週間程度)
・提出書類の作成:公式サイトから最新版の指定様式をダウンロードして作成(様式は順次更新されるため要注意)
・電子申請(交付申請):jGrantsに入力し、書類を添付して申請。申請後は入力内容を修正できない
・審査・交付決定:SIIによる審査後、随時交付決定(ここまでは契約・発注不可)。不備があればメール・電話で修正依頼
・事業実施:工事の発注・実施
・中間報告:契約締結後、着工前写真等を提出。SIIによる中間検査
・実績報告:事業完了から30日以内または2027年2月5日のいずれか早い日までに実績報告書を提出
・確定検査・補助金支払い:SIIの確定検査後、単年度事業は2027年1月末〜3月末に支払い
・成果報告(事業報告):完了後5年間、年1回エネルギー使用状況を報告

申請時には、ZEBプランナーへの相談が推奨されます。ZEBプランナーは、SIIが公募・登録するZEB計画・設計の専門家で、設計サポートや申請書類作成支援を行います。ZEBプランナー検索はSIIサイトから利用できます。公式サイトでは個別相談の申込みも受け付けています。

申請時の注意点

申請時につまずきやすい注意点を解説します。

交付決定前の発注・契約は補助対象外

最も多いミスがこれです。設備の発注、工事の契約はもちろん、設計契約も必ず交付決定後に行ってください。交付申請書を提出した後であっても、交付決定前に契約した場合は補助対象外となります。

3者見積もりが必要

設備・工事は原則として競争入札または3者以上の見積もりが必要です。申請時は1者の参考見積もりでも可ですが、交付決定後の業者選定時には3者見積もりが必要で、確定した見積書は契約締結前にSIIへ提出します。1者のみの随意契約は、事前にSIIが監督官庁に確認し認められた場合に限り、理由書の提出で対象となります。

対象設備は登録された製品のみ

補助対象となる設備は、SIIに型番登録された新品の製品に限られます(中古品は対象外)。SIIの型番検索システムで事前確認してください。なお、断熱窓・断熱材・空調設備・照明設備については、GX推進に関する表明を行ったメーカーが登録した製品に限られます。

自社製造品は製造原価で計上する

自社で製造する製品を自社の事業所に導入する場合、利益相当分を排除した製造原価で計上する必要があります。自社施工となる場合も事前にSIIへの相談が必要です。

BELS認証は取得期限がある

単年度事業は2027年1月31日まで、複数年度事業は交付決定から1年以内(または最終年度1月31日のいずれか早い方)にBELS認証を取得しないと、補助金が交付されないリスクがあります。交付申請前にBELSを取得している場合も申請は可能ですが、その取得費用は補助対象外です。

他の省エネ補助金との比較

業務用建築物の省エネ改修に活用できる補助金は本事業以外にも複数あります。主要なものとの違いを整理します。

補助金名対象主な補助率特徴
脱炭素ビルリノベ事業
(本事業)
既存業務用建築物の脱炭素改修1/2〜1/3上限10億円・複数年度可・BPI/BEI要件
ZEB実証事業新築・既築のZEB化1/2〜2/3ZEB認証取得が前提
省エネ・非化石補助金
(経産省)
工場・事業場の省エネ設備導入1/3〜1/2工場含む幅広い業種
省力化投資補助金中小企業の省力化機器導入1/2設備の汎用性が低くなる傾向
自治体独自の省エネ補助金地域による1/3〜1/2自治体ごと、本事業との併用可否要確認

飲食店・小売店向けには、本事業のほか、自治体独自の制度(東京都「中小規模事業所のゼロエミッションビル化」等)も活用できます。同一設備への国の補助金の重複は不可ですが、地方独自の財源との併用は原則可能です(ただし脱炭素化推進事業債との併用は不可)。事前確認を推奨します。

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よくある質問

テナントビルでも申請できる?

申請できます。テナントが設備所有者となる場合は、建物所有者とテナントの共同申請となります。また、テナント入居型ビルでは「リーディングテナント行動方針」への賛同登録が必要です。

一部のフロアだけの改修も対象になる?

原則として「一の建築物」単位での申請ですが、一部用途のみの申請も可能です。その場合、申請用途ごとのBEI達成に加えて、建物全体で20%以上の一次エネルギー消費量削減が必要となります。

リース契約の設備でも対象になる?

ファイナンスリース契約に限り活用できます。リース事業者を代表として、建物所有者等との共同申請になります。リース料金から補助金相当分が減額されていることと、法定耐用年数の間使用する前提の契約であることが条件です。

ZEBプランナーへの依頼は必須?

必須ではありませんが、BPI/BEI計算や設計の専門性が必要なため、ZEBプランナーの関与が強く推奨されます。

設計だけ先に発注できる?

交付決定前の発注は補助対象外となります。設計費も補助対象経費に含まれるため、交付決定後に正式発注してください。設計費を含めて申請する場合、申請時は1者の参考見積もりで可です。

飲食店の改修にも使える?

飲食店等は対象用途に含まれており、活用可能です。BEIで30%以上の一次エネルギー削減が要件となります。なお、厨房機器等の電気・ガス設備は計測対象外です。

過去に他の補助金を使った建物も申請できる?

同一製品に対する2つ以上の補助金の併用は認められませんが、別設備での申請は可能な場合があります。本事業の交付決定前に他の国庫補助金の交付が決定した場合は、速やかにSIIへ連絡が必要です。

補助金はいつ支払われる?

単年度事業は、完了実績報告書の審査完了後、2027年1月末〜3月末の支払いが予定されています。複数年度事業は、最終年度以外は各年度末までに概算払い、最終年度は1月末〜3月末の支払いです。


まとめ

令和8年度 脱炭素ビルリノベ事業は、業務用建築物の省エネ改修を強力に支援する制度です。事務所・ホテル・飲食店・店舗・学校等の幅広い建築物が対象で、最大10億円までの補助が受けられます。

令和7年度からの主な変更点は、申請プラットフォームのjGrants化と外皮補助の定率1/2化です。設計費の補助明示や中小規模ビルのBEMS要件緩和など、使いやすさも向上しています。GビズID取得には時間がかかるため、検討開始と同時に取得手続きを始めることをお勧めします。

公募期間は2026年6月4日〜11月30日ですが、交付決定は随時行われており、予算上限到達時点で受付終了となります。早期申請が採択のカギです。専門性が高い制度のため、ZEBプランナーや申請サポートの専門家との連携を検討しつつ、最新の公募要領・様式を確認しながら計画的に申請準備を進めましょう。

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