総務省が2026年7月29日に公表した人口動態調査で、日本人人口が1億1973万6483人と、42年ぶりに1億2000万人を下回ったことが明らかになりました。前年比マイナス91万6744人という減少数は、1968年の調査開始以降で過去最大です。
一方、外国人住民は前年から35万3696人増えて403万1159人となり、初めて400万人を超えました。生産年齢人口の中で外国人が占める割合は着実に高まり、その86.17%が15〜64歳です。少子化・人手不足・外国人材の受け入れという構造課題が、統計に現れた形です。
こうした構造課題に応える形で、国や自治体はさまざまな補助金・助成金・給付金を用意しています。この記事では、人口動態調査2026の要点を整理したうえで、少子化対策・省力化投資・外国人材の受け入れ・地方創生など、日本の人口課題に応える主要な補助金制度を横断的に紹介します。
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この記事の目次
人口動態調査2026の要点|3つの数字で読む日本の人口の現在地

2026年1月1日時点の住民基本台帳をもとにした人口動態調査の要点は、日本人人口の42年ぶりの1億2000万人割れ、外国人人口の初400万人超え、東京都を除く46道府県での減少の3点です。数字の背景を確認します。
日本人人口は1億1973万人|42年ぶりに1億2000万人を割った
日本人人口は1億1973万6483人で、前年から91万6744人(0.76%)減りました。17年連続の減少で、減少数・減少率とも1968年の調査開始以降で最大です。1億2000万人を下回るのは1984年以来42年ぶりです。
2025年の1年間で、日本人の死亡者数は159万3475人、出生者数は67万467人でした。出生者数は1979年の調査開始以降で最も少なく、死亡から出生を差し引いた自然減は過去最大の92万3008人となりました。
外国人人口は403万人|初の400万人超え、増加率9.62%
外国人住民は403万1159人で、前年から35万3696人(9.62%)増加しました。外国人集計を始めた2013年以降で最多です。総人口に占める外国人の割合は3.26%になり、国外からの転入者数も過去最多の72万988人でした。
外国人の生産年齢人口比率は86.17%と高く、労働力人口としての存在感が急速に高まっています。とくに三大都市圏への集中が鮮明で、外国人住民の68.65%が東京・大阪・名古屋圏に居住しています。
東京都だけが増加|46道府県で日本人人口が減少
日本人人口が増えたのは東京都のみで、他の46道府県は減少しました。減少数の上位は北海道(マイナス5万8104人)、兵庫県(マイナス4万1113人)、静岡県(マイナス3万9638人)です。減少率では秋田県(マイナス1.95%)、青森県・高知県(ともにマイナス1.70%)と東北地方が厳しい状況です。
外国人と合わせた総人口ベースでは東京都・大阪府・千葉県の3都府県のみが増加し、三大都市圏の人口シェアは53.31%と14年連続で拡大しました。地方の人口減少と大都市圏への集中が同時進行しています。
なぜ補助金制度が人口動態に応えるのか|3つの構造課題
人口動態調査が示す3つの構造課題は、少子化と出生数の減少・生産年齢人口の縮小による人手不足・外国人材の急速な受け入れ拡大です。それぞれに国と自治体の補助金・給付金制度が対応しています。
- 少子化・出生数の減少 → 児童手当拡充、出産・子育て応援給付金、両立支援等助成金
- 生産年齢人口の縮小と人手不足 → 省力化投資補助金、IT導入補助金、業務改善助成金
- 外国人材の急拡大 → 人材確保等支援助成金 外国人労働者就労環境整備助成コース、自治体独自の受入補助金
少子化・子育て世帯を支える給付金・補助金制度
出生数67万人という過去最低水準に対して、国は児童手当の拡充、出産・子育て応援給付金、育児休業給付の充実など、複数の給付金・支援制度を組み合わせて対応しています。個人向けの主な制度と、企業側で活用できる助成金を紹介します。
子育て世帯向けの主な給付金・支援制度
児童手当は2024年10月から所得制限が撤廃され、対象が高校生年代まで拡大しました。第3子以降は月3万円が支給される制度改正が行われています。あわせて、出産・子育て応援給付金として妊娠時と出生時にそれぞれ5万円相当が支給される仕組みも継続しています。
2026年度は物価高対策の追加給付や、こども・子育て支援金制度の段階的な導入も進んでいます。年齢別・世帯類型別の支援制度を整理したい方は以下の関連記事を参考にしてください。
企業向け|両立支援・くるみん助成金など子育て支援の助成金
企業が育児と仕事の両立を支援する取り組みに対しては、両立支援等助成金の各コースが用意されています。出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)は1人あたり最大30万円が支給され、男性育休の取得を後押しします。
