2026年度は、子育て世帯を取り巻く制度が一斉に動いた年になりました。4月には公立小学校の給食費負担軽減がスタートし、高校授業料の就学支援金は所得制限が完全に撤廃。同じ4月から、医療保険料に「子ども・子育て支援金」が上乗せされる新しい負担も始まっています。
もらえるお金が増えた一方で、増えたぶん複雑にもなりました。制度の多くは申請しなければ1円も受け取れない申請主義です。知っているかどうかで、家計に数十万円単位の差がつきます。
この記事では、子育て世帯が使えるお金を「妊娠・出産」「0〜6歳」「小・中学生」「高校生」「大学・専門学校」「ひとり親世帯」に分けて、いくらもらえるか・誰が対象か・申請は必要かを2026年9月時点の情報で整理しました。あわせて、多子世帯の加算と、混同されやすい「子ども・子育て支援金」の正体も解説します。
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・【2026年最新】出産手当はいくら?一時金50万円・自治体の祝い金まで完全ガイド
・高校授業料無償化2026|所得制限撤廃・私立45万7,200円の支給額と申請方法
・児童扶養手当はいくら?所得制限・年収の早見表と計算方法【令和8年度】
この記事の目次
子育て世帯がもらえるお金は年齢別にいくら?【2026年度の早見表】
子育て世帯が使える主な制度と金額を、子どもの年齢別に一覧にしました。国の制度だけで、0歳から大学卒業までのライフステージがほぼ切れ目なくカバーされています。
| 時期 | 主な制度 | 金額の目安 |
|---|---|---|
| 妊娠・出産 | 妊婦のための支援給付/出産育児一時金/出産手当金 | 計10万円/1児50万円/給与の約2/3 |
| 0〜2歳 | 児童手当/育児休業給付金/こども誰でも通園制度 | 月1万5,000円/賃金の67〜80%/月10時間まで |
| 3〜5歳 | 児童手当/幼児教育・保育の無償化 | 月1万円/利用料が無料 |
| 小学生 | 児童手当/学校給食費の負担軽減/就学援助 | 月1万円/月5,200円まで/入学準備金約6万円ほか |
| 中学生 | 児童手当/就学援助 | 月1万円/入学準備金約6万円ほか |
| 高校生 | 就学支援金/奨学給付金/児童手当 | 年11万8,800円〜45万7,200円/年数万〜十数万円/月1万円 |
| 大学・専門学校 | 高等教育の修学支援新制度/多子世帯の授業料無償化 | 授業料・入学金の減免+給付型奨学金 |
| ひとり親世帯 | 児童扶養手当/高等職業訓練促進給付金ほか | 月最大4万8,050円/月10万円 |
第3子以降は児童手当が一律月3万円になるなど、子どもの人数によって金額が変わる制度もあります。まずはお子さんの年齢の章から読み進めてみてください。
妊娠・出産でもらえるお金は?合計60万円以上が基本
妊娠から出産までの期間に受け取れる国の給付は、妊婦のための支援給付10万円と出産育児一時金50万円が柱です。会社員であれば、これに出産手当金が加わります。
【妊婦のための支援給付】妊娠期に合計10万円
| 対象 | 妊娠の届出をした妊婦(所得制限なし) |
| 支給額 | 妊娠届出後に5万円、出産予定日8週間前以降に5万円×胎児の数(双子なら計15万円) |
| 申請先 | 市区町村(妊娠届出時の面談などで案内) |
2025年4月に法制化された全国共通の給付です。妊娠中に合計10万円を受け取れ、妊婦健診の自己負担やマタニティ用品の購入にあてられます。現金のほか電子クーポン等で支給する自治体もあり、受け取り方は地域によって異なります。
詳しくはこちら:
【出産育児一時金】1児につき原則50万円
| 対象 | 公的医療保険の加入者(本人または被扶養者)が出産したとき |
| 支給額 | 1児につき原則50万円(産科医療補償制度未加入の施設等での出産は48万8,000円)、多胎は人数分 |
| 申請先 | 加入する健康保険(多くは医療機関経由の「直接支払制度」を利用) |
出産費用支援の柱となる制度です。ほとんどの医療機関で直接支払制度が使えるため、窓口では出産費用から50万円を差し引いた額を支払うだけで済みます。出産費用が50万円を下回った場合は、差額を後から受け取れます。
【出産手当金】産休中に給与の約3分の2
勤務先の健康保険に加入している方が出産のために仕事を休んだ場合、産前42日(多胎は98日)から産後56日までの期間、給与のおよそ3分の2にあたる出産手当金が支給されます。産休中は社会保険料も免除されます。国民健康保険にはこの制度がないため、自営業・フリーランスの方は対象外です。
詳しくはこちら:
【無痛分娩の費用助成】東京都と6市町村が実施中
無痛分娩の費用を助成する自治体が増えています。2026年8月時点で助成を行っているのは東京都(最大10万円)のほか、群馬県下仁田町・みなかみ町、茨城県取手市、千葉県いすみ市、愛知県みよし市、岡山県備前市の6市町村です。岡山県備前市は最大20万円と、全国でもっとも手厚い水準になっています。
申請期限が出産後2〜3か月と短い自治体もあるため、出産前に確認しておくと安心です。
詳しくはこちら:
出産費用の無償化はいつから始まる?
