
新型コロナウイルス感染症による国民生活や経済への影響は今なお続いています。
本記事では、新分野展開や業態転換で事業の立て直しを支援する補助金や、感染リスクを抑えるための設備導入支援、雇用を守る支援制度などを調べました。そのほか、コロナ禍で厳しい環境に置かれた生活者を対象とした支援策をまとめています。(5月24日時点)
各施策の最新の情報については、リンク先の実施機関ホームページ等でご確認ください。
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この記事の目次
事業再構築補助金【個人事業主・法人向け】
コロナ禍における補助金の代表格ともいえる事業再構築補助金。コロナの影響を受けながら新分野展開、業態転換等の「事業再構築」に挑戦する中小企業等を対象とした補助金です。特別枠がいくつもあり、自社の状況を踏まえて、どの類型で申請するかの判断が重要になります。
出典:事業再構築補助金
【下表は通常枠の内容】
補助対象者 | 中小企業、中堅企業、小規模事業者、個人事業主、企業組合等 |
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主な申請要件 | ①売上が減っている※こと ②事業再構築指針に沿った3~5年の事業計画書を認定経営革新等支援機関等と共同で策定すること |
補助金額※従業員数により異なる | 【中小企業】100万円以上8,000万円以下 【中堅企業】100万円以上8,000万円以下 |
補助率 | 【中小企業】2/3(6,000万円超は1/2) 【中堅企業】1/2(4,000万円超は1/3) |
対象経費 | 建物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費 |
公募期間 | 第6回公募:2022年3月28日~2022年6月30日 18時厳守 |
※売上減少要件について:2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していること等
出典・参考:事業再構築補助金 公募要領
第6回公募から、回復・再生応援枠(引き続き業況が厳しい事業者や事業再生に取り組む事業者に対する支援)とグリーン成長枠(グリーン分野での事業再構築を通じて高い成長を目指す事業者への支援)ができました。また、ウクライナ情勢の緊迫化等による影響を踏まえて、新たに、原油価格・物価価格高騰等の予期せぬ経済環境の変化の影響を受けている事業者を対象とした特別枠の創設や加点措置が実施されます。
原油価格・物価高騰等の経済環境の変化の影響を受けている事業者対するに対する加点措置(優先的に採択)は、第6回公募から行われます。「原油価格・物価高騰等緊急対策枠の新設」は、第7回からで、公募開始時期は調整中とのことです。
なお、第6回公募の申請受付は5月下旬~6月上旬開始の予定です。
(事業再構築補助金は、さらに2回程度の公募を予定)
出典・参考:事業再構築補助金
事業復活支援金【個人事業主・法人向け】
コロナの影響を受ける中堅・中小・小規模事業者、フリーランスを含む個人事業者に対して、事業規模に応じた給付金を支給する制度です。申請期限はもともと5月31日でしたが6月17日まで延長となりました。申請前に必要な登録確認機関による事前確認は6月14日までに行う必要があります。(申請に必要なアカウント発行は5月31日まで)対象者 | 以下のどちらにもあてはまる事業者 ①新型コロナウイルス感染症の拡大や長期化に伴う需要の減少または供給の制約により大きな影響を受けている ②①の影響を受け、自らの事業判断によらずに対象月の売上が基準期間の同月と比べて50%以上または30%以上50%未満減少している |
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申請期間 | 2022年1月31日~2022年6月17日 | 上限額 | ・売上高50%以上減少の場合:法人最大250万円、個人最大50万円 ・売上高30%~50%未満減少の場合:法人最大150万円、個人最大30万円 ※法人の上限額は、売上高に応じて3段階 |
給付額 | (基準期間の売上高)-(対象月の売上高)× 5 |
※基準期間とは?:「2018年11月~2019年3月」「2019年11月~2020年3月」「2020年11月~2021年3月」のいずれかの期間
※対象月とは?:2021年11月~2022年3月のいずれかの月(基準期間の同月と比較して売上が50%以上または30%以上50%未満減少した月であること)
出典・参考:事業復活支援金
出典:中小企業庁関係令和3年度補正予算案のPR資料
【給付実績等】
5月23日(月)時点で、約194万件の申請をいただき、約153万件の中小企業・個人事業者の皆様に約1兆1403億円をお届けしています。(引用:経済産業省 事業復活支援金)
▼差額給付など、事業復活支援金の最新情報はこちらからどうぞ!