くるみん認定を取得した中小企業には、くるみん助成金として最大50万円が支給されます。子育てに配慮した職場づくりは、離職防止と採用力強化にもつながる投資と位置づけられています。
人手不足を補う省力化投資補助金・設備投資支援
生産年齢人口の減少に対して、企業が「少人数で回す仕組み」を導入するための代表的な支援策が中小企業省力化投資補助金です。一般型は最大1億円、カタログ注文型は最大1500万円の補助が受けられます。
中小企業省力化投資補助金|一般型・カタログ注文型の2類型
省力化投資補助金は、人手不足に悩む中小企業がロボット・自動化設備・IoT機器などを導入する費用を補助する制度です。オーダーメイドの投資に対応する「一般型」と、あらかじめ登録された製品を選ぶ「カタログ注文型」の2類型があります。
賃上げ要件を満たすと補助上限が引き上げられる仕組みが導入されており、賃上げと省力化投資を同時に進める企業を優遇する設計になっています。
建設業・現場労働の人手不足対策に使える補助金
建設業は生産年齢人口減の影響を最も強く受ける業界の一つです。人材確保等支援助成金(建設分野)、キャリアアップシステム関連助成、業界特化のDX支援など、複数の支援策が整備されています。
外国人材の採用・環境整備で使える助成金
外国人住民が9.62%増と急拡大するなか、企業側の受け入れ環境整備を後押しする助成金が拡充されています。国レベルでは「人材確保等支援助成金 外国人労働者就労環境整備助成コース」、自治体レベルでは県や市の独自補助金があります。
人材確保等支援助成金 外国人労働者就労環境整備助成コース|最大80万円
外国人労働者の就労環境を整えた中小企業を対象に、最大80万円が支給される助成金です。多言語対応マニュアルの作成、翻訳ソフトの導入、社内通訳の配置、キャリアパス制度の整備などが対象です。
離職率が一定水準を下回るなどの成果要件を満たすことで、目標達成助成が加算される設計になっています。
外国人雇用で使える他の助成金と自治体独自制度
外国人労働者の雇用ではキャリアアップ助成金や特定求職者雇用開発助成金の対象になるケースもあります。加えて、外国人材の集中する自治体では独自の受け入れ支援制度を整備しています。たとえば大分県では「外国人労働者等就業環境等整備促進補助金」で最大200万円が支給されます。
高齢者の就労と生活を支える補助金・給付金
生産年齢人口の減少を補う存在として、65歳以上の就業者数は22年連続で増加しています。高齢者の雇用継続・処遇改善に取り組む企業には、65歳超雇用推進助成金の各コースが用意されており、高年齢者評価制度等雇用管理改善コースでは最大60万円が支給されます。
企業向け|高齢社員の雇用管理改善に使える助成金
定年延長、再雇用制度の整備、高齢社員向けの評価制度導入などが対象です。人手不足下で60代の労働力を活かす仕組みづくりを、助成金で後押しする設計です。
個人向け|高齢者が使える給付金・生活支援制度
65歳以上の求職者向けには高年齢求職者給付金があり、失業時の一時金として支給されます。年金・医療・交通費助成など、高齢者向けの支援制度をまとめて確認したい場合は以下の記事が参考になります。
地方の人口減少に応える地方創生・移住支援制度
減少数トップは北海道のマイナス5万8104人、減少率トップは秋田県のマイナス1.95%です。地方の人口減少を止めるための国の代表的な取り組みが、地方創生2.0と関連する交付金・補助金です。
新しい地方経済・生活環境創生交付金|地方創生2.0の中心政策
デジタル田園都市国家構想交付金を発展的に見直した「新しい地方経済・生活環境創生交付金(第2世代交付金)」が、地方創生2.0の中心的な財源として動いています。人材確保や生活基盤の維持、地域産業の高度化に取り組む自治体の事業に交付される仕組みです。
個人向け|東京圏から地方への移住で使える支援金
東京23区から地方に移住して就業・起業する個人には、世帯100万円・単身60万円の移住支援金と、子育て加算100万円(子ども1人あたり)が用意されています。移住支援金の対象自治体は年々拡大しており、都道府県独自の上乗せ制度も整備されています。
骨太の方針2026|今後の補助金政策の方向性
政府が2026年6月に閣議決定した「骨太の方針2026」では、賃上げと省力化投資の一体推進、地方創生2.0の実行、外国人材の適正な受け入れが柱に据えられています。基金の3年ルール見直しや地域未来枠の新設など、補助金制度の運用にも影響する論点が並びます。
人口動態調査が示した課題への政策的な回答が、骨太の方針や年末の令和8年度補正予算、令和9年度予算案を通じて具体化していく見通しです。
人口動態調査と補助金に関するよくある質問
Q1. 2026年の人口動態調査で日本人人口は何人になりましたか?