出産費用無償化の根拠法である健康保険法等の一部を改正する法律(令和8年法律第31号)は、2026年5月29日に成立し、6月5日に公布されました。ただし出産に関する部分の施行日は「公布後2年以内に政令で定める日」とされており、遅くとも2028年6月4日までに施行される見込みです。
つまり、いま妊娠中の方は引き続き出産育児一時金50万円を利用する形になります。無償になるのも正常分娩の標準的な費用の範囲で、帝王切開や無痛分娩、付加サービスの扱いは今後の検討課題です。
詳しくはこちら:
0〜6歳(未就学)でもらえるお金は?児童手当と無償化が中心
未就学期は、対象がもっとも広い制度が集中する時期です。児童手当は所得制限なしで全世帯が対象、保育料も3〜5歳は全世帯が無償になります。
【児童手当】3歳未満は月1万5,000円、第3子以降は月3万円
| 対象 | 0歳〜18歳到達後最初の3月31日までの児童を養育する方(所得制限なし) |
| 支給額(3歳未満) | 月1万5,000円 |
| 支給額(3歳〜18歳年度末) | 月1万円 |
| 支給額(第3子以降) | 年齢にかかわらず一律月3万円 |
| 支給時期 | 偶数月の年6回(前2か月分をまとめて振込) |
| 申請先 | 市区町村(公務員は勤務先) |
児童手当は子育て世帯への現金給付の柱です。2024年10月の改正で所得制限が撤廃され、支給期間も高校生年代まで延長されました。第3子以降は年齢を問わず月3万円で、第3子のカウントには22歳年度末までの子どもも含まれます。
注意したいのは、自動的には支給されない点です。出生や転入から15日以内の申請が必要で、遅れた月の分はさかのぼって受給できません。出生届と同時に手続きするのが確実です。
参考:こども家庭庁 児童手当
【幼児教育・保育の無償化】3〜5歳は全世帯が対象
| 対象 | 3〜5歳児クラスの全ての子ども(0〜2歳児クラスは住民税非課税世帯) |
| 内容 | 幼稚園・保育所・認定こども園等の利用料が無料 |
| 上限額 | 幼稚園は月2万5,700円、預かり保育は月1万1,300円、認可外保育施設は月3万7,000円 |
| 申請先 | 通園先の施設・市区町村(認可外や預かり保育は「保育の必要性」の認定が必要) |
2019年10月から続く国の制度です。認可保育所や認定こども園なら、3〜5歳児の利用料は手続きなしで無料になります。幼稚園の預かり保育や認可外保育施設も、就労などの要件を満たして認定を受ければ対象です。
無料になるのは「利用料」のみで、給食費・行事費・通園送迎費は対象外です。完全にゼロ円になるわけではない点は押さえておきましょう。
【こども誰でも通園制度】就労を問わず月10時間まで預けられる
| 対象 | 保育所等に通っていない生後6か月〜満3歳未満の子ども |
| 内容 | 親の就労状況を問わず、月10時間まで保育所・幼稚園・認定こども園等を時間単位で利用できる |
| 利用料 | 自己負担あり(金額は自治体・施設が設定) |
| 申請先 | 市区町村(利用には認定と専用システムでの予約が必要) |
2026年度から法律に基づく給付として全国の自治体で実施されている新しい制度です。専業主婦(夫)家庭や育休中でも利用でき、子どもにとっても家族以外と関わる機会になります。実施施設や利用料の設定は地域差が大きいため、お住まいの自治体の案内を確認してください。
【子ども医療費助成】未就学児はほぼ全国で実質無料
子どもの医療費の自己負担分を自治体が肩代わりする制度で、ほぼすべての市区町村が実施しています。未就学児はほとんどの地域で実質無料となっており、近年は対象を18歳年度末まで広げる自治体が増えています。
受給者証がないと窓口でいったん全額を支払うことになるため、出生・転入時に児童手当とあわせて申請しておきましょう。
【育休中の給付金】夫婦で取得すれば手取り10割相当に
| 育児休業給付金 | 休業開始時賃金の67%(181日目以降は50%)。上限は月33万2,454円(2026年8月1日改定) |
| 出生後休業支援給付金 | 両親ともに14日以上の育休取得で最大28日間13%を上乗せ(給付率80%=手取り10割相当) |