大規模感染リスクを低減するための高機能換気設備等の導入支援事業
不特定多数の人が集まる飲食店等の業務用施設等に対して、高機能換気設備(全熱交換型の換気設備)をはじめとする高効率機器等の導入を支援します。新型コロナウイルス等の感染リスクを減らすとともに、CO2排出量削減による地球温暖化への対策(脱炭素化)をすすめることができます。
補助対象者 | 民間企業、個人事業主、国立大学法人、公立大学法人及び学校法人等 |
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対象施設 | 事務所等、ホテル、病院、福祉施設、百貨店、学校、飲食店、図書館、体育館、映画館等 |
補助対象経費 | 設備費、工事費(設備費に関しては、熱交換率40%以上の高機能換気設備の導入が必須) |
補助率 | 2/3 |
上限額 | 2,000万円 |
公募期間 | 2次公募:令和4年5月23日~令和4年6月24日 |
出典・参考:大規模感染リスクを低減するための高機能換気設備等の導入支援事業
雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症特例措置)【個人・法人向け】
雇用調整助成金は、雇用保険適用事業所が労働者に対しての休業手当の取り決めを行っている場合に対して、国がその支払いを助成するものになります。下表では雇用調整助成金の特例の原則的な措置と地域特例、業況特例をご紹介します。※()内の割合は、解雇を行わなかった場合の助成率となります。
【原則的な措置】対象事業主 | 雇用保険に加盟しており新型コロナウイルス感染症の影響により売上が前年同月比で5%以上減少している者 |
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助成対象となる労働者 | 雇用保険被保険者、被保険者でないパート・アルバイトも対象 |
助成率 | 中小企業:4/5(9/10) 大企業: 2/3(3/4) |
助成上限額(1人1日あたり) | ①判定基礎期間の初日が令和3年12月まで…13,500円 ②判定基礎期間の初日が1月・2月…11,000円 ③判定基礎期間の初日が3月~6月…9,000円 |
【地域特例】の対象者 | 「緊急事態宣言」「まん延防止等重点措置」の対象地域で、知事による基本的対処方針に沿った要請に基づいて、営業時間の短縮等に協力する企業 |
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【業況特例】の対象者 | 売り上げ高等の生産指標を、直近3か月間の月平均値と前年同期または前々年同期の月平均値を比べて30%以上減少した全国の企業 |
助成率 | 中小企業:4/5(10/10) 大企業: 4/5(10/10) |
助成上限金額 | 1日当たり15,000円 |
出典・参考:雇用調整助成金|厚生労働省
雇用調整助成金については特例措置を6月末まで継続すると公表しています。詳細は以下の記事にてご確認ください。
新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金【個人】
事業主が雇用調整助成金を利用しないために休業手当の支給を受けることが出来ない労働者を対象に、自らが申請を行うことで休業前賃金の80%(日額上限8,265円)の休業支援金を受給することが出来る制度です。
申請者 | 中小企業の労働者(大企業に雇用される労働者も対象となる場合があります) |
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対象者 | ①令和3年10月1日から令和4年6月30日までに事業主が休業させた中小企業の労働者 ②令和3年10月1日から令和4年6月30日までに事業主が休業させた大企業のシフト労働者等 上記①②のうち、休業期間中の賃金(休業手当)の支払いを受けることができなかった労働者(※ 雇用保険被保険者でない方も対象) |
給付率 | 80% |
支給上限金額 | 1日あたり8,265円(注:令和3年10月1日~12月31日までは日額上限9,900円)) | 申請期限 | ・休業期間が令和3年10月~令和4年3月の場合:令和4年6月30日まで ・休業期間が令和4年4月~6月の場合:令和4年9月30日まで |
※上限額について:緊急事態措置またはまん延防止等重点措置を実施すべき区域の知事の要請を受けて、営業時間の短縮等に協力する施設(飲食店等)の労働者は、令和3年10月1日~令和4年6月30日の期間11,000円となります。
出典・参考:休業支援金・給付金|厚生労働省
新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金
令和3年8月1日から令和4年6月30日までの間に、以下の子どもの世話を保護者として行うことが必要となった労働者に対し、有給(賃金全額支給)の休暇(労働基準法上の年次有給休暇を除く)を取得させた事業主を支援する制度です。