2026年1月1日時点の日本人人口は1億1973万6483人です。前年から91万6744人(0.76%)減少し、1984年以来42年ぶりに1億2000万人を下回りました。減少数・減少率とも1968年の調査開始以降で最大です。
Q2. 外国人人口はどれくらい増えたのですか?
外国人住民は前年から35万3696人(9.62%)増えて403万1159人となり、初めて400万人を超えました。総人口に占める外国人の割合は3.26%です。全都道府県で外国人が増加しました。
Q3. どの都道府県で人口が増えていますか?
日本人人口が増加したのは東京都のみです。外国人を含めた総人口ベースでは東京都・大阪府・千葉県の3都府県が増加しました。それ以外の道府県は日本人・総人口とも減少しています。
Q4. 人手不足対策として中小企業が使える代表的な補助金は?
中小企業省力化投資補助金が代表的です。一般型は最大1億円、カタログ注文型は最大1500万円の補助を受けられ、ロボット・自動化設備・IoT機器などの導入が対象となります。IT導入補助金や業務改善助成金と組み合わせて活用されるケースも多くあります。
Q5. 外国人労働者を採用する企業向けの助成金はありますか?
「人材確保等支援助成金 外国人労働者就労環境整備助成コース」があり、中小企業に最大80万円が支給されます。多言語マニュアル整備、社内通訳の配置、キャリアパス制度の導入などが対象です。キャリアアップ助成金や特定求職者雇用開発助成金の対象となるケースもあります。
Q6. 少子化対策として子育て世帯が受けられる主な支援制度は?
児童手当は2024年10月から所得制限が撤廃され、高校生年代まで対象が拡大しました。第3子以降は月3万円です。加えて出産・子育て応援給付金として妊娠時と出生時にそれぞれ5万円相当が支給されます。2026年度は物価高対策の追加給付やこども・子育て支援金制度の段階的導入も進んでいます。
Q7. 高齢者を雇用する企業が使える助成金はありますか?
65歳超雇用推進助成金の各コースがあります。高年齢者評価制度等雇用管理改善コースでは最大60万円が支給され、定年延長・継続雇用制度の整備や高齢社員の評価制度導入などが対象です。65歳以上の就業者数は22年連続で増加しており、政策的にも重点分野です。
Q8. 東京圏から地方に移住すると、いくら支援金がもらえますか?
国の移住支援金は世帯100万円・単身60万円が基本で、18歳未満の子ども1人あたり100万円の加算があります。就業・起業などの要件を満たす必要があり、対象自治体は年々拡大しています。都道府県や市町村の独自上乗せ制度と組み合わせられるケースも多くあります。
Q9. 地方の人口減少に対応する自治体向けの財源はありますか?
デジタル田園都市国家構想交付金を発展的に見直した「新しい地方経済・生活環境創生交付金(第2世代交付金)」が、地方創生2.0の中心的な財源として動いています。ローカル10,000プロジェクトなどの地域起業支援策もあわせて活用されています。
Q10. 今後の補助金政策はどう変わっていきますか?
2026年6月に閣議決定された骨太の方針2026では、賃上げと省力化投資の一体推進、地方創生2.0の実行、外国人材の適正な受け入れが柱に据えられています。基金の3年ルール見直しや地域未来枠の新設など、補助金制度の運用面でも見直しが進む見通しです。令和8年度補正予算・令和9年度予算案の内容が今後の焦点となります。
まとめ|人口動態調査2026が示す構造課題と補助金活用
2026年の人口動態調査は、日本人人口が42年ぶりに1億2000万人を割り、外国人が初めて400万人を超えたという歴史的な数字を示しました。少子化・人手不足・外国人材受け入れという3つの構造課題は、企業と個人の双方に影響します。
国と自治体はこれらの課題に応える形で、省力化投資補助金・両立支援等助成金・外国人材受入助成金・移住支援金・地方創生交付金など、幅広い支援策を展開しています。自社や自分の状況にあてはまる制度を早めに把握し、公募スケジュールに合わせて準備することが重要です。
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