| 育児時短就業給付金 | 2歳未満の子を育てながら時短勤務する場合、賃金の10%を支給 |
雇用保険に加入している会社員・公務員向けの給付です。2025年4月に出生後休業支援給付金と育児時短就業給付金が新設され、夫婦で育休を取れば一定期間は実質手取り10割相当になりました。育休中は社会保険料も免除されるため、収入面の落ち込みはかなり抑えられます。
詳しくはこちら:
自営業・フリーランスも2026年10月から国民年金保険料が免除に
雇用保険の育休給付を使えない自営業・フリーランスにも、2026年10月から新しい支援が始まります。国民年金第1号被保険者が1歳未満の子を養育している場合、申請により子どもが1歳になるまでの国民年金保険料が免除される制度です。
所得制限はなく、免除期間も保険料を納付したものとして将来の老齢基礎年金に反映されます。申請はマイナポータルから電子申請でき、原則として添付書類は不要です。
詳しくはこちら:
小・中学生でもらえるお金は?給食費と就学援助がポイント
義務教育期の支援の中心は、2026年4月に始まった学校給食費の負担軽減と、以前からある就学援助制度です。給食費は手続き不要、就学援助は毎年度の申請が必要という違いがあります。
【学校給食費の抜本的な負担軽減】2026年4月から公立小学校でスタート
| 対象 | 公立小学校・義務教育学校前期課程・特別支援学校小学部の児童(所得制限なし) |
| 基準額(完全給食) | 小学校等は月5,200円、特別支援学校小学部は月6,200円 |
| 基準額(補食給食) | 小学校等は月4,800円、特別支援学校小学部は月5,800円 |
| 基準額(ミルク給食) | 月1,200円 |
| 支援期間 | 年間11か月分 |
| 申請 | 原則不要 |
国が自治体の食材購入経費を支える仕組みで、完全給食なら月5,200円・年間最大5万7,200円が支援されます。保護者の手続きは原則不要で、所得制限もありません。給食費が基準額以内の地域では、保護者負担は実質ゼロになります。
一方、文部科学省はこの取組を「無償化」ではなく「抜本的な負担軽減」と表現しています。給食の内容や回数は自治体ごとに異なり、食材費が基準額を超える分は引き続き保護者から徴収できるためです。また、国の制度の対象は小学校のみで、中学校の給食費は対象外です(独自に無償化する自治体はあります)。
アレルギーなどで給食を食べられない場合の代替費補助については、こちらで解説しています。
【就学援助制度】入学準備金約6万円、給食費や修学旅行費も対象
| 対象 | 経済的な理由で就学が困難な世帯(生活保護世帯および自治体の基準を満たす準要保護世帯) |
| 内容 | 新入学学用品費(入学準備金)約6万円のほか、学用品費・給食費・修学旅行費などを援助 |
| 申請先 | 学校または市区町村の教育委員会(毎年度申請が必要) |
ランドセルや制服・体操服など、入学時のまとまった出費に使えるのが新入学学用品費(入学準備金)です。多くの自治体で小・中学校の入学時にそれぞれ6万円前後が支給され、入学前の2〜3月に前倒しで受け取れる自治体も増えています。
対象となる所得基準や援助費目は自治体ごとに異なります。「うちは対象外だろう」と思い込まず、一度基準を確認してみる価値のある制度です。
詳しくはこちら:
高校生でもらえるお金は?授業料と授業料以外の2階建て
高校段階の支援は、授業料をカバーする「高等学校等就学支援金」と、授業料以外をカバーする「高校生等奨学給付金」の2階建てで考えると整理できます。どちらも2026年度に大きく拡充されました。
【高等学校等就学支援金】所得制限撤廃で私立は年45万7,200円まで
| 対象 | 高校等に在学する生徒(2026年度から所得制限なし) |
| 公立高校(全日制) | 年11万8,800円 |
| 私立高校(全日制・定時制) | 年45万7,200円が上限 |
| 私立高校(通信制) | 年33万7,200円が上限 |
| 申請先 | 在学する学校を通じてオンライン申請システム「e-Shien」で申請 |