- 新型コロナウイルス感染症に関する対応として、ガイドラインなどに基づき、臨時休業などをした小学校など(保育所等を含む)に通う子ども
- 新型コロナウイルスに感染した子どもなど、小学校などを休む必要がある子ども
【助成内容】
休暇中の賃金相当額×10/10(日額最大15,000円)
【日額上限額】
令和4年1~2月:11,000円
令和4年3~6月:9,000円
※申請の対象期間中に緊急事態宣言の対象区域またはまん延防止等重点措置を実施すべき区域であった地域に事業所のある企業は15,000円。
【申請期限】
令和4年1月~3月休暇分:令和4年5月31日締切
令和4年4月~6月休暇分:令和4年8月31日締切
参考:厚生労働省 新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金
なお、事業主に小学校休業等対応助成金の活用に応じてもらえない場合は、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金の仕組みにより労働者が個人で申請することが可能です。
産業雇用安定助成金【法人向け】
新型コロナウイルス感染症の影響により事業活動の一時的な縮小を余儀なくされた事業主が、在籍型出向により労働者の雇用を維持する場合、出向元と出向先の双方の事業主に対して、その出向に要した賃金や経費の一部を助成する制度です。
【出向運営経費】
出向元事業主及び出向先事業主が負担する賃金、教育訓練および労務管理に関する調整経費など、出向中に要する経費の一部を助成します。
出向元が労働者の解雇などを行っていない場合 | 9/10(中小企業) 3/4(中小以外) |
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出向元が労働者の解雇などを行っている場合 | 4/5(中小企業) 2/3(中小以外) |
上限額(出向元・出向先の合計) | 1日当たり12,000円 |
【出向初期経費】
就業規則や出向契約書の整備費用、出向元事業主が出向に際してあらかじめ行う教育訓練、出向先事業主が出向者を受け入れるための機器や備品の整備などの出向の成立に要する措置を行った場合に助成します。(出向元、出向先それぞれに対して)
助成額 | 各10万円/1人当たり(定額) |
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加算額※ | 各5万円/1人当たり(定額) |
※加算額について:出向元事業主が雇用過剰業種の企業や生産量要件が一定程度悪化した企業である場合、出向先事業主が労働者を異業種から受け入れる場合に、助成額の加算が行われます。
出典・参考:産業雇用安定助成金|厚生労働省
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緊急小口資金(主に休業された方向け)
緊急かつ一時的に生計の維持が困難となった場合に、少額の費用を借りることができます。※新型コロナウイルス感染症の影響で収入の減少があれば、休業状態になくても対象となります。
対象者 | 新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、休業等による収入の減少があり、緊急かつ一時的な生計維持のための貸付を必要とする世帯 |
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貸付上限額 | 20万円以内(従来の10万円以内とする取扱を拡大し、下記に該当する世帯は、貸付上限額を20万円以内とする) ・世帯員の中に新型コロナウイルス感染症の罹患者等がいるとき ・世帯員に要介護者がいるとき ・世帯員が4人以上いるとき ・上記以外で休業等による収入の減少等で生活費用の貸付が必要なとき など |
据置期間 | 1年以内 ※令和4年12月末日以前に償還が開始となる貸付については令和4年12月末日まで据置期間を延長 |
償還期限 | 2年以内 ※特例措置では、償還時において、住民税非課税世帯の償還を免除することができる取扱い |
貸付利子・保証人 | 無利子・不要 |
申請期間 | 令和4年8月31日まで |
お申込み先 | 市区町村 社会福祉協議会 |
出典・参考:厚生労働省 生活支援特設ホームページ
総合支援資金(主に失業された方向け)
生活再建までの間に必要な生活費用を借りることができます。※新型コロナウイルス感染症の影響で収入の減少があれば、失業状態になくても対象となります。
対象者 | 新型コロナウイルスの影響を受けて、収入の減少や失業等により生活に困窮し、日常生活の維持が困難となっている世帯 |
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貸付上限額 | ・(二人以上世帯)月20万円以内 ・(単身世帯)月15万円以内 貸付期間:原則3月以内 |