いわゆる「高校無償化」です。改正法が2026年3月31日に成立し4月1日に施行されたことで所得制限が完全に撤廃され、世帯年収にかかわらず私立は年45万7,200円まで支援を受けられるようになりました。支援金は学校に直接支払われ、授業料と相殺される仕組みです。
ただし、自動的には支給されません。入学時に学校経由での申請が必要で、これまで年収910万円以上で対象外だった世帯は新たに認定申請が必要です。案内を見落とさないよう注意しましょう。
詳しくはこちら:
【高校生等奨学給付金】年収490万円未満の世帯まで対象が拡大
| 対象 | 生活保護受給世帯・住民税非課税世帯に加え、2026年度から年収490万円未満の世帯まで拡大 |
| 内容 | 教科書費・教材費・修学旅行費など授業料以外の教育費を給付(返還不要) |
| 判定基準日 | 毎年7月1日 |
| 申請先 | 都道府県(学校経由の場合が多い) |
就学支援金が授業料の支援なのに対し、奨学給付金は制服代・教科書代といった授業料以外をカバーする返還不要の給付金です。文部科学省の令和8年度予算額は322億円で、前年度の152億円から倍増しました。就学支援金とは別に申請が必要なので、対象になりそうな世帯は必ず両方を申請しましょう。
詳しくはこちら:
都道府県の上乗せ助成と、高専の無償化もチェック
国の就学支援金に加えて、私立高校向けの授業料軽減助成や入学金補助を独自に行う都道府県も多くあります。東京都は都内私立高校の平均授業料水準まで、大阪府はさらに高い上限まで支援するなど、住む地域によって実際の負担額は変わります。国の制度とは別に申請が必要なケースがほとんどなので、お住まいの都道府県の私学助成のページもあわせて確認してください。
なお高等専門学校も支援の対象で、国公立高専は2026年度から授業料が実質無償化されています。
大学・専門学校でもらえるお金は?授業料減免と給付型奨学金
教育費のピークとなる高等教育段階では、授業料等減免と給付型奨学金がセットになった「高等教育の修学支援新制度」が中心です。2025年度からは多子世帯が所得制限なしで対象になりました。
【高等教育の修学支援新制度】給付型奨学金+授業料等減免
| 対象 | 住民税非課税世帯とそれに準ずる世帯、多子世帯、私立理工農系の中間層(世帯年収約600万円まで)など |
| 内容 | JASSOの給付型奨学金(返還不要)と、大学等の授業料・入学金の減免をセットで支援 |
| 減免額の上限 | 私立大学の場合、入学金約26万円+授業料約70万円 |
| 申請先 | 高校3年時の予約採用(高校経由)または進学後の在学採用(大学等経由) |
大学・短大・高専・専門学校の学費を支える国の中心的な制度です。世帯収入に応じた区分ごとに、私立大学なら最大で入学金約26万円+授業料約70万円の減免と、生活費にあてられる給付型奨学金を受けられます。
進学先が制度の対象校(確認大学等)であることが条件で、成績・学修意欲による継続要件もあります。高校3年の春に申し込む予約採用が基本ルートなので、早めの準備が肝心です。
詳しくはこちら:
【多子世帯の授業料無償化】子ども3人以上なら所得制限なし
| 対象 | 子どもを3人以上扶養している世帯の学生(所得制限なし) |
| 内容 | 大学等の授業料・入学金を国の定める上限額まで減免 |
| 申請先 | 修学支援新制度と同じ(予約採用・在学採用) |
2025年度に始まった修学支援新制度の拡充策です。扶養する子どもが3人以上いる間は、世帯年収にかかわらず授業料・入学金が一定額まで無償になります。「第1子が就職して扶養から外れると対象外になる」といった判定ルールの落とし穴があるため、多子世帯の方は要件を必ず確認してください。
詳しくはこちら:
給付型に届かない世帯が使える貸与型・民間奨学金
給付型の対象にならない世帯でも、無利子の第一種奨学金・有利子の第二種奨学金(いずれもJASSO・要返還)が利用できます。大学院修士課程には、在学中は授業料を納めず卒業後の所得に応じて支払う「授業料後払い制度」もあります。
加えて、企業や財団による返還不要の民間奨学金も年々増えています。キーエンス財団の「がんばれ!日本の大学生 応援給付金」のように、返済不要で30万円が支給される制度もあります。
ひとり親世帯(母子家庭・父子家庭)がもらえるお金は?
ひとり親世帯には、ここまでの制度に加えて専用の支援があります。柱となるのは児童扶養手当・医療費助成・就労支援・税の控除の4つで、なかでも資格取得を目指す場合の給付は金額が大きくなります。
【児童扶養手当】月最大4万8,050円、2人目以降は1万1,350円加算
| 対象 | 離婚・死別などにより父または母と生計を同じくしていない児童(18歳年度末まで)を養育する方 |
| 支給額(子1人) | 全部支給は月4万8,050円、一部支給は月4万8,040円〜1万1,340円 |
| 加算(第2子以降) | 1人につき月1万1,350円(一部支給は1万1,340円〜5,680円) |
| 支給時期 | 奇数月の年6回 |
| 申請先 | 市区町村 |
ひとり親支援の中心となる手当です。令和8年4月分から物価スライドで増額され、子ども2人の全部支給なら月5万9,400円になります。所得制限があり、養育費の8割相当も所得に算入されるなど独自の判定ルールがある点に注意が必要です。児童手当とは別に受給できるため、該当する方は必ず申請しましょう。
詳しくはこちら:
【ひとり親家庭等医療費助成】親子ともに医療費を軽減
ひとり親家庭の親と子どもの医療費自己負担分を自治体が助成する制度です。所得制限や一部負担金の有無は自治体によって異なりますが、子ども医療費助成の対象年齢を過ぎた後も親子ともに支援が続く点が大きなメリットです。児童扶養手当の申請とあわせて手続きするのが一般的です。
【高等職業訓練促進給付金】資格取得の期間中は月10万円
| 対象 | 児童扶養手当を受給しているか同等の所得水準(子1人なら年収385万円未満が目安)のひとり親 |
| 要件 | 養成機関で6か月以上のカリキュラムを修業し、対象資格の取得等が見込まれること |
| 支給額 | 訓練期間中は月10万円(住民税課税世帯は月7万500円)。最後の1年間は4万円増額 |
| 修了時 | 5万円(住民税課税世帯は2万5,000円) |
| 対象資格 | 看護師・准看護師・保育士・介護福祉士・理学療法士・調理師などの国家資格、シスコシステムズ認定資格などのデジタル分野の民間資格 |
看護師や保育士などの資格取得を目指す期間の生活費を支える給付金です。訓練期間中は月10万円、最後の1年間は月14万円が支給されます。受給中に子どもが20歳に到達した場合も、高等職業訓練促進継続給付金として同等の支給が続きます。
【自立支援教育訓練給付金】受講料の60%、最大160万円まで
| 対象 | 母子・父子自立支援プログラムの策定等を受けているひとり親 |
| 一般・特定一般教育訓練 | 経費の60%(上限20万円) |
| 専門実践教育訓練 | 経費の60%(修学年数×40万円、最大160万円) |
| 資格取得・就職した場合 | 専門実践教育訓練を修了し1年以内に資格取得・就職すると経費の85%(修業年数×60万円、最大240万円) |
| 注意点 | 受講前に都道府県等から講座の指定を受ける必要がある |
スキルアップのための講座費用を補助する制度です。給付率は経費の60%、資格取得・就職まで至れば85%まで上がります。受講してから相談しても対象にならないため、講座を選ぶ前に窓口に相談することが必須です。
【ひとり親控除】所得税35万円・住民税30万円の所得控除
一定の要件を満たすひとり親は、所得税で35万円、住民税で30万円の所得控除を受けられます。婚姻歴の有無や性別を問わず、合計所得500万円以下であることなどが条件です。会社員なら年末調整、自営業なら確定申告で適用でき、申告し忘れていた分は5年までさかのぼって還付請求できます。
詳しくはこちら:
子どもが3人以上いるといくら増える?多子世帯の支援まとめ
子どもが3人以上いる世帯は、児童手当・大学無償化・奨学給付金の3つで支援が上乗せされます。特に大きいのが児童手当の第3子加算で、金額は第1子・第2子の3倍です。