据置期間 | 1年以内 ※令和4年12月末日以前に償還が開始となる貸付については令和4年12月末日まで据置期間を延長 |
償還期限 | 10年以内 ※特例措置では、償還時において、住民税非課税世帯の償還を免除することができる取扱い |
貸付利子・保証人 | 無利子・不要 |
申請期間 | 令和4年8月31日まで |
お申込み先 | 市区町村 社会福祉協議会 |
出典・参考:厚生労働省 生活支援特設ホームページ
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傷病手当金(全国健康保険協会 )【個人】
傷病手当金とは、健康保険等の被保険者が業務災害以外の理由による病気やケガの療養のため仕事を休んだ場合に所得保障を行う制度で、新型コロナウイルスに感染し、療養のために働くことができない場合も利用することができます。
対象者 | 以下のすべてを満たした健康保険の被保険者が支給対象 ・業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること ・仕事に就くことができないこと ・連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと ・休業した期間について給与の支払いがないこと |
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受給金額 | ・傷病手当金が支給される前年の標準報酬月額 ÷ 30日 × (2 / 3) |
出典・参考:新型コロナウイルス感染症に係る傷病手当金の支給に関するQ&A
出典・参考:病気やケガで会社を休んだとき | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会
▶全国健康保険協会支部(一覧)
国民健康保険料(税)の減免に対する財政支援【個人・個人事業主】
新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少した世帯等については、国民健康保険料が減免される場合があります。
対象者 | 以下のいずれかに当てはまる世帯 ①新型コロナウイルス感染症により、主たる生計維持者が死亡した世帯 ②新型コロナウイルス感染症により、主たる生計維持者が重篤な傷病を負った世帯 ③新型コロナウイルス感染症により、主たる生計維持者の収入(給与・ 事業・不動産・山林のいずれか)が前年と比較して3割以上減少する世帯(その他要件あり) |
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減免の対象となる保険料 | 令和4年4月1日から令和5年3月31日までの間に普通徴収の納期限が設定されている令和4年度分の保険料 |
出典・参考:国民健康保険料(税)の減免に対する財政支援について|厚生労働省保険局国民健康保険課・総務省自治税務局市町村税課
財政支援の対象となる減免措置は、市町村の国民健康保険に加入している被保険者の属する世帯に係る保険料(税)について、市町村が条例に基づいて行った減免措置となるようですので、詳しくは各地方自治体までご相談ください。
住居確保給付金(家賃支援)
新型コロナウイルスの影響による休業等に伴う収入減少等により、住居を失うおそれが生じている方等に対して、住居確保給付金を支給します。自営業者等、雇用契約によらない就業形態の方も対象になります。
【対象者】
- 離職・廃業後2年以内の者
- 給与等を得る機会が当該個人の責に帰すべき理由・当該個人の都合によらないで減少し、離職や廃業と同程度の状況にある者
【支給額】
実際の家賃額
※ただし、市区町村ごとに定める額(生活保護制度の住宅扶助額)を上限とします。支給された給付金は、賃貸住宅の賃貸人や不動産媒介事業者等へ、自治体から直接支払われます。
【支給期間】
原則3か月間、延長は2回までで最大9か月間支援が受けられます。
【申請期間】
なし
※ただし、支給終了した方を対象とした、3か月間再支給の申請は令和4年8月31日まで。
出典・参考:厚生労働省 生活支援特設ホームページ 住居確保給付金
<参考>令和3年度補正予算、令和4年度予算について
ウィズコロナの時代をどのように各環境を整備していくかという点で予算も取られていますので省庁の注力ポイントが気になる方は、こちらもあわせてご覧ください。
■経済産業省
■厚生労働省
■国土交通省
経営者5,000名超利用!経営情報サービス【社長online】
まとめ
今回は現在新型コロナウイルスへの対応として実施されている支援制度について紹介しました。
政府は、急激な感染拡大を防ぎながら、可能な限り日常の生活を取り戻すという方針のもと支援を実施しています。事業者の方は各種支援制度を活用し経済対策や感染症対策を進めていただきたいと思います。
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