| 児童手当 | 第3子以降は年齢を問わず月3万円(第1子・第2子の3倍) |
| 大学等の授業料無償化 | 子ども3人以上を扶養している間は所得制限なしで授業料・入学金を減免 |
| 高校生等奨学給付金 | 扶養親族3人以上の世帯には独自の加算区分あり |
| 自治体独自の支援 | 保育料減免・入学祝い金・多子世帯向け住宅補助など |
第3子加算で押さえておきたいのが、カウント対象が18歳年度末を過ぎた後も22歳年度末まで含まれる点です。ただし対象となるには「監護相当・生計費の負担についての確認書」の提出が必要で、進学・卒業のタイミングで自治体から追加書類を求められることがあります。提出が遅れると遡って差額を受け取れないため、案内が届いたら早めに対応しましょう。
一方で、大学無償化の判定は「扶養している子どもが3人以上」であることが条件です。第1子が就職して扶養から外れると子ども2人の扱いとなり、下の子が対象外になるケースがあります。
「子ども・子育て支援金」はもらえるお金ではありません
検索で混同されやすいのが「子ども・子育て支援金」です。これは受け取る給付ではなく、2026年4月分の医療保険料から上乗せして徴収される負担です。子どもの有無にかかわらず、公的医療保険の加入者全員が対象になります。
| 徴収開始 | 2026年4月分の保険料から(会社員は5月支給の給与から天引きが一般的) |
| 支援金率 | 被用者保険は全国一律0.23%(2026年度・労使折半) |
| 負担額の目安 | 全制度平均で1人あたり月250円(2027年度350円、2028年度450円) |
| 総額 | 2026年度は約6,000億円、2028年度に約1兆円 |
| 国民健康保険の子ども分 | 18歳年度末までの被保険者は均等割額が10割軽減 |
| 使いみち | 児童手当の拡充、こども誰でも通園制度、育休給付の拡充など |
集められた支援金は、この記事で紹介した児童手当の拡充やこども誰でも通園制度、出生後休業支援給付金などの財源に充てられます。子育て世帯にとっては「負担も増えるが給付はそれ以上に増える」という設計です。産休・育休期間中は医療保険料と同様に免除されます。
詳しくはこちら:
子育て世帯の支援制度に関するよくある質問
母子家庭が30万円もらえる給付金はありますか?
母子家庭に一律30万円を配る全国共通の給付金はありません。ただし、30万円以上を受け取れる制度は複数あります。代表的なのが高等職業訓練促進給付金で、看護師・保育士などの資格取得のために養成機関で学ぶ間、月10万円(住民税課税世帯は月7万500円)が支給されるため、3か月で30万円に達します。自立支援教育訓練給付金も、講座費用の60%(専門実践教育訓練は修学年数×40万円・最大160万円)が支給されます。児童扶養手当も全部支給なら子ども1人で月4万8,050円のため、半年強で30万円を超える計算です。まずはお住まいの市区町村のひとり親支援担当課に相談してみてください。
子育て世帯への2万円給付はいつ振り込まれましたか?
2万円給付(物価高対応子育て応援手当)は、原則申請不要のプッシュ型給付として、多くの自治体で2026年2〜3月頃に児童手当の登録口座へ振り込みが完了しています。申請が必要だった方(公務員や基準日以降に出生した子の保護者など)の受付も、多くの自治体で2026年6月末までに終了しました。締切は自治体により異なるため、受け取れていない心当たりがある場合はお住まいの市区町村にご確認ください。
第3子には6万円が振り込まれるのですか?
児童手当の第3子以降の支給額は月3万円です。児童手当は偶数月に前2か月分をまとめて振り込む仕組みのため、1回の振込額が6万円になります。月額が6万円になったわけではありません。同様に、3歳未満の子1人なら1回3万円、小学生1人なら1回2万円が振り込まれます。
所得制限がある制度・ない制度はどれですか?
所得制限がないのは、児童手当、幼児教育・保育の無償化(3〜5歳)、高等学校等就学支援金、多子世帯の大学授業料無償化、妊婦のための支援給付、出産育児一時金、学校給食費の負担軽減です。一方、就学援助、高校生等奨学給付金、高等教育の修学支援新制度(多子世帯を除く)、児童扶養手当、ひとり親控除には所得要件があります。近年は所得制限を撤廃する流れが続いており、「共働きで年収が高いから対象外」と思い込んでいた世帯も使える制度が増えています。
子どもが3人いると何が変わりますか?
大きく3点が変わります。1つ目は児童手当で、第3子以降は年齢を問わず月3万円(第1子・第2子の3倍)になります。2つ目は大学等の授業料・入学金で、子ども3人以上を扶養している間は所得制限なく無償化の対象です。3つ目は高校生等奨学給付金で、扶養親族3人以上の世帯には独自の加算区分が設けられています。このほか、保育料減免や入学祝い金など自治体独自の多子世帯支援を実施する地域もあります。
申請しないともらえない制度はどれですか?
本記事で紹介した制度のほとんどは申請が必要です。特に児童手当(出生・転入から15日以内)、高等学校等就学支援金(入学時にe-Shienで申請)、高等教育の修学支援新制度(高校3年春の予約採用)は、申請タイミングを逃すと損をしやすい制度です。一方、学校給食費の負担軽減や幼児教育・保育の無償化(認可施設の3〜5歳児)のように、手続き不要のものもあります。
中学校の給食費も無償になりますか?
2026年4月に始まった国の「学校給食費の抜本的な負担軽減」の対象は公立小学校(義務教育学校前期課程・特別支援学校小学部を含む)のみで、中学校は対象外です。中学校への拡大は今後の検討事項とされており、開始時期は決まっていません。ただし、自治体が独自に中学校の給食費を無償化・補助している地域はあります。また小学校でも、食材費が国の基準額(完全給食で月5,200円)を超える自治体では超過分の徴収が続く場合があります。
「子ども・子育て支援金」はいくらもらえるのですか?
子ども・子育て支援金は受け取る給付ではなく、2026年4月分の医療保険料から上乗せして徴収される負担です。被用者保険の支援金率は2026年度で全国一律0.23%(労使折半)、全制度平均の負担額は1人あたり月250円程度で、2027年度350円、2028年度450円と段階的に引き上げられます。集められた資金は児童手当の拡充やこども誰でも通園制度などの財源になります。国民健康保険では、18歳年度末までの子どもの均等割額は10割軽減されます。
自営業・フリーランスが使える育児支援はありますか?
雇用保険の育児休業給付金や出産手当金は会社員向けの制度のため、国民健康保険・国民年金の自営業者は対象になりません。ただし、2026年10月から国民年金第1号被保険者向けの育児免除制度が始まり、子どもが1歳になるまでの国民年金保険料が申請により免除されます。所得制限はなく、免除期間も将来の老齢基礎年金に反映されます。従来からある産前産後期間の保険料免除とあわせて活用しましょう。児童手当・幼保無償化・出産育児一時金・妊婦のための支援給付は、働き方にかかわらず対象です。
自治体独自の子育て支援はどう探せばよいですか?
お住まいの市区町村の公式サイトで「子育て支援」「手当・助成」のページを確認するのが基本です。出産祝い金、紙おむつ支給、第2子以降の保育料無償化、入学祝い金、無痛分娩費用の助成など、内容は地域によって大きく異なります。母子健康手帳の交付時や出生届の提出時に配布される子育てガイドブックにも一覧が載っています。転入・転出があると使える制度が変わるため、引っ越しのタイミングでも確認しておくと安心です。
まとめ
子育て世帯向けの支援制度は、妊娠期の10万円から大学の授業料無償化まで、ライフステージごとに切れ目なく用意されています。2026年度は高校授業料の所得制限撤廃と公立小学校の給食費負担軽減という2つの大きな拡充があり、対象になる世帯は確実に広がりました。
押さえておきたいのは、多くの制度が申請主義だという点です。出産、入園、小学校・高校・大学への入学といった節目のたびに「いま申請できる制度はないか」を確認する習慣をつけるだけで、受け取れる支援は大きく変わります。あわせて、国の制度に上乗せする形の自治体独自の給付金・助成も数多く実施されています。お住まいの市区町村の公式サイトもチェックしてみてください。